おはようございます(・∀・)

 

世間は熱帯夜ですが我が家は今日も寒くもなく湿度は低いので快適ですよ。ダイキンのエアコンは先日に厚手のフィルターを追加してやっと運転が安定しました。

 

私にはもはや当たり前のことなのですが、この室内の状況が二階の階段ホールにある6畳用のエアコン1台によって作られているなんて、信じられない人も多いでしょうね。

 

 

さて、私のところに一条ハウス以外の方からの相談がきます。私は日本の省エネのためにブログを書いてますから、どこのハウスメーカーの方でも参考にしてください。

 

また、一条ハウス以外の方と一条ハウスでも軸組み工法の方から、i-series(i-smartとi-cube)のような超断熱ではないから、全館冷房は無理か?という話を頂きます。

 

計算すると、Q値が1.0Wの家と省エネ基準並の2.7Wの家では以下となります。C値は1.0、μ値0.025(窓の日除けはしっかり)、床面積は100m2、天井高さ2.4mで計算。

 

Q値が1.0Wの家 1.51kW

Q値が2.7Wの家 1.74kW

 

大して変わらないでしょう?6畳用のエアコンの能力が2.2kWですから、どちらの家でも6畳用で足りると計算されます。

 

断熱性能を表すQ値は冬の暖房費削減に有効な指標なのですが、夏はQ値より窓の日射の制御が大事です。なぜなら、夏は冬ほど室内外の温度差がないからです。

 

真夏に外気温が35℃になったとしても、室内は27℃だとすれば差は8℃しかありませんが、真冬は外気温が5℃で室温が20℃なら15℃も差があります。

 

だから、超断熱の家は冬には有利でも、夏はそれほど有利ではないのです。多くの方がQ値の理解が間違っていて、省エネ基準並みの断熱性能があれば夏は十分です。

 

そして、以前に空気の中にある熱は顕熱(温度)と潜熱(湿度)の2個だと述べました。そして、夏は顕熱1に対して潜熱は2倍近い熱量があります。

 

Q値が良い家といっても、それは顕熱だけを遮断できるのであって、空気中の潜熱を遮断するには家のQ値は無関係で、むしろ気密性能が重要になってきます。

 

つまり、全館冷房と超断熱の家はあまり関係はないということです。気密性能の良い家で、窓から日射が入らないようにして、室温の上昇を抑えることが大事です。

 

 

省エネ基準並みの家で全館冷房をすると室内は高温低湿度になっていくと思います。エアコンを使っても超断熱の家より室温が低下しないため、エアコンがサーモオフしないからです。

 

計算はしてませんが、室温が27℃で相対湿度は40%台のような状態になっていくと思います。室温が高いため相対湿度が下がり、室温が高いと露点が上がり除湿も進むでしょう。

 

恐らく、電気代については除湿量が多くなることから、超断熱の家より少し高くなると思いますが、その分除湿の恩恵を受けますから、そこは考え方次第だと思います。

 

夏は屋根や天井面が日射により強烈に暖められますが、二階のエアコンで24時間全館冷房をしていれば、二階が灼熱になることもないでしょう。

 

 

家の性能は年間を通じて、どの程度にするか考える必要があります。Q値が良い家は冬の暖房費の削減に有利ですが、梅雨に冷房運転で室温低下を招くなど扱いが難しいです。

 

特に梅雨の一条ハウスはバイパス換気機能がないロスガードのせいで、湿度が戻って来てしまうことと、超断熱なので冷房を使うとすぐに室温が低下するという二重苦があります。

 

この対応として再熱付のエアコンが必要だったり、エアコンの冷房+除湿機の併用など、世間からみれば珍プレーのような対応ですが、空調費用は年間を通じて考える必要があります。

 

全館冷暖房の我が家では、冬の暖房代(床暖房)が2.8万円/年で、夏の冷房代が1.2万円/年と計算されますから、やはり削減すべきは暖房費用です。

 

世間の低性能な家をみると(右のグラフ)冷房代が2.2%で暖房代が26.7%と圧倒的に暖房代が高いため、Q値の良い家が求められるのですね。

 

年間の空調費用を計算しないで、ある時期だけ抜き出して家の性能を論じても意味がなくて、冬を重視すれば梅雨が不利になるなど、家は四季を通じて考えて設計する必要があります。

 

そうなると圧倒的に多い冬の暖房費を減らすためにQ値や暖房機器の性能を良くすることになるのですが、Q値を良くすると副作用として梅雨のコントロールが難しくなります。

 

真夏に関しては、南以外の窓を小さくして、南の大窓には日除けを付ける設計を行い、エアコン1台で全館冷房すれば室内は快適になるので設計は簡単です。

 

しかし、超断熱の家は梅雨に対応した設計が難しくて、やはり室温低下を抑えながら除湿をするとなると、再熱付のエアコンに頼るしかないでしょう。

 

除湿機を24時間稼働すると電気代が高いですし、廃熱で室温が上がりすぎてしまうので、超断熱の家はなんてジャジャ馬なんだろうかと思いますね(;・∀・)

 

そして、私は省エネのために再熱を使わずに相対湿度60%以下で梅雨を乗り切っていますが、少々室内が寒いです。快適性を求めるなら少し電気代が上がりますが再熱でしょう。

 

梅雨のコントロールが難しくなるため、冬の暖房費下がるための超断熱化は避けて、バイパス換気の採用と暖房機器の性能を高めればこの問題は回避できると思います。

 

それには高効率なエアコンの採用と、家中の空気を大量に回して室内の温度差を無くすなどが必要で、大手ハウスメーカーではこのような設計はしないでしょうね。

 

以上、高気密高断熱住宅の設計は奥が深いの巻でした(・∀・)