" その時の出逢いが
その人の人生を
根底から変えることがある
良き出逢いを"
相田みつを
この言葉を、たまに思い返しながら生きてきた。
根底から変えるなんて大した出逢いだけど、小学6年生の時の担任だった山本先生。
私の人生を、根底から変えた最初の"良き出逢い"だったと、そうずっと思っている。
とても熱い先生だった。
お山の上の田舎の小学校で全校生徒約90人、私たちのクラスは男子5人女子12人の17人。
先生は私たち17人全員に、
"何事も一所懸命に取り組むこと"
"友だちを大切にすること"
この2つを徹底的に諭してくださった。
この2つが、私たちに足りないと感じたそうだ。
今まで普通に呼び合っていたあだ名を禁止し、友だちのことは「さん」「くん」「ちゃん」付で呼ぶこと。
授業も体育祭も学芸会も、宿題も、歌も、
全て、目の前のことを一所懸命に取り組む。
今思い返しても、この2つは、私の人生を根底から変えた教えだったと思う。先生が私たちの何倍もの熱量でぶつかってきて、最初戸惑いながらも目が覚めたようにそれに応えようと毎日が必死だった。
そんな日常で先生はよく、私の日記や作文を褒めてくれた。あと、ウチのお母さんのことも褒めてくれた。
"あなたのお母さんは本当偉いで!子ども4人も育てて!肝っ玉母ちゃんや"と。(私もそう思う)
当時私はそれがたまらなく、嬉しかった。
卒業する頃には、
先生は本当に仏様の様な顔をしていて
"20歳になったらみんなでまた集まって
スピッツのチェリーと、ロビンソンを歌おう"
と言っていた。
そして先生は、60歳になったら小説家になるという夢を語ってくれた。
でもそんな先生は、60歳になる前にご病気で亡くなってしまった。
生前病気で入院していると聞き、当時の同級生と病院を調べて押しかけたけど、
面会謝絶で会うことが出来なかった。
私たち17人と先生は、20歳の時に集まってチェリーもロビンソンも歌ってないし、
気がつけばもう40歳も近い。
"先生はねぇ、60歳になったら小説家になる"
先生、
その"ことば"が今も
私の心の何処かで
優しく響いています。
40歳の同窓会は、出来るといいな。