ペッパー~ベイカーの、数少ない貴重な共演盤で、お色気

ジャケットとともに、愛すべき一枚。

(ちなみに、全く同じデザインのジャケットで、メインタイトルが

「チェット・ベイカーーアート・ペッパー」というもう一枚の共演盤

があるらしい)


ベイカーのスタイルは、マイルスや白人バッパーのレッド・ロドニー

の影響のもとで形成されてきたもので、1950年代前半のクール

で抒情味を帯びた魅力は、50年代前半に顕著になってきた。

その最たる演奏が、54年録音の「チェット・ベイカー・シングス」で

あろう。そして、50年代前半には、ダウンビート誌、メトロノーム誌

で、マイルスを抑えて、2年連続で人気投票一位に輝いている。


56年録音の、この「プレイボーイズ」だが、A面一曲目の「フォー・

マイナーズ・オンリー」、B面一曲目の「ピクチャー・オブ・ヒース」

の2曲で、特にベイカーの演奏に、そのリリシズムが影を潜め、

微妙にハード・バップの影響が見て取れる。


もとよりペッパーはパーカーから強い影響を受け、ベイカーは、

53年にソニー・クリスやパーカーとの共演を果たし、バップの

影響を受けていた。

両人とも、パシフィック・ジャズやコンテンポラリーなど、ウエスト・

コースト系レーベルへの録音が多いのだが、二人とも、最も

ビバップ、ハード・バップに最も近かった白人ジャズメンと言えよう。