同一分野(*注1)において、

一つの参考書を極める前に次の参考書に移るな!!



このことがシッカリと理解できている人は、この下の文章を読む必要はない。(理解できている人には、まったく無縁な話です。)
[*注1:英単語で1分野、英作文で1分野、英文法で1分野というような区分。1科目のことを1分野と読んでいるのではない。]



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AYAも高校時代、先輩や先生方に何度も上記のように言われた。

だが実感が湧かなかった。

なぜ1冊の参考書を繰り返すべきなのか、分からなかったのだ。

では、十分すぎるほど大学受験指導経験をつんだ今、検証してみよう。



<繰り返すことの効用>

参考書を1周やりとげたとき、人の記憶はすごく薄い状態である。

この薄い記憶を、2周目で濃く、3周目で更に濃いものに仕上げていく。

これにより、はじめて戦力と言える確実な知識が脳に宿る。

極論すれば、1周目やるだけなら、全くやらないのとそれ程変わらない。1周もやらないのは論外である。

言うまでもないが、繰り返す回数が増すたびに、1周をこなす速さはUPしていく。



受験勉強とは、「記憶があいまいなところ」や、「まだ記憶していないところ」を塗りつぶす作業である。


同じ参考書なら、どこがまだ分かってないのかということが把握できるわけだ(自らつけた印が付いている)。そこを重点的に復習できる。


さらに、「分かりきっているところ」は飛ばしてやることにより、無意味な復習を避けることもできるわけだ。(This is a pen.を100億回音読したって、大学には受からない。)




< 他の参考書に移って何が悪いのか?>
1冊を極めたあとなら、他の参考書に移ってもよいが、そうでない場合の話ね(例えば参考書Aをさらっと1周したあとに参考書Bに移った場合)



まず、せっかく参考書Aでうっすら記憶されている項目が参考書Bでぶち壊される。

例をあげる。(1192年鎌倉幕府)

参考書A:
いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府、と覚えよう。


参考書B:
鎌倉にいるのはいいクニモト(1192)さん、と覚えよう。


※あまりにも例が悪いことは別として、


上記のように、同じことを覚えるにも参考書が違うと、説明が若干ちがうので、記憶に干渉が起こる。


人の脳は、論理的に結びついた記憶は忘れにくい。
同じ知識を、違う論理展開で覚えなおすことは、時間の無駄であると同時にせっかく覚えかけている記憶の妨げにもなる。


さらに!!


同じような難易度の参考書をやると、最初からやるわけだから、「もう分かりきっていること」も含めてもう一度やることとなる。


時間の無駄甚だしい。




では、なぜ人は新しい参考書に次々手を出すのか・・・。

それは、参考書を買うことで成績が上がるんではないか、という希望(妄想)が得られるから。また、今現在良くない成績の原因を参考書になすりつけているからである。




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以上、いい加減に気付いていただきたい。

何冊も中途半端にやるよりも、1冊を完璧に仕上げる方がはるかに効率がいいのだ。

成績は上がるのだ!

なぜ、信じない?

もし手元に英単語の本が3冊も4冊もあるなら、1冊だけ選んで、残りは燃やしてしまえ。
(どれを選べばいいか分からない?1分間だけ考えて、一番大切なものを選ぶんだ。)

二者択一だ。
参考書を取るか・・・
それとも、残り60年の人生を豊かにしてくれる、学歴をとるか・・・

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これだけ言っても、恐らく多くの受験生は参考書をバンバン買い換えるだろう・・・。

差をつけるチャンスだぜ。


難関大学合格者が、「大して勉強もしていないのに・・・」とか、「参考書をいっぱいやったわけでもないのに・・・」
とコメントする理由の一つは、同じ参考書を繰り返して完璧にしているからに他ならない。


いっぱいいっぱい参考書に手を出している人は、多く時間勉強していたとしても、実は多くの時間を無駄な作業に費やしていることになり、疲労感だけが残り、成果は得られない。



ならば・・・


今現在のあなたが、英語において英文法、単語集(システム英単語など)、英作文、長文読解の本を1冊ずつ持っているとしよう。(一分野一冊ずつ持っている状態。)
それぞれを超完璧にしてみて頂きたい。



どう考えても偏差値65は超えるから。