高校3年生の夏は天王山と言われる。(確かに現役生にとっては、これほど多くの時間を勉強に割り当てることのできる時期はないだろう)


昔、よく生徒に聞かれた。

「夏休みに何をやるべきか分かりません」、、、日々規則正しく、ご自分の年間計画通りに勉強すればそれでいいのだが、あえて掘り下げてみよう。


「夏休みに何をやるべきなのか」
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やるべきことを考えるために、まず、「やってはならないこと」を考えてみたい。

それは間違いなく
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「あわてること」
「背伸びすること」
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である。

我々は、今までそれなりに計画を立てて勉強を進めてきた。にもかかわらず、「天王山」という言葉に踊らされて、自分のレベルに合わない予備校の講座を取ったり、難しい参考書を沢山購入したりしてしまう。

8、9月あたりに大学別模試があるので、それを受ける方があせる気持ちはよく分かるが、、、実際のところ、全くあわてる必要もなければ、背伸びする必要もない。いや、「あわててはならない」「背伸びしてはならない」だ。


じゃあ、どうするか?

着実に、ご自分の計画に従って基礎から固めていけばいい。

まだ英単語集、英熟語集を1冊ずつ完璧に暗記してない人は、それをするもよし。

現代文を読解する力をじっくりと時間をかけてつけてもいい。

理科であれば、センター試験レベルの基礎的事項をきっちりと確認していってもいい。

基礎とはすなわち、「礎(いしずえ)」である。

何の?

そう、

これからの受験勉強終盤に追い込みをかけるための「礎(いしずえ)」である。

高校3年生の秋以降は、「得点力UPを図る時期」である。

つまり、問題を解く際の具体的テクニックや、テストの時間配分など色々考えながら実践力強化を図る時期である。

また、社会や古文に代表されるような暗記科目の知識を頭にぶち込む時期でもある。

そんな中、
「礎(いしずえ)」なくして、秋は成績UPできない。


■基礎の例1.英語の語彙力
英語の語彙力のある人間が長文問題を数多くこなすことは大変有益だが、語彙力すらない人間が長文読解の具体的演習をしても、一個一個の単語の意味が分からないのだから、戦えるはずもない。
「類推」すればいいかもしれないが、分からない単語が多すぎれば、もはや「類推」どころではなく、「論外」というものだ。


■基礎の例2.歴史科目では基本的な政治外交史の流れ把握
世界史や日本史で、私大に出題されるような細かい知識を直前でぶち込もうとしたとき、基礎的な政治外交史の流れが理解できていない人間は、新しい知識を覚えるときに既知の知識と関連付けることができず、断片的な知識となり、なかなか覚えられない。


■基礎の例3.理科:センター試験レベルの内容理解
理科は確かに短期間で成績が上がる科目であるが、もちろん、「センター試験レベルの問題に太刀打ちできない(得点率8割以下)」という状態はダメだ。
直前期は得点力UPのためにバンバン過去問を解いていくわけだが、「分からない」→「答え合わせする」、「分からない」→「答え合わせする」という”つぎはぎだらけの勉強方法”では知識が断片的なものとなり、ちっとも覚えられず、一向に成績は向上しない。
よって、「センター試験レベルの問題に太刀打ちできない」方は、この夏で基礎的な参考書を一つ決めて、教科書を片手に基礎の構築をすればいい。


■基礎の例4.現代文の読解能力
実はこれほど大事なものはない。現代文の読解力をつけていくことで、論理的思考能力が鍛えられ、英語の長文読解能力UPにもつながる。
文系の方は何があっても絶対鍛えなきゃダメだ。理系の方でも、2次試験に国語があるならMUSTといわざるを得ない。

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AYAは、今見てくださっている「あなた」にこの上なく感謝をしていると同時に、全員に合格していただかなくてはならない。

ならば、この真実をお伝えするべきだろう。



この夏休みが最後のチャンスである。


何の?


一見無謀ともいえるようなレベルアップを図ることができるのは、この夏休みが最後のチャンスである!!!


そう、
あわてて色々な教材や講座に手を出したり、目先の模試のことばかり考える。さらには過去問ばっかり演習してみたりと。。。
これらは決して賢明な選択ではない!!!



我々はこの夏できっちりと基礎を固め、秋以降の最後の戦いに備えるのである。(無論、願わくば英、数、現代文は最終合格レベルまで高めていいのだが、それは他の科目の基礎が構築されていればの話)


「基礎」について、皆さんに具体的にお伝えしたいが、このサイトを見ていただいている方も十人十色。全員に共通の「基礎」を提示することは事実上不可能である。よって、「自分に足りない基礎とは何なのか」、「受験最終局面に向かって、今おさえておくべきことは何か」については、あなたのことをよく知る学校の先生方や、塾、予備校の先生方と相談すると良い。

中には”相談する相手すらいない”方もいるだろう。そういう方は、自分で判断するしかない。センター試験の過去問を解いてみれば、すぐに弱点(基礎が欠けているところ)は分かるはずだ。(語彙力が足りない、現代文を読めない、化学の無機の分野が苦手、数学の平面図形が全くダメ、など)

そういう弱点をきっちりと自分なりの方法でつぶしていけばいい。



もう一度言う。


秋以降は「得点力UPを計る時期」である。


実は、そんな時期になってしまったとしても、基礎から頑張ればそれでいいのだが、残念ながら、人間ってやつは本当にあわてる生き物だ。

秋、冬といった直前期になれば、AYAやら教師の方々が何を言おうがもはや「大あわて状態」となる。

基礎をやれといっても、そんなものやる気になどならない。(実際は、どんな時期になったとしても「あわてること」にメリットはなく、じっくりどっぷり足元から固めていけばいいのだが、なかなかそうもいかない。)


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どこの大学を受験しようと、受験するという事実が変わらない以上、「勉強して損なこと」は何一つない。

日々、生活のリズムを崩すことなく(何時に起きる、x時からxx時ぐらいまでは英語、など、時間割を決め)、それをきっちり守り、「あわてず」「たんたんと」自分のノルマをこなしていけばいい。


当たり前のことを当たり前にやろうぜ。








合格できるから!!



AYAの講師時代の感覚でモノを言うが、およそ80%の生徒が「背伸びする」し「あわてる」し、「だらだらする」。


だったら、俺たち、チャンスじゃん。


俺たちは、毎日規則正しい生活を送り、自分のレベルで、きっちりとノルマを予定通りこなしていく。


こんな基本的な考え方一つをきっちりと守ることで、


ぶっちぎりの差をつけてやるのさ