フレンチアイビーなコート | ELEMENTS OF STYLE

フレンチアイビーなコート

 

先日入荷した、BEAMS Fのオリジナルのナイロンバルカラーコート。

 

 
イタリアのリモンタ社の生地を使い、袖は一枚袖でアンブレラヨークも付けました。


カジュアルなナイロンのバルカラーでも、いっさい手を抜かないのがBEAMSのモノづくりです。
 
 
スプリングコートと考えると薄手のコットン素材もたくさんあるのに、なんでナイロンなの? と思われる方も多いと思います。


実はこのコート、今は無きパリのセレクトショップ MARCEL LASSANCE で90年代に定番として展開されていた英国製のナイロンのバルカラーコートをオマージュして作りました。
 
 
この画像は私が1993年にパリに出張に行った時に撮った、マルセル ラサンスのディスプレイです。
 
 
これがそのコートです。
 
 
聞くところによるとこのコート、当時英国の警察官が着ていたポリスマンコート(雨天用の雨合羽?)にマルセルラサンスのネームを付けてオリジナルとして販売していたそうです。
 
 
なので、素材の良いナイロンを使っていたわけでもなく、ただのナイロンのバルカラーでした。
 
 
当時マルセル ラサンス本人が少し大きめのこのコートをジャケットやスーツの上に羽織って、颯爽とパリの街を歩いているのを見て、洒落ているなといつも思っていました。


実は、このコートをオマージュして作ったのは2度目なんです。
 
 
最初は以前 MEN'S EX Online でも紹介した英国製のBEAMS F オリジナルのバルカラーでした。
 
 
このコートの詳細は長くなるので、以前の記事をご覧ください。
 
 
マルセル ラサンス本人が着ていた、ゆったりとして着丈が長いバルカラーがイメージだったので、MとLの2サイズ展開で自分もMサイズを着ていました。
 
 
店舗からはビジネスで着る人が多く、MとLだとサイズが大きいのでSサイズが必要という声があがりましたが、「もともとの意図がそういうじゃないんだよな・・・」という思いが強かったので、店舗の意見をよく聞く自分が珍しく「意図が違うのでSサイズはやりません」ときっぱり言ったのを今でも覚えています。
 
 
今となっては若気の至りでしょうか・・・(苦笑)
 
 
そんな苦い経験もありながらも、当時はよく売れたので数年定番として展開していました。
 
 
その後、英国調の流れやイタリアのクラシックの流れが強くなると、このようなフレンチテイストのアイテムは逆風となり、しばらく忘れられた存在になっていきました。
 
 
それから25年くらいの年月が経ち、昨今のちょっとしたフレンチ アイビーのリバイバルブームを見れば、当時をリアルに知る自分としてはこのコートを復活させるタイミングだと思ったのです。
 
 
当初英国製で作れないかと思いましたが、今や英国にこのようなコートを作るファクトリーもなく、グレンフェルのような本格的なコート工場で作れば、ナイロンであっても10万円くらいにはなってしまいます。
 
 
イタリアで作ると雰囲気が艶っぽくなってしまうので、それもイメージが違い・・・
 
 
そのような経緯もあり、色々考えて末に日本の工場で作った方が雰囲気が良いものが作れるという判断にいたり、このコートが完成しました。
 
 
ゆったりとしたシルエットも長めの着丈もイメージ通り。
 
 
こういうストーリーをお知らせしなければ、ただのナイロンのコートと見過ごされてしまうのかも・・・
 
 
自分にとっては思い入れを持って作ったフレンチアイビーなバルカラーコートなんです。
 
 
今回はサイズも4サイズ、少しゆったり目に着るのがおススメですが、ジャストに着るのは意図と違うなんて言いません(笑)。
 
 
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
MARCEL LASSANCEと言えば、パリのショップは無くなりましたが、日本で購入することが出来ます。
 
 
特にこのナイロンのモッズパーカは、マルセル ラサンスの代表的なアイテムです。
 
 
今世界中でマルセル ラサンスのアイテムが買えるのはおそらくSHIPSさんだけ。
 
 
色々な経緯があると思いますが、詳しくはSHIPSさんのスタッフにお問い合わせください。