スーツの可能性 | ELEMENTS OF STYLE

スーツの可能性

 

最近お客様とお話しすると「スーツは仕事で着なくなったので必要ないんだよね」という声をよく聞きます。

 

 

確かにコロナ前から春夏はクールビズもあって、ゴールデンウイーク以降はスーツを着なくていいという会社がとても多くなっていました。

 

 

コロナ禍以降はリモートが普通になって、更にスーツは必要ないという人が増えました。



確かに、いわゆるビジネススーツは会社に着ていく必要がないというのが世間一般の流れではあるようですが、スーツと言ってもビジネススーツだけでなく色々なテイストのスーツがあるので、着方によって色々な可能性があると思っています。



今日はそんなスーツの着こなしの可能性についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

昨年オーダーしたコットンスーツ。

 

 
5年くらい前にBRILLAで展開していた襟の傾斜が強いナポリタイプのモデルでオーダーしました。
 
 
生地は英国のBRISBANE MOSSの少しオリーブがかったベージュのコットンツイル。
 
 
ダブルステッチのきいたゴリゴリのナポリテイストです(笑)。
 
 
合わせたシャツは昨年BEAMSのFENICAで展開していたGITMAN VINTAGEのマドラスチェックのBD。

 

 
普通に考えればナポリテイストのスーツにアメリカ製のマドラスBDは合わないと思われる方も多いと思いますが、色柄のテイストだけ注意すれば意外と違和感なくまとまります。
 
 
足元はブラウンスエードのビットローファーです。
 
 
ちなみに、別の日は20年くらい前に購入したBEAMS FのマルチストライプのBDシャツを合わせていました。

 

 
こんな感じで無地のカットソーやシャツではなく、柄のシャツをシンプルに合わせるだけで手持ちのスーツの印象が随分変わり、コーディネートのバリエーションが増えます。
 

 

 
 

 

 

7年前に購入したDE PETRILLOのオリーブグリーンのコットンスーツ。

 

 
BRILLAのオリジナルのリネンのプルオーバーシャツと合わせています。
 
 
抹茶っぽいグリーンのリネンシャツを合わせてグラデーションでコーディネートしました。
 
 
足元はオリーブグリーンのキャンバスとブラウンカーフのコンビのタッセル。
 
 
ちなみに、シャツは一昨年購入したもの。
 
 
今シーズンも同じモデルを展開していますが、残念ながらこの色は展開していません。
 
 
カジュアルなコーディネートの時はタックアウトして着ますが、こんな感じでジャケットやスーツに合わせてインして着ることもあります。
 
 

 

 

 

 

5年前にナポリのDALCUOREでスミズーラしたストライプスーツ。

 

 
生地は英国のFOX BROTHERSのAIRというフレスコの生地です。
 
 
普通に考えればタイドアップする雰囲気のスーツですが、シャンブレーのウェスタンシャツでドレスダウンしました。

 

 
ウェスタンシャツのドットボタンが良いアクセントになっています。
 
 
生地がフレスコというザックリとしたメッシュ状の生地というのもドレスダウンしやすいポイントです。
 
 
ナポリのサルトリアのスーツであってもドレスダウンして着ることができるという一例です。
 
 
足元はブラックカーフのタッセルです。
 
 
 
 
 
 
5年前にオーダーしたシングルピークドラペルのスーツ。

 

 
当時BRILLAで展開していたモデルです。
 
 
生地はBARBERIS CANONICOのウールのシャンブレーの生地です。
 
 
ソラーロのような光沢のある生地です。
 
 
ピークドラペルなので当時は必ずタイドアップして着ていました。

 

 
ここ数年着ていなかったのですが、先日ちょっとひらめいて、数年前にスミズーラでオーダーしたMARIA SANTANGELOのワインレッドのストライプシャツと合わせてみました。
 
 
意外といい雰囲気にまとまりました。

 

 

ちなみに、同じシャツを違うスーツで合わせたコーディネートがこちら。

 

 

3年前にスミズーラしたSTILE LATINOのソラーロのスーツ。

 

 

 
これも3年前にオーダーしたTITO ALLEGRETTOのダブルのコットンスーツ。
 
 
ドレスシャツとしてオーダーしたものですが、ストライプが太くて存在感があるので、ノータイで着ても良い雰囲気になります。
 
 
このようなドレスっぽいシャツを合わせる場合は、”昔のセンツァ クラバッタのように、ただネクタイを外しましたというような見え方にならないことが大事” です。
 
 
ちなみに、今シーズン同じMARIA SANTANGEROで似たシャツを展開しています。
 
ベージュやブラウン系のスーツにはタイドアップしてもノータイで合わせてもよく合います。
 
 
個人的にもおススメのシャツです。
 
 
 
 

 

 

 

4年前にオーダーしたDE PETRILOのダブルのストライプスーツ。

 


生地はBARBERIS CANONICOの4プライです。


ウェイトが400gあるゴリゴリの生地ですが、ドライタッチでメッシュ状になっていて風通しがいいのでこの時期でもよく着ています。
 
 
 
 
かなりクラシックな雰囲気のスーツなので、普通に考えればタイドアップしかないと思う人がほとんどだと思います。
 
 
ですが、4プライでざっくりとした生地感なので、ニットポロを合わせても自分的には全く違和感がありせん。
 
 
足元はブラックスエードのベルジャンシューズです。
 
 
 
 

 

 

5年前にDALCUOREでスミズーラしたコットン/リネンのスーツ。

 

 
生地はHOLLAND& SHERRYのバンチから選びました。
 
 
仕上がって来たら思ったよりかなり鮮やかで派手なブルーでした(笑)。
 
 
合わせているのは10年以上前に購入したDRUMOHRの長袖のカノコのプルオーバーBD。
 
 
今は展開していないのですが、このカノコのプルオーバーBDが大好きで、色が褪せると染め直しをしてずっと着ています。
 
 
コットンスーツにプルオーバーのBDというコーディネートは、ポロシャツを合わせるのとはちょっと違うニュアンスになるので個人的には好きなコーディネートです。
 
 
 
 
 
ここ数年の自分のインスタグラムの画像から春夏のスーツのノータイコーディネートをピックアップしてお見せしました。
 
 
私のインスタのフォロワーの方はお分かりだと思いますが、どのスーツもタイドアップした画像があるので、同じスーツでドレスアップもドレスダウンもしています。
 
 
コットンやリネンのようなスポーティーなスーツはノータイのドレスダウンは難しくないですが、ウールのスーツはなかなか難易度が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
 
 
ウールのスーツをドレスダウンするポイントは生地の素材感です。
 
 
上のコーディネートでもザックリと織られたフレスコ綾織のソラーロ表面のタッチがしっかりとしたシャンブレーなど、素材感がしっかり感じられる生地です。
 
 
一方、表面が滑らかでタッチも柔らかく、光沢があるような生地のスーツはドレスダウンには向かないので、きちっとタイドアップして着た方が良いと思います。
 
 
 
 
上のコーディネートで合わせているアイテムも、スーツをドレスダウンする用に揃えたものではなく、何年も前から着ているモノを色々組み合わせてコーディネートしているだけです。
 
 
なので、スーツの着こなしのバリエーションの幅を広げるという意味においては、とても費用対効果が高いコーディネートだと思います。
 
 
 
 
クラシックなスーツが好きな方でタイドアップしかしたことがないという方や、スーツはタイドアップするものと思われている方も、こんなコーディネートもあるので是非トライして頂ければと思います。
 
 
洋服屋だとスカーフ巻いたりシャツの下にTシャツ着たり、どうしてもやりすぎな感じになってしまいますが、自分のようにシンプルにコーディネートしていただければ、それほど難しいことはないと思います。
 
 
ファッション業界でも意外とこういうスタイルの人少ないんです。
 
 
 
 
あっ、一人いました。
 

GQ

 

 

THE RAKE JAPAN

 

大先輩の鴨志田さん。
 
 
鴨志田さんのこういうさりげないシンプルなドレスダウンは好きですね。
 
 
 
でも、こういうのはあんまり好きじゃないな・・・
 
 
ファッショニスタは人と違う格好をしなければならないのが宿命かな・・・
 
 
先輩、生意気言ってすみません。


怒らないでくださいね(笑)。