「僕の命は言葉とともにある」 | 茗荷谷美容室、オーナーのブログ

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書評、備忘録です。
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僕の命は言葉とともにある


まず感想や、内容の前に、、、

久しぶりに一冊の本を、
2日かけて10回以上読み返しました。

それくらいの価値が
間違いなくありました。


視力を失い、
聴力を失い、

徐々に世界を奪われていく。

それはまるで
誰もいない宇宙空間へ
放り出される感覚。

しかし、指点字という手法により、
会話ができるようになった。

そしてその会話こそ、光であり、
命であった。
世界がまた、現れた。




一度、二度読むと、
もう一度読みたくなる。

3度4度読んでもまた、
もう何度でも読みたくなる。

著者の言葉が、あまりにも美しく、
あまりにも切なく、
そしてどこまでも優しいから。

様々本を読んできた中で、
ここまで言葉や文字の並びから

優しさ

を感じたのは初めてかもしれません。

話は非常に抽象的かつ
哲学的な内容ですが、

具体的に、とてもわかりやすく
いつまでも読んでいたくなる、
不思議な魅力のある本です。


「思索は君のためにある」


著者をひとりぼっちの
宇宙空間から、世界へと引き戻した、
非常に印象的なフレーズです。

著者がこの言葉から命を取り戻した
という感覚が、

言葉は神であった
という聖書の一節を
思わせるようで、

感銘を受けました。


そしてタイトルである、

僕の命は言葉とともにある

繰り返し繰り返しこの本を読み、
福島先生と私淑した時、
不思議な暖かさを感じました。


それは、思索を重ねれば重ねるほどに、
ご自身が知識を得ているのではなく、

思索を重ねれば重ねるほど、
自分は無知であることを知る。

そんな思いを大切にされており、
奢ることもなく、卑屈になることもなく、

そして何よりも言葉を大切に
されていること、

そして言葉の持つ力を
誰よりも感じていらっしゃるように
思えました。


また、

創造することも奪われ、
素晴らしい体験も制約され、
大きな苦悩に直面した時に、

自分の生に対してどのような態度をとるか
ということの中で実現される、
態度価値こそが最も崇高である。


そんなフレーズに胸を打たれました。

様々恵まれた環境で
生きてきた自分では、

福島先生の環境、思索を理解するのは
非常に難しいはずですが、

まるで目の前で優しく
語ってくださっているかのようで、

ストンと理解することが
できたように思います。

この本は僕にとって
とても暖かい一冊に思えました。


具体的に明日からこうしよう、
そういった書籍ではありません。

強いて言うなら、
また明日も、明後日も、
そして1年後にも、

この本を読もう。

そんなところでしょうか。

少し内容的に難しくはあるので、
一度二度パラパラと
読む本ではないのですが、

著者が目の前にいるかのような
対話を楽しむかのような本です。
非常にオススメかと思いました。


印象的なフレーズを少しだけ抜粋。


生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分
他者の総和

しかし

互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず

、、、

私も あるとき
誰かのための虹だったろう

あなたも あるとき
私のための虹だったかもしれない