私が予備校の数学講師をしていた頃で、かなり新人の時のことだ。
先輩の講師に、こう言われた。
「あのコースには、全国模試で7位(全科目総合)の生徒がいるぞ」
私は、内心ビビった。
その一方で、こうも思った。
そこまでの天才なら、授業をしてみた感じで、誰か当ててやる!!
授業が始まった。教室の真ん中あたりにメガネをして、生き生きした目をしている生徒がいる。
「こいつか?」
私の心は躍った。ちょっと問題を解かせてみよう。
「では、A君!これ分かる?」
「はい!」元気な声だ。そして彼は見事に正解を言い当てた。なんという潜在能力だ。
「こいつだ!!」 と私は思った。
全国でTOPクラスをとる生徒の潜在能力とは計り知れぬものだ・・・とも思った。
そんな中、教室の右端の一番前に、黒板をジーとただひたすら見ている生徒がいる。
これはB君だ。
「じゃー、B君!これ分かるか?」
「・・・・」黙りこくったままだ。しばらくの沈黙の後、彼は分からないと言った。
答えを教えたが、いまいち飲み込みが悪かった。
「同じ超優秀コースで、こうも違うのか?」
数日後だ、ミニテストを行なった。50点満点だ。
超優秀コースであるため、問題は難しい。平均点は7点だ。
A君は15点であった。「やはりこいつか!!」こう思った。
一方のB君だ。
・・・・・ 50点。
堂々全国第7位 B君。
私が何を言いたいか、分かっていただけただろうか。
よくいるだろ。
勉強しなくても出来るって奴が。
何度も言うようだが、信じる/信じないはあくまでも自分で判断するんだ。
だが、少なくとも私は皆さんの比でないほどの受験生と接している。
1日2時間程度の勉強で、東大レベル?
そんな奴見たことないよ。