お婆さんがくれたビスケット | 上木彩矢 オフィシャルブログ powered by Ameba

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冬のコートでは少し蒸し暑いバスの中。


後方ドア前の席の前で吊り革を握っている私。


いつもよりややブレーキが強いなと思いながらも車内はそこそこの満員。


窓から差し込む光が柔らかく春の訪れを感じさせてくれる。


前に座っていた人が次の駅で降りて行った。


こりゃラッキー。


少し広めの一人掛けの椅子、
差し込む日差しを感じながら私は携帯を開いた。


次の停留所に止まった。


目の前には杖をついたお婆さんが居心地悪そうに立っていた。


そのお婆さんはおそらく80代後半、でもお洒落さんなのか可愛らしい帽子をかぶり素敵な緑のコートを羽織っていた。


私は直ぐにハッとなり
【もしよかったら座って下さい】
と、声をかけた。
そのお婆さんは可愛らしく
【あらぁ、、ありがとう。助かります】
と、答えてくれた。

しかしブレーキの荒いバスは杖をついたお婆さんもお構いなく発車。
よろけたお婆さんの肩をギリギリ抱えることが出来たから本当に良かった。


その時ふと思った。


後部座席に来るまでにはもちろん優先席もある。そこには若い女性が座っていた。それにその付近には立っていた人達もいる。

何故誰も声を掛けなかったのだろう?



私は周りを見渡した。


携帯をいじる人
どこか宙を見上げた人
お喋りに没頭する人
眠って(フリ?)る人




とても悲しい気持ちになった。






席を譲ることが偉いとは言わない。
声をかける勇気のない人もいるだろうから。



でも、本当にその席が必要な人が乗ってきたらその人に譲るのは人として当たり前の事と私は思う。





とても悲しい気持ちになった。










しばらくして杖をついたお婆さんは鞄を何やらガサゴソとし始めた。






ずっとガサゴソしてる。






二駅分くらいガサゴソしてる。






(笑)







杖をついたお婆さんは少し恥ずかしそうに私に声をかけてきた。




シワシワの手には二つのビスケットが乗っていた。

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枯れた声で小さく



【ありがとう、食べて下さい】




さっきまでの悲しい気持ちが一気に吹き飛んだ!


【お気を使わずに!ありがとうございます】と答えた。




もらったビスケットをポッケに詰め込んだ。





杖をついたお婆さんは何やらまたガサゴソし始めた。



また二駅分くらいガサゴソしてる。





杖をついたお婆さんはまたもや恥ずかしそうに声をかけてきた。




シワシワの手には二つのビスケットが乗っていた。


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今度は違う種類のだ!

五穀のビスケットだ!

80Kcalだ!(笑)




お婆さんは【こんなものしか無くてごめんね】と言う。


私は当たり前の事をしただけなのに、初めて会ったお婆さんから四つものビスケットをもらった。


ダイエット中の私にはありがたいプレゼント。



何より。
お婆さんのあったかいその気持ちが私の心を幸せな気持ちでいっぱいにしてもらった。










春の訪れを感じる日差しと共に
私の心に春が咲いた。













日記風に書いてみました。



さて、来月の頭には情報解禁があります。
詳しくはまた!






皆さんも春の訪れを感じてみませんか?