母は同じ事を何度も繰り返し言う癖があって
はじめに聴いた時はそうか!と思えないこともないが
何度も何度も何度も同じ事を言われるとさすがに
あーそうですか。。から、もういいよ。。。へと
こちらも段々反応が変わっていく。
そんな事がいくつもあった。



「冬の(ハウス)イチゴは美味しくない。」

これもその一つ。


子供の頃、イチゴは春の果物だった。
今ではほぼ一年中見るし
特にクリスマス前なんかお店にズラリと並ぶ立派なイチゴをみてると
イチゴの旬は今では冬なんじゃないかなとまで思わないこともないが。


昔も、冬でもあることはあった。
家近くのおばあちゃん経営のお店じゃまずナイけど、もうちょっとオシャレな、例えばデパートとか。
普段見慣れないトロピカルな果物の横隣くらいにそれはあったけれど、いつものイチゴとはどこか違っていて、数も種類もそれほどはないし、装いも雰囲気も(?)私が知るイチゴとは大違い。あと、お値段も。



それでもそれがイチゴというのは子供の私でもすぐ分かる。
だって、真っ赤に輝いていて綺麗なんだもの。気に入ったものがあればその前から動かない。これ、私も例外ではありませんでした。
そうして綺麗なイチゴに目を光らせているとすかさず母が言うんですよ。冬のイチゴは美味しくない、とね。



買ってもらった記憶はちょっとないな。
でも、美味しくないと言いながら何度もその箱を手に取って、見て、棚に戻す。これを繰り返していた母の姿は覚えている。
そして最後にもう一度冬のイチゴは美味しくないからと言ってお帰り。やっぱり買ってはもらえなかった。1、2週間前からかな、また100円くらい安くなったイチゴの値札で思い出しました。



娘もまたイチゴが大好き。
お口いっぱいに頬張って
嬉しいあまり口が閉まらず
毎回イチゴ汁を垂らしてしまう。
この姿が私もまた大好き。
これこそ旬。
逃すわけにはちょっといかない。


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