/6T目/
 
○親パラメータ
・名前:フィロテレス:男
*職業:奴隷・家庭教師(元学者)
*武勇伝:凄く有名な貴族を助けたことがある
*愛用品:何もない。強いて言うなら心だ
*ダリド:残念人間でした。
 
・財産  ……6
・人脈  ……5
・教養 ……10
・武力 ……1
・善性 ……9
 
○子パラメータ
・名前:テュクス
・財産 ……1
・人脈 ……2
・教養 ……5
・武力 ……1
・善性 ……8
 
(全員共通・強制イベント)
☆子供が勝手に成長する。
・子の善性が一番高いなら子の善性+2 、財産-2
# 頻繁に間抜けと言われるけど、それすらを笑って流してる。
 
テュクスは生まれてからこの方、大半を奴隷として過ごした子である。
だが、それはテュクスが魯鈍である事を示すものではなく、またその由来としても不確実である。
読み書きにおいて、少なくともテュクスは不自由どころか市民として十分な資質を備え、
詩才の種となろう神への感謝を語る語彙も、決して惰弱とは言えまい。
 
“これが親の贔屓目でなければ…であるが”
 
…テュクスは笑顔の絶えない子供に育った。
時に、余りに深い悲哀や、やる方の無い憤懣の果て、糊塗する仮面として笑顔が絶えなくなる者もあると言う。
テュクスのそれは、そうした鋭さや苛烈さは無い…きっと誰の目からもそうであったろう。
故に、テュクスはよく間抜けと囃された。
それは単に考え無しの愚鈍さから言われるものではない。
テュクスは与えられた事を良くこなし、また良くあろうとする考慮を惜しまず、人の言葉に良く耳を傾けた。
良く耳を傾けすぎたと、そう指摘するのが正しいであろう。
 
それ故、人の求めに応じては、さほども無い財貨を使い果たしてしまっていたのである。
 
“親としてならば諫める事も必要だったであろう”
“だが。人としての浅ましさを教える事が、その笑顔の輝きを曇らせはしまいか”
“それを考えた時。我が探究心が恐れの声を激しく上げるのだ”
 
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主とその与した軍勢が無事の帰還を果たしたのは、そんな逡巡も一つの区切りを迎えた事の頃であった。
 
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(全員共通・強制イベント)
☆子供、もしくは親が婚姻する。
親でも子でも、善性が7以上なら婚姻を断ることができる。そうでなければ強制だ
 
親:教養が一番高いなら外見には恵まれないが常識的な普通の婚姻をする。(婚姻)
→T2で転売された時から連れ添っている(設定)妻と正式に婚姻。
 
子:善性が一番高いなら好きな設定の者と婚姻できる。(好婚)
→有力市民(奴隷時の主)の娘と婚姻(婚約)。
 
(条件イベント)奴隷でかつ財産が2以上の時。
☆あなたは自分自身を買って自由身分を得られる。
自由の身になる時は親の財産を2減らす。子も救うならさらに財産を1減らす。
若様の役に立ってなくてもさらに財産を2減らすなら市民になれる。なれない場合、あなたは旅の戦士か旅の学者になる。
→財産-5:市民
 
(条件イベント:投資で人脈+財産を選んでいた場合):奴隷は適用されない。。
☆防塁や神殿再建のための石材を運んで大儲けした。
親子ともに財産が+3される。
 
“父様。テュクスは最近、胸が苦しゅうございます”
 
“これはしおらしい事を言う。詩才の女神に求愛でも受けたのか”
 
…返事が無い。
そこは我が詩才に神の恩寵あらば~、とかって続ける所じゃないの?…と訝った、かどうかはさておき。
見やればテュクスは白い頬を紅潮させて俯いている。#…やっべぇマジだったか。
 
“…うむ。テュクスよ、汝も年頃の青年であるな。して、何方の者に懸想した”
 
“分からないのです。ムーサという名前の娘で、私の顔を見ては何時も悲しそうに叱っては去るのです”
#父さんそういう関係微妙に良くないと思う…そう思ったかどうかはさておき。
 
“父様、テュクスは善いと思った事を思うまま為しています。それは喜びです。されどムーサはそれを悲しいと言う。テュクスは彼女の喜びも欲しいのです”
 
フィロテレス、テュクスにも春が訪れたかと驚くやら困惑するやら、少し安堵するやらであったが、
結局の所、まずはひどく常識的な話から始める他は無いと腹を括る。
 
“よろしい。テュクスよ、まずはその娘…ムーサが何方の者であるかを確かめねばなるまい。次に会う時はそれを問いなさい”
 
テュクス、弾けんばかりの笑顔でそれは名案でございますと、更に何か言おうとしていたフィロテレスを置いて部屋を飛び出て行った。
…こういう所が間抜け呼ばわりされてるのかなー、父さんちょっと心配だぞ。というような事が心に去来していると、
何者かが少し離れた柱の陰から部屋の様子を伺っている事に気付いた…と言うより、隠れているつもりなのかよく分からないが。
どうやら女…身なりからして奴隷ではない…らしい。
賓客かもしれない邸内の女性に対し、奴隷側から妄りに声を掛けるのは礼儀上問題が在る。
それにしても随分真剣に…少々真剣すぎる程度にこちらを見据えている。
主の部屋に向かう道程なので、傍らを通り掛かる時に伺いを立ててみる事にした。
…どうにもこちらが近寄った事にすら気付いていないらしい。勢いを付けて跪いた事で、ようやく驚いたような素振りを見せた。
 
“失礼の段、平にご容赦を。此方は男も居る奴隷部屋にてあまり近寄られぬ事がよろしかろうと存じますが、誰ぞ急ぎの御用がお有りでしょうや”
 
見苦しい所を見せまいとしたのか、女性…まだ少女のようだが、テュクスよりは大人びて見えた…は、わたわたと居住まいを正した。
 
“あああ、貴方がフィロテレス、ですね!?”
 
“は、左様に”
 
“あーあー、こほんえへん。ちゅ”#噛んだ。あざといか。あざといな。
 
訝ってはいけない。奴隷としての根性の見せ所だ、多分。
 
“テュクスや父上より伝え聞いております!それで…あの…テュクスにその…も、もっと自分を大切にするよう、しっかり申し伝え、監督するのです!”
 
耐えよフィロテレス。何の神かは知らんが神の試練だこれは。ここで顔面から地面に突っ伏したら何かが終わる。
よし耐えた。
 
“は、しかと承りま”返事も待たずに猛スピードで走り去る足音が聞こえた。
 
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父上という言葉から得られた結論として主に報告した所、大笑いされた。
 
“全く、恋の神は目暗矢を放つらしいとは聞き及んでおったが!当家を喜劇の舞台に選んだか!”
 
…蓋を開けてみれば、何という事の無い話ではあった。ムーサとは主の息女であったのだ。
年の頃はテュクスより幾らか上、縁談を少し急ぐ頃合いではあった。
だが、それは同時に別の問題の浮上も意味する所で――。
 
“なに。汝の子…否、あのテュクスなれば、我は娘を娶る相手として相応しかろうと考えるぞ”
 
“お戯れを”
 
フィロテレスは、少し諫めるような口調で主に応えた。
 
“戯れなどではない。言った筈だ。汝が市民なれば、我は汝を友として遇したいと”
 
言葉に窮するフィロテレス。
過ぎるのは妻…本当は、ただの気紛れが連れてきた、あの物言わぬ優しい目をした奴隷女…であった。
その様子を見て、変わらんな汝は、と笑いを漏らす主。
 
“…汝くらいの男なれば、嫁の一人くらいは居なければむしろ訝られようよ。ついでに汝自身の祝言も挙げてしまえ”
 
“は…はぁ?!”
 
“理由も無く進物をすれば、この時候ならずとも阿呆と思われようが。景気づけだ、奴隷の一人くらいくれてやろう”
 
今度という今度は、フィロテレスも主の慧眼に観念する他無かった。
 
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かくして。此処に新たなる市民フィロテレス一家が認められる運びとなった。
彼の一家は、先に起こった争乱によって破壊された町並みの復興に呼び掛けを行い、
いち早く大量の石材を供給する形で公益に貢献した事が認められたのだという。
後見は有力な市民が務めたとされ、同時に執り行われた結婚の証明において、
息女ムーサがフィロテレスの長子テュクスに嫁ぐ宣誓(この時点では婚約のような形…事実上の婚姻関係ではあるが)も為される事で、
両者の盟友関係が訪れた者達に強く印象付けられたのだと言う。
それは、争乱の後、立ち直りつつある中で慎ましやかに行われたものではあったが、
その場に居た者達に一時の喜びと安らぎを許す時間であったと言う。
 
/T6教育フェイズ/
 
教育→教養+1
テュクス:貴族の子(庶子)男・既婚(好婚)
・財産  ……3
・人脈  ……2
・教養 ……5+1
・武力 ……1
・善性 ……10
 
かくして、世間一般公認の仲となったテュクスとムーサ夫婦…と言うには姉弟のようであるが…。
まぁ、若い二人の新生活と言うのか逢瀬というのか定かで無いじゃれ合いのような関係が忙しいようである。
少ない時間ではあるが、教師役くらいは務めるとしよう。
…寂しくなんかないぞ?と言うフィロテレスを優しい眼差しで見つめる妻・ニュンペー…彼女が言葉を口にする事は殆ど無い。彼女自身にも分からないのかもしれない。故にフィロテレスが付けた…の姿があった。
 
/T6投資フェイズ/
 
財産、教養を選択
 
ヤニアでも復興を求める声が聞こえると言う。
市民として財を投じ公に服すならば、自分の出来る事はこの辺りであろう…フィロテレスは、今は友となったかつての主に話を向けてみる事にした。
 
/T6終了時点親パラメータ/
 
○親パラメータ
・名前:フィロテレス:男・既婚(好婚)
→妻:奴隷時代からの連れ添い
*職業:市民(学者系)
*武勇伝:凄く有名な貴族を助けたことがある
*愛用品:何もない。強いて言うなら心だ
*ダリド:残念人間でした。
 
・財産  ……4
・人脈  ……5
・教養 ……10
・武力 ……1
・善性 ……9