明日の言の葉 -4ページ目

抱擁

争いを 抱擁で避ける ボノボたち

 争うヒトを じっと見ている

ボノボ

チンパンジーに似ているが
争いを好まぬボノボ


親密なハグで喧嘩を避ける


緑あふれる楽園だった生息地は
困窮の中 紛争のさなかへ


あるものは食べられ
幼い子はペットとして売られる


人々は叫ぶ
猿の研究より自分たちの生活を救えと


98%ヒトと同じDNAをもつボノボ
殺しあうヒトをじっと見ている

その災厄は今も尚

貧富の格差激しいかの国で

都市部の豊かさに激怒した村


暴動蜂起も時間の問題


するとその村は忽然と消えた


あとには広大なクレーター


人を人とも考えぬ
ろくでもない奴らの鎮圧



葬るべきは核の力


被爆国の我々は


祈るだけでは終わらない




六ヶ所村はまだ動いている


今日は原爆の日

ヒロシマ

閃光と 火球が包む その町を
 断末魔の念 今なお残る

シンプルに生きてみる

ケモノたちは森の中で
エサをとり ときにケンカし
棲みかへと帰っていく


肌で自然への帰属を知る彼らは
常に死と隣り合わせ


とてもシンプルで
神々しいほど潔い


衣食住足りてさ迷う現代人


過度な刺激と快適性を身につけ
五感を狂わせ 余計なストレス


シンプルに生きてみることを
彼らに学ぼう


喜びと悲哀

あまたある 生き物の中で この私

 人たる事の 喜びと悲哀

力の支配の行く末

驕りし者 力衰え老いる時

 力の支配は彼を葬る

ジェーン・グドールの憂い

アフリカの緑深い山奥で
猿の研究に勤しんだ彼女


ある会議に出席したとき
次々と各地で
生息地がなくなる現状に愕然とする


自然を守るための講演活動に
奔走する日々が始まる


彼らにも個性と感情がある


自然はとても尊いもの
私たち一人ひとりの生にも意味がある


子どもたちにこそ
メッセージを伝えたい


華奢な身体で強靭な精神


激務の合間に訪れたゴンベ


かつて隆盛を誇ったボスが
凋落して一人老いの生活を送る


力の支配が皮肉にも彼を追いやっている


あわれなるかな
人類だって同じではないのか

藍藻

緑なす藍藻 シアノバクテリア
 鉄産み 大気もたらした恩人 

シアノバクテリア

藍藻とよばれるシアノバクテリアは
とるに足りない微生物と思いきや


地球を覆った大気を
何億年もかけてつくりあげた恩人だ


オーストラリアのハメリンプールには
その痕跡が見られかつ今でも生息している


鉄鉱石が豊富なのは
海中の鉄イオンを酸化したため


その恩恵を受けている人類が
地球を住みにくくする一方じゃ


罰も当たろうというものだ