朝のバイバイ | 美塾塾長 内田裕士オフィシャルブログ「人のために美しく生きる」Powered by Ameba

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自分の素顔が好きになりたい メイクレッスン メイク教室
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新大阪から東京行きの
新幹線に乗り込もうと、ホームを歩いていると、

朝のホームではあまり見かけないカップルに目が止まった。

刈り上げた金髪に赤いカーディガン。クローズに出てきそうな
いかついイケメンと、

アッシュヘアーに、ラベンダー色の小さな花柄が散りばめられた白いワンピースを着た、
華奢で妖精みたいな女の子。

気になりながら
その2人の前を通り過ぎ、

4号車の一番後ろの3列通路側に座り、
キャリーバックを席の後ろに置いて出発を待った。


すると、
先ほどの金髪彼氏が1人で4号車に現れた。

?あれ?妖精彼女は??

と思い、見渡すと、

妖精彼女はホームに残っている。

ぐしゃぐしゃに泣きながら…

そして、
窓際に近寄った金髪彼氏と見つめ合いながら、

手に持っていた
ネルシャツで涙を拭きながら、

妖精彼女は、
一度も目をそらすこと無く、
金髪彼氏を見ていた。

出発直前。

溢れた涙で目をそらさない
妖精彼女は最後に、

華奢な体からは想像もつかない、車内に聞こえるほどの声ではっきりと

「ガンバって!!」

と叫んだ。

その一言を待っていたかのように、新幹線のドアの閉まる音がして、
そしてゆっくりと進み出した。


金髪彼氏の顔は、
僕の席からは見えない。


だんだんと
窓から見える
景色の流れは速まっていく。



金髪彼氏は
今もその景色が広がる窓に体を向けている。

日経ニュースはそんなことはお構いなしに、
マイペースに今日のニュースをいつもと変わらずスクロールしている。


ずっと寝ていたナナメ前のOLが
むくりと起き上がり、おもむろにメイクをし始めた。



二度と来ない今日が、
もう始まっている。



今日も頑張るぞ。



……僕も!