遺伝子組み換えの鮭

 

「絶滅へのシナリオ」

遺伝子組み換え鮭が、何故環境に対して高いリスクがあるのか…。

遺伝子組み換え鮭は、
アクア・バウンティ・テクノロジー社で開発されたスーパー・フィッシュで、
成長遺伝子を組み込むことにより、
通常の7倍のスピードで成長するように改悪されています。...

この鮭は、養殖場用であり、かつ不妊であるという事で、
FDAによって安全評価書が発表されています。
つまり養殖場でしか育てないし、不妊なので遺伝子が拡散しないということでの、
安全宣言です。

しかしながら、現実には不慮の事故というものは起きるものです。
この鮭が養殖場から自然界に逃げ出す危険性は必ずあります。

しかも不妊は回復する可能性があります。
自然界は生命を残そうと、思わぬ変化が突然変異的に起こるもので、
いつかは不妊ではない遺伝子組み換え鮭が生まれる可能性もあるのです。

その二つの想定外のことが起きたときに何が起こるのか。

恐らく、近い将来か遠い将来かは分かりませんが、
私たちの食卓から鮭が消えてしまうことになるでしょう。
しかも生態系に異常が起き、様々な生物が死に絶え、
好まぬ様々な生物がはびこる事になるやもしれません。

何故なら、
身体の大きい鮭は、新たな生命誕生としてのパートナーに
選ばれる可能性が高く、多くの鮭がこの遺伝子に汚染されるからです。

この成長遺伝子を持つ組み換え鮭は、
その急激な成長のために非常に短命です。
その短命な遺伝子が次世代へとつながる事で、
鮭と言う生命群自体が絶滅へと進むというわけです。

実際に、パデュー大学のミューア教授は、
6万匹の鮭の群れに60匹の遺伝子組み換え鮭を放つと、
40世代以内で絶滅することを発見しています。

適者生存と言うダーウィンの進化論がありますが、
これは生存能力の高い者が生き残るという法則により生命は絶滅しないという理論です。

しかし、この遺伝子組み換え鮭が自然界に放たれると、
生存能力の低い者が生き残るという全く逆を行く現象を起こします。

まさに、絶滅へのシナリオです。
一度自然界に放たれてしまえば、
人の手で回収することはほぼ不可能ですから。

相も変わらず、人は自然をコントロールできると、
傲っているようです。