マリガンがウエスト・コーストにいたのは1951年秋
から54年暮れまでの三年強。
この時期に、パシフィック・レーベルに多くの作品を
残す。紹介のアルバムも54年録音の、その一枚で、
二つの高校でのライブを収録した名盤。
A面は、4曲目のパーカーの十八番
「ヤードバード・スーツ」が聴きもの。
ベースのレッド・ミッチエルとのインタープレイは
エキサイティングでスリリングだ。
B面のほうはスインギーで親しみのある演奏
に終始する。
お馴染みのズート・シムス(ts)、ボブ・ブルックマイヤー
(vtb)が参加。
自由自在に、無類にスイングするズートの演奏は、
マリガンとの共演では最高の部類に挙げられる。
また、ドラムのラリー・バンカーは、得意の
力強いベース・ドラムにより、アクセントのある
プレイでホーン陣を乗せる。
マリガンのこの作品は、彼のウエスト・コースト
時代の最後のアルバムで、このライブのあと、
ズート、ブルックマイヤーとともにニューヨーク
へ移ってしまう。