生家にあるBEAMS Fアーカイブ | ELEMENTS OF STYLE

生家にあるBEAMS Fアーカイブ

 

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。



年末年始はいつものとおり新潟の生家で一人暮らしの父親と過ごしていました。

 

夏とは真逆で、寒すぎて食料品の買い出し以外はほとんど外出しないような有様。



時間を持て余すので、家にあるBEAMS Fのアーカイブのアイテムを集めて画像に収めてきました。

 

今回は私の生家にある80年代や90年代のBEAMS Fのアーカイブをお見せしようと思います。

 

 

 

 

 

 

MICHELSONSのレジメンタルタイ

 

 

 

 

 

 
MICHELSONSというブランドを聞いたことがないという方がほとんどだと思いますが、80年代後半から90年代中くらいまでBEAMS Fで展開していた英国のネクタイブランドです。


このネクタイはおそらく80年代後半のものです。
 
 
正統派クラブタイの配色が今見ても新鮮です。
 
 
ステッチがほつれていてこのまま使うことはできないですが、柄が気に入っているので縫い直しをしてまた使いたいと思い、東京に持ち帰ってきました。
 
 
イタリアンクラシックの流れが来た90年代後半以降は、こんなクラシックな英国のネクタイブランドは逆風でしたが、今また正統派なトラディショナルの雰囲気がとても新鮮に感じます。
 
 
 
 
 
 
DRAKE'Sのプリントタイ

 

 

 

 

 

 
色柄の雰囲気から見ると90年代前半頃のものです。
 
 
小柄の小紋とベースのゴールドの色目が当時のネクタイのトレンドを物語っています。
 
 
この当時のDRAKE'Sのプリントは全てマダーのハンドプリントなので、色の深みと滑かな表面のタッチが素晴らしいです。
 
 
自分も当時はネイビーやグレーのスーツにこんなネクタイを合わせていました。
 
 
クラシックな柄ですが、最近はこんな小柄でスペースが狭い小紋プリントは、ネクタイブランドのコレクションでもあまり見なくなりました。
 
 
前回のブログでもお話ししましたが、クラシックなものでも時代性はあるので、その時代性に合わないものは当時と同じ気分でするのは難しいということなんです。
 
 
 

 

 

 

JHON COMFORTのレジメンタルタイ

 

 

 

 

 

 
おそらく80年代後半くらいのものです。


ベースのグリーンの色目もさることながら、ストライプのイエローとピンクの色目が抜群にカッコいいです。
 
 
これは復刻させたいストライプです。
 
 
当時はこんな色目のネクタイがたくさんありましたが、今はほとんど見かけなくなりました。
 
 
このネクタイ、画像を見てもわかりますが、かなりヨレヨレです。
 
 
何を血迷ったのか、父親が洗濯機で洗ってしまいました・・・(苦笑)
 
 
なので、これも東京に持ち帰ってきました。
 
 
代理店さんにお願いして芯地の入れ替えと縫い直しができないか聞いてみようと思います。
 
 
それにしてもこのネクタイカッコいい・・・
 
 
 
 
 
 
JHON COMFORTのレジメンタルタイ
 
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これもおそらく80年代後半のモノです。
 
 
2023年春夏のJOHN COMFORTのオーダーに行った時、80年代のアーカイブのスワッチを見せてもらいましたが、まさにこんなストライプがたくさんありました。
 
 
当時はこんな感じの淡いトーンの色をストライプに使うのが流行っていました。
 
 
今のレジメンタルタイに比べると柔らかい雰囲気のストライプが多かった印象です。
 
 
 
 

 

 

ERMENEGILDO ZEGNAのストライプタイ

 

 

 

 

 

 
ゼニアのネクタイをBEAMS Fでやってたの?
 
 
という方がほとんどだと思いますが、ネクタイだけでなく、ジャケットやスーツ、水着も展開していました。
 
 
私がBEAMSに入社した80年代中頃は、イタリアのクラシックなブランドは日本ではほとんど認知度がなかったので、BEAMS Fでも日本で知名度があるイタリアブランドで最もクラシックな雰囲気を持っていたゼニアをバイイングしていました。
 
 
このネクタイはおそらく90年代前半頃のものだと思います。
 
 
色目が英国のものとは全く違うのが分かります。
 
 
英国やアメリカやフランスのネクタイがバイイングの中心だった時代に、イタリア的な色目が新鮮に感じたということでもありました。
 
 

 

 

 
 
JOHN COMFORTのアスコットタイ
 
 
 
 
 
 
色柄の雰囲気から見ると80年代後半か90年代前半頃のものだと思います。
 
 
上のDRAKE’Sと同様にかなり小さな小紋柄が当時のトレンドでした。
 
 
イエローも流行っていました。
 
 
特にイエローベースのネクタイは女性ウケも良いと言われていました(笑)。
 
 
今は巻物と言えばネッカチーフですが、当時はアスコットタイが一般的で、スカーフをアスコットタイのように巻くというのも流行っていました。
 
 
エルメスやエトロのプリントのスカーフを細長く畳んでアスコットタイのように巻くというのが、フレンチアイビーの流れもあってBEAMSのスタッフや顧客様の間で流行っていました。

 
 
 
 
 
BEAMS F オリジナルのアスコットタイ
 
 
 
 
 
 
タグのデザインから見ると90年代中頃のものと思われます。
 
 
このくらいの年代になるとプリントの色柄がイタリアっぽい雰囲気になります。
 
 
今これと全く同じ色柄のネクタイがあっても違和感はない感じです。
 
 
80年代から90年代中くらいまでは、アスコットタイは定番でBEAMS Fでも毎シーズン必ず展開していました。
 
 
イタリアンクラシックが流行ってからは流れからハズレ、かなり少なくなってしまいましたが、昨今はヴィンテージブームでもあるので、若い人にはネッカチーフではなくアスコットタイをしてほしいなと思うのは私だけでしょうか・・・
 
 
 
 
 
 
 
BEAMS F オリジナル スコットランド製 ラムズウールニット
 
 
 
 
90年代前半くらいのものです。
 
スコットランドのWILLIAM LOCKIE製のオリジナルです。
 
ジーロンラムズウールの2PLYで編まれたニットは、編地がしっかりしていてクオリティーの高さがうかがえます。
 
80年代中頃から90年代前半くらいまではこのWILLIAM LOCKIE製のオリジナルを展開していましたが、その後同じくスコットランドのN PEALのものを展開して、90年代後半になるとあまく編まれた柔らかいイタリア製のニットが人気となり、BEAMS Fの定番のニットもイタリア製になりました。
 
 
サイジングは画像を見ると袖がかなり太いのが分かります。
 
 
当時はこのくらいのサイズ感がベーシックでしたが、をさすがに今着ると昔っぽく野暮ったさがあります。

 
定番にも時代性があるということですね。
 
 
 
 
 
 
 
SALFORDのBDシャツ
 
 
 
 
 
 
SALFORDを知る人は相当BEAMS F通です。
 
 
BEAMS Fをスタートしたした時は色々なオリジナルのブランドネームがあり、SALFORDはオリジナルシャツ用のブランドでした。
 
 
私がBEAMSに入社した80年代中頃は、まだBEAMS FのオリジナルシャツはSALFORDネームでした。


このシャツはおそらく85年か86年のもの。
 
 
当時はこんなマルチストライプやオルターネートストライプのシャツが流行っていました。
 
 
作りやディティールはオーソドックスなアメリカっぽい雰囲気です。
 
 
おそらく今やSALFORDネームのシャツを持っているスタッフはほとんどいないと思うので、貴重なアーカイブかもしれません。
 
 
 
 
 
 
STEPHENS BROTHERSのタブカラー
 
 
 
 
 
 
80年代後半くらいのものです。
 
 
STEPHENS BROTHERSは、80年代から90年代後半まで長く展開していたBEAMS Fを代表するシャツブランドです。
 
 
エジンバラ公御用達のロイヤルワラントを持ち、その後90年代中頃にプリンス オブ ウェールズ(現チャールズ国王)の御用達となり二つのロイヤルワラントを持つブランドでした。
 
 
諸事情があり2000年代に入りブランドは無くなってしまいましたが、BEAMS F史上もっとの長く多く販売したシャツブランドです。
 
 
特にこのスナップ付きのタブカラーは大人気で、80年代中頃から90年代中頃までBEAMS Fの主力商品とも言える存在でした。


今やタブカラーはビジネスでは着られないという声も多く聞きますが、当時はビジネスマンにも大人気でした。
 
 
30年以上経ちクラシックも当時よりは成熟しているはずなのに、何故タブカラーが難しいと思われるのかは、自分自身少し不思議に思うところではあります。

 
 
 
 
 
 
TROY SHIRTS MAKER GUILDのタブカラー
 
 
 
 
 
 
 
 
ネームは外れてしまっていますが、アメリカのTROY SHIRTS MAKER GUILDのタブカラーです。
 
 
80年代後半から90年代前半頃のものです。
 
 
TROYは当時ブルックスブラザースのシャツを生産するファクトリーでした。


ボタンダウンを展開していましたが、ワイドとこのタブカラーも展開していました。
 
 
STEPHENS BROTHERSが主力でしたが、このシャツのように英国のブランドに無いような生地をTROYでピックアップして展開していました。
 
 
このシャツの柄を見て気付くことはありませんか?
 
 
今もBEAMS Fで展開しているシャツでこんなストライプを見ることが多いと思います。
 
 
実は、私的にはこの当時のアメリカのシャツのイメージなんです。
 
 
正直毎回それほど人気はありませんが(苦笑)。
 
 
私的にはBEAMS Fにはなくてはならないシャツなんです。


このストライプ、今見てもかなりカッコいいですが、父親はどうやって合わせていたのだろう・・・

 
今度聞いてみます。
 
 
多分忘れていると思いますが・・・(苦笑)
 
 
 
 
 
 
 
これ以外にもまだまだ色々ありましたが、保存状態が悪いものもあり、比較的綺麗なものをお見せしました。
 
 
今回お見せしたアイテムは私が着ていたものを父親に譲ったものと、セールの時に父親に見繕ってくれと言われ送ったものもあります。
 
 
年金暮らしになった今はジャケットやスーツを着る機会も殆どなくなりましたが、大好きなカラオケの発表会がある時はネクタイやアスコットタイをして出かけることもあるようです(笑)。
 
 
こうやって見ると、生家にはBEAMS Fのアーカイブが結構あるなと改めて思いました。
 
 
父親が洋服が好きだということもありますね。


今はすっかり安物買いになりましたが、選んでいるカジュアルものを見るとなかなかいい色柄のものを選んでいます。
 
 
今回もネルシャツの柄選びとタータンチェックの手袋がとても87歳の老人とは思えませんでした(笑)。
 
 
父親も今年88歳 米寿を迎えます。
 
 
着ていない洋服もたくさんあり、BEAMS Fのアーカイブも着ないなら資料として自分が持っていくからと言っても、まだ着るかもしれないと言います。
 
 
どこに着ていくの?と突っ込みたくなりますが、それも元気である証として良しとします(笑)。
 
 
 
 
 
 
こうやって80年代から90年代のアーカイブを見ると本当に懐かしい気分になります。
 
 
バイヤーとしては駆け出しで、ネットもなく情報が少ない中、洋書を見たり、図書館へ行って服飾の本を読んだり、先輩の話やお取引先様の話をよく聞いて、一生懸命勉強しながら日々バイイングや企画をしていたことが思い出されます。
 
 
今となっては勘違いや思い込みもあったと思いますが、それも含めて今につながる良い経験だったと思います。
 
 
やっぱり基本は大事だなと、アーカイブとそれにまつわるストーリーを思い起こすと改めてそう思います。
 
 
 
 
 
さあ、来週からは3年振りにイタリア出張に行きます。
 
 
戦争のお陰でパリまで15時間・・・


トランジットが4時間半でフィレンツェに着くまで21時間・・・


コロナの感染者も増えているので、ちょっと怖いなと思いつつ・・・


PITTI UOMOがどんな感じになっているのか楽しみです。
 
 
次回の更新はフィレンツェからになります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

MR_BEAMS CHANNEL 2023SS NAKAMURA NOTE 第二弾アップしました。

 

 

今回はキーワード&カラー編です。

是非ご視聴ください。