こんにちは!

 

本日は大半の人はやらないだろうなと思いますけど、数値計算の勧めについてです。

 

家作りはUA値などの数値に捉われると良い家が建たないと言われますが、数値の計算を理解している人はそんなことは言わないだろうと思います。

 

UA値は換気の熱損失や日射熱の取得などは含まれません。しばしば、UA値は万能ではないのだから数値に捉われない家作りをしようといった話の展開がされてしまいます。

 

私にはなぜこんな展開になるのかと不思議に感じます。だって、換気の熱損失まで考慮したいならQ値がありますし、日射熱の考慮であればηA値があります。

 

本来は家の最終的な燃費計算が作り手から提供されれば良いのですがそれが提供されない現状では、その手前となるUA値などの数値の扱いに消費者は戸惑うのでしょう。

 

そのため、一般的な数値に捉われるなというUA値の議論はお医者さんで言うと、外科の先生は内科のことがわからないからやぶ医者だと言っているようなものになってしまいます。

 

もちろん、UA値至上主義のような話し方をされるとUA値がそれほどでもない家の人は反発はしたくなるという面もあると思います。

 

さて、私が思うバランス感覚とは数値などで測れる定量面とデザインなどの数値で測れない定性面がともに考慮された状態です。

 

世間のいうところの家作りに完璧はないとかバランス感覚という言葉は私には食わず嫌いをもっともらしく言っているように聞こえます。

 

そもそも、いま家を建てる人が高気密高断熱住宅について疑問に思っていることは、過去に家を建てた人がとっくに悩んでいます。

 

新住協の鎌田先生が80年代に構築した新在来木造工法の確立以来、高気密高断熱住宅の歴史は40年近くが経過しようとしています。

 

ネットをしらべれば自分で考えるより有益な先人の知恵がたくさんあります。同じようなことを疑問に思い悩んだ人は過去にたくさんいます。

 

しかし、大半の施主は一生に一度しか注文住宅を建てることが出来ないので、歴史の連続性を認識することが難しいのだと思います。

 

私は2000年に初めて注文住宅を建てて以来、たまたま四回家を建てる機会があったため、家作りの歴史を意識することができました。

 

もちろん、家の快適性の捉え方は人それぞれですし、住宅の歴史や計算なんて面倒なことは知りたくもない人もいるでしょう。

 

ただ、数値を計算したことがない人が数値を語ると、誤解が多いので、一回数値を計算してみたらいいのにと思う時があります。ちょっとハードルが高い話ですよね。

 

でも、例えると建物の登記などを自分でやってみるようなことと同じレベルの話なんですよ。少しがんばって取り組めばできることなんです。

 

数値の計算は専門家の領域だと考えるかも知れませんが、私の提供している計算ツールはプログラムの保護などしておりませんので、計算過程が全部見れます。

 

https://iiie296.com/?page_id=68#toc1

 

とある、計算ソフトをひも解いて、Excelで再構築したものですから、数値の精度については高いと言われます。当たり前ですけどね。

 

UA値やQ値には個性があるので、個性を理解して使い分けないと、数値は使えないと誤解をしてしまうでしょう。

 

計算の過程を見れば、これまで分からなかったことが見えてきます。数値は答えを導くだけでなく計算過程を知ることが重要だと私は思います。

 

まぁ、興味のある人はUA値やQ値、そしてηA値などを計算してみてください。色々と分かることがありますよ。数値を知れば家作りのデザインの可能性が広がると思います。

 

そして、数値については分からないというのは良いけど、必要ないと言うのは違うのかなと思います。ただ、これも全く必要ないと言っているではないと思いますけどね。

 

 

 

さて、我々素人は住宅市場が透明なら数値なんて知らなくても良いのですが、問題は住宅業界でご飯を食べている人達でしょうね。

 

国土交通省の情報によると設計士でも半分ぐらいの人はUA値が計算できないそうです。

 

まぁ、建築確認申請の代行をやっている設計士さんも多いですし、ある意味、これだけ食わず嫌いのプロがいるということです。

 

温熱の計算をしてみて、温熱は不要だと思うのなら良いのですが、そもそも計算すらしようとしないプロは評価されない時代になっていると思います。

 

だって、素人の私ですら計算できるのですからゲローゲローゲロー

 

家作りは多様の要素があってどれも重要。100点はないとはいえ、ある分野の考慮が大きく抜け落ちている家作りは良くないですね。

 

大手のハウスメーカーをひとくくりにするつもりはありませんが、ZEHが標準で通らないハウスメーカーはちょっと考慮が足りていないと思いますね。

 

空間デザインは重要だと思いますが、消費者の知識が向上しているこれからの時代は数値が理解できないプロは生き残れないと私は思います。

 

空間デザインと性能の両方詳しいプロはごく少数ですがいます。これからはその人たちを中心に家作りの話が展開されていくでしょう。

 

Youtubeなどでも温熱の話題が大きく取り上げられているので、もう後戻りはできないですし、高気密高断熱住宅は長い歴史があるので、これは流行りではないと私は思います。

 

性能とデザインはコストを除けば矛盾しない。そして、コストダウンしながら両方を大事にしている設計者や工務店はあります。

 

プロでも得意不得意があるし、コストの問題もあるので、全部が完璧である必要なんてないのですよ。ただ、性能に関しては苦手とか不得意と言ってられない時代だと思います。

 

同じように空間デザインが苦手なんて言ってられないですよね。少しずつで良いのでより良い家作りになって欲しいなと思います。

 

少し前までは、性能重視派と感性重視派といった対立構造のような話が多かったですが、今はどっちも重視派が増えていると思います。モチのロンで私はどっちも重視派です。

 

まぁ、こんな話も過去に沢山されていて、家の性能のことを任せられるプロを探して、施主は楽しい家作りをすればいいと私は思います。