「Hi-STANDARD / The Gift」を購入&愛聴!!の巻 | ブログ 走攻 (SoCo blog)

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主に、音楽に纏わる事を綴るつもりです。
何を食べただ、景色が・・・とかなblogではありません。
(とかいって”お花がキレイ~!”とかUPしてたらゴメンナサイ)

2017.10.2 @TOWER RECORDS 梅田NU茶屋町店
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ついに出た、Hi-STANDARDの18年ぶりとなるニューアルバム『The Gift』
そして、またまた事前告知なしで同時リリースされた『AIR JAM 2000』のDVD

どちらも店着日に手に入れました!!
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最初に聴いた時の率直な感想はというと、正直ちょっと(ん〜)と思いました。
けど、結論から言うと、これが「めちゃくちゃいい!!」

ではなぜ初めて聴いた時そこまで思わなかったのか・・・それは、おそらく自分自身が成長”Growing up”できていなかったからではないか、そんな風に思いました。

具体的に言うと、おそらく18年前を引きずってしまってしまっていたのではないか、ということです。

といっても、それもある意味仕方のないことなのではないか。

だって僕らは18年間、ずっとそれまでの楽曲と共に人生を歩んで来たのだから。

人によっては、ずっとではないかもしれないけど、ことあるごとにハイスタの楽曲に救われ、勇気づけられ、時にあの頃の記憶を呼び覚ましてもらい、生きてきたのだから。


だが、Hi-STANDARDの新譜にはもちろん”今”が詰まっている。

その18年という月日の中で起こった様々な変化、人生におけることを筆頭に、音楽的なこと、そして、バンドとして再び動き出し、こうしてアルバムを出す、出せる?までに回復した人間関係の変化、それらがもたらした変化が進化となり、ビルドアップされたバンドの音、歌詞になっている、そんなように思うわけです。

公式インタビューにもありましたが、○○みたいな、や、〇〇の続編、みたいな楽曲が聞きたければKenさんが言う通り昔の曲を聞いてくれ、そいうことなのであろうと。

などと、そんなようなことをうんぬんかんぬん分析する前に、2度3度繰り返し聴くと、それは顕著になって表れた。なんだこの癖になる感覚は、と。

何度も繰り返し聴きたくなる中毒性、CDを止めてもずっと頭の中で鳴り続けるメロディ、新たなHi-STANDARDの音楽的魅力が随所に散りばめられ、もちろんこれぞハイスタ!というキャッチーな楽曲、冴えわたるコーラスワークも大健在。

そして和訳を読めばより訴えかけてくる(英語できないもので)歌詞の数々、やはりそこは今までと変わらず人生を、友についてを、そして今まで以上に愛を歌っているのではないか、と僕は思いました。

普遍的な愛、音楽への愛、親となっての愛、そして、全ての世代のガキども(Kids)への愛、そんな愛という名の贈物が楽曲としてぎっしり詰め込まれ、届けられたBOX(作品)であり、また、ハイスタのお3人さんだけが授かったギフトをいかんなく発揮、融合させ、18年経って、音楽的にも人間的にもより深み、魅力を増したアルバム、それが『The Gift』・・・だということが分かるのに、僕は1回では全て感じ取れなかった、それほど感慨と味わいが深い作品なんだと本当に思います。



ではそんなアルバムの楽曲それぞれのちょっとした感想などをつらつらと。

1. All Generations
新たな幕開け、希望を感じる宣言的1曲!
ステージにいるのは同じあの3人組 ここにいるのは 全ての世代を超えたガキども
この歌詞がもうグッときまくりで、ニクいっ!
Ken さんの近年の箱物ギター志向からの音楽性、よりロックンロールな音も垣間聞こえる。

1950~60年代、かつてロックはMy Generation的なものであったが、半世紀経ち、ロック自体もある意味成熟し、世代を超えるものとなった、そういうことではないだろうか。
ただし、反骨のスピリッツは失われずそのままで、まさに世代を超える力がロックにはある。そう僕は思ってます。


2.The Gift
これはもうハイスタならではというか、ハイスタにしか出せないキャッチーで癖になるメロディ、だけどなにか新しいハイスタでもあり、また、速くもあるがどこか哀愁なども感じる、そんなハンパない楽曲に、胸を熱く打つメッセージ。
ギフトの本当の意味はそういうことだったんだ、という。
「オレはオレ、キミはキミ、オレたちはオレたちなんだ」というメッセージを僕は勝手にギフトとして受け取りました。


3.Can I Be Kind To You
ハイスタ流のラブソングを速いパンクロックで奏でるというカッコよさ。
ボーカルの掛け合い、コーラスが絶妙でまたいい。
個人的にKen Bandからの流れも感じたりする曲で好きな1曲。


4.Going Crazy
自分の中のもう1人の自分?にも歌っているかのようにも僕は受け取った、闘争も感じさせる、ハイスタが持つハードな一面、激しさが前面に出た楽曲。


5.Time To Crow
今回のアルバム中唯一のちょっとファニー系な歌詞の内容の楽曲ではないだろうか。
せわしなく駆け回る忙しい感じ、まさにニワトリが想像できるちょっぱやな曲で、軽快なギターリフでテンション激アガり!


6.My Girl
ビンテージ感漂わせる難波さんのベースからの始まり、そしてヴォーカルはKenさんから、なんてのにちょっと意表を突かれ、そこからやはり速くなるか?なるのか?!なるだろう!!的なお得意の緩急効かせたカバーセンスが冴えわたり、Ken Bandの「Save Us」的な要素もちょっと感じたりも。


7.Hello My Junior
18年経って家族ができたからこそできたであろう、あったかさが溢れるストレートな、これもある種のラブソングでもあるのではないか。
難波さん的な包み込む優しさの雰囲気が僕はします。


8.Big Ol' Clock
ミドルな展開で、ノスタルジックさ漂い、どこか甘酸っぱさも感じる。
僕は人生をかけてこの歌を作る
過ぎ去った時は戻らない。あの頃の自分を重ね合わせ、心打つ叙情的な歌詞。


9.We're All Grown Up
オレたちは大人になってしまった
そう、GROWING UPから成長した今のハイスタ、紆余曲折、お互い色々あって、酸いも甘いも経験して今ここに立っている3人組、だからこそ歌えること、伝えたい愛がある。
1.と共にそんな今後のハイスタの新たな核、指針となる楽曲ではないだろうか、そんな風に個人的に思う。お気に入り。


10.Punk Rock Is The Answer
いかにもパンクロックという曲調じゃない曲でパンクロックについて歌うのは、THE BLUE HEARTSの『パンク・ロック』にも通じるところがあるのではないだろうか。
僕もこの2バンドを通じ、パンクロックから大事なことを教わった。


11.Pacific Sun
ロカビリーぽさやサーフサウンド的なアプローチも感じるインストは、やはりKenさんの箱ものギター志向から導かれた音楽性で、今のハイスタに新たに注入されたエッセンスではないだろうか。より男臭さや土っぽさ、荒野の西部劇風、マカロニウェスタン的にも感じたり、今までのハイスタにはなかったインストも新たな魅力。


12.I Know You Love Me
印象的なイントロ、優しい入りからミドルな楽曲かと思いきや、一転し激しい展開へ。
Ken Band的な要素も感じる。
センチメンタルもノスタルジックも全てパンクロックに内包し、突き進むんだと感じる楽曲。これもハイスタ流のラブソング。


13.Bridge Over Troubled Water
なんだろうか、このなんとも筆舌しがたい渋さ、力強さというのか、訴えかけてくるものは。
もちろん原曲によるところも大きいのだろうが、にしてもこのオリジナルとはまた違ったスケール感、壮大さ、心の琴線に触れるこの感覚、うまく言葉にして分析できない。とにかくとてもいい。染み入る。アレンジがもの凄く特徴的かと言えばそうではない。速くならずそのままいく。しかし物足りなくまったくない。なんだろうか。やはり難波さんの歌声の持つ力だろうか。めちゃくちゃ入ってくる。カッコいい。

Kenさんは2001年当時、サイモン&ガーファンクル好きを本の中でコメントしていて、その時は「若い人はなかなか手が出しづらいかもしれませんが、ME FIRST AND THE GIMME GIMMESがカバーしたりしてるので、そういうもののルーツとしても聴いてみてください。」なんて書いていたりするのだが、これは確実にHi-STANDARDをきっかけ、入口として知らなった人はオリジナルを聴きたくなると思う。現に僕も聴き返してみたくなり、ベスト盤を引っ張り出した。
ちなみにKenさんは何と言っても「ボクサー」が好き、とのことで知らない方は探ってみてください。


14.Free
僕がもちろん勝手に思ったことですが(ってずっと勝手に思ったことしか書いてませんが)「GROWING UP」や「STAY GOLD」などとまるで繋がっているかのような友とのストーリーではないか・・・そんなように勝手に結び付けたくなるのもやはり18年前を引きずってしまっているのか。でも、それも1つのファンの心理ではないかと思います。
”Stay free"という歌詞も出てくるし。



と、ここまでが一応アルバム本編の曲ということになるのかな?

CDには16曲入っていて、後の2曲はBonus Tracks扱いになっているけど、これは公式インタビューによると、デジタル配信との差をつけて、という新しい試みとのことですが、僕としては16曲入りのアルバム的に捉えてますかね。
(ハイスタといえばシークレットトラックというところもあって、ちょっと期待しちゃったりもしましたが。)
ということで、14.から、というかアルバム全体の流れ的に後の2曲も勝手な解釈しています。
(でも曲が始まるまでの秒数はやはりボーナストラック的にちょっと開けてはりますかね?)


15.Friend Song
あったかい、素朴さがまたいいアコースティックな(12弦ギターということですね)曲で、なんか広大なアメリカの平野のど真ん中に、真っすぐ伸びる道を車で旅してる、そんな風景がなぜか僕は頭に浮かびました。


16.Cabbage Surfin'
ラストにインストできたかって感じで、これもやはりタイトル通りサーフ・ギターな軽快さで、なんか心躍ります。
タイトルはどういう意味なんだろうか?!



という、以上16曲39分25秒、これもまたなんか意味あるんじゃないのか?!なんて勝手に・・・偶然だろうけど、サンキューになってるなとか、アルバムとしては18年ぶりだけどハイスタの新しい音源としては昨年リリースされたシングルが16年ぶりだったから、16年も経って、待ってくれて、また手にしてくれてサンキュー、的なことも・・・ってこれはちょっとあきらかに考え過ぎだな。
25・・・26だったら結成してからの年数なんだけどな、ってもういいか。

話は変わるけど超絶難しかったなぁ、Hi-STANDARD CULT QUIZ
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(行きたかったなぁ、さいたまスーパーアリーナ。MEET&GREETまでできるだなんて羨まし過ぎる!!)

話は戻って、しかしそんなこともなんだか勘繰りたくなってしまうというか、色んな僕たちの想像の遥か上をいく、軽々と超越してくる、今回のアルバムリリースに関しても様々なサプライズ、アイデアが仕掛けられ、本当に驚かしてくれる、それがHi-STANDARDとそのチーム、というわけで、CDが売れない売れないと言われまくるこんな時代に、というか、時代のせいになんてするな、時代は自分たちで作っていくものだ、と言わんばかりに今までにない独自のプロモーションを(しないことでそれを逆手にとって0円でプロモーションになるという素晴らしい逆転の発想や)今まで様々なことを自分たちで培ってきたからこそ(人脈やライブハウスとの繋がりなどがあって)仕掛けることができ、繰り出される突出したアイデアの数々でまさにMAKING THE ROAD、道を切り開いていくそのマインド、D・I・Yな生き様、本当に教えられることが多すぎます、Hi-STANDARD、そしてパンクロックに。

ほんとに本当たくさんの人生のギフトをもらってます。好きで良かった!!!
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