高校2年だ。

数学は、どんな模試でも全国TOPレベル。

英語もできた。偏差値75より下になることが殆ど無い。

当然英検2級にも余裕で合格した。

東大に入学した先輩と話すと、「俺もここまでは出来なかったなー」と褒めちぎった。

教師人は10年に1度の天才と持てはやした。

のぼせ上るには十分過ぎるほどのほめ言葉が与えられた。

もともと倒すべきだった、あの「クソ野郎」は完全に私に媚びへつらった。

結果、AYAはのぼせ上った。周りに敵もいなくなった。

すると、、、

授業、部活、勉強のいずれかしかやらなかったこの私の調子が狂い始めた。

「俺なら、京大に入れるさ、、、」

こんな安易な考えを持っていた。これは自信ではなく、完全な「うぬぼれ」である。

(ちなみになぜ東大でないかというと、東大には2次試験に国語があったから、さすがに無理と考えた。・・・国語は人並みだったため。)


家での勉強時間は、明らかに減っていった。毎日2時間程度しか勉強しなくなった。 というのも、現代国語の授業や、保健体育の授業などは、殆ど内職をしていたから、家で勉強をする必要はなかった。


そして、数学で全国TOPだったことも、必ずしもプラスには働かなかった。

一度TOPにたったということは、今度はそれを守る番である。

TOPを渡したくなかった。

前述で、「受験は、全科目のトータルで勝て!!」と書いたが、既に振り切れているレベルの数学能力を、私は更に高めた。 「赤チャート」、「大学への数学」、「東大の赤本」と数学ばかりをやってやってやりまくった。

高校2年後半になっても相変わらず、偏差値は、数学が80超、英語も80前後、国語は50くらいだった。


ただ、化学、物理は偏差値40くらい。

世界史も40くらい。

(上記科目は、成績に興味が無かったため、授業中には友達とぺらぺら話し、ろくに勉強しなかった。)
理科と社会の偏差値が低いにも関わらず、全く意に介さなかった。



高校2年の冬の終わり、、、

授業の進度だが、

化学、物理は全受験範囲の半分も終わっておらず、

世界史などは、教科書の3分の1しか進んでいない。

このAYAという生徒は(自分だが)、数学、英語の成績だけを見て完全に自惚れている。

化学、物理、世界史などの勉強などしちゃいない。

京都大学を目指す、他の人間のレベルをまるで分かっていない。

そう、

生まれしときより、英才教育を受け、

受験について熟知した講師陣たちの指導のもとTOPを狙う、超エリートの存在、


東大、京大を目指す人間たち、、、


そう、高校1年のとき目撃した中高一貫校の最強戦士たち、


彼らの存在を忘れ、AYAの中に目覚めた最強の獅子はまた眠りについた・・・