衝撃!

ユミちゃんが盲腸で緊急入院!

実はユミちゃん、今までも盲腸になっていて何度かうまい具合にちらしていたのだけど、ついに盲腸が腫れ上がってしまい、これはさすがに切らなければいけないということで、今回手術のために入院する事になったらしい。

午前中診察に行って、緊急入院、午後手術。

命に別状はないみたいだけど盲腸がけっこう腫れ上がっているらしく、通常の盲腸よりも入院は長引くらしい。

お昼休みに食堂で、みんなで集まって
「いつお見舞いに行こっか」
「何を持って行ってあげよっか」
などと相談していると、突然柏原さんが割り込んできた。

何?

柏原さんは私たちに
「なんていう病院に入院してんの?」
「そこの何階の何号室?」
「その病院はどう行けば一番近い?」
と質問してきた。

それに対して、小峰様が優しく答えてあげていた。


一応、柏原さんにとって、ユミちゃんは部下だし、私たち同僚がユミちゃんを心配しているのと同じように、上司としてユミちゃんの事を心配しているのかもしれない。

ただ、なんかそれだけではない気がする。

なんか微妙にテンション高いし。

あ。

わかった。

この人、今、自分が一番早くお見舞いに行こうとしている。

この人、今、自分が一番早く病院に辿り着く事に重きを置いてる。

この人、【こういう時に誰よりも早くお見舞いに行く優しい上司】だとみんなに思われる事を目的としている。

絶対そうだ。

それだけではないかもしれないけど、それも絶対ある。

見え隠れしちゃってるもん。


うん。


でもね。

そうはいかないわ。

だって…

だって、今、あなたに小峰様が優しく教えてあげた病院への行き方は


恐ろしいほどに遠回りなんですもの。

ね?

小峰様♪

小峰様が優しくウィンクした。