この番組は
 
・1+1=2って何気に世界の共通言語として結構便利じゃない?
・それでも1+1の深淵を考える子供心は止まらない
 
…の提供でお送り致します。
 
さてこの番組は、アイドレスで出て来るシステム部分を、
全く一般的でない意味でシステムライク(システム好き)な文系人間が半ば自分用の覚え書きとしてお送りするものです。

システム周りから見えてくる事を主な話題としてお送りする、プレイングとしては"メタ"となるお話なので、
プレイングを考える際の糧として頂ければ幸いです。
 
本日のお題は
 
・70%ルールはどういう意味なのか
・汎用とは何で、何が問題と言われているのか。
 
…の2点を軸にお話致します。
 
さて、現在アイドレスSystem4と称する所を目指し進行中のテストが一段落した所でありますが、
この記事をお読み下さるような方は、前ページまでの2編から来て頂いたのではないかと邪推致します次第。
 
其処までご理解頂けている方を前提としますとアイドレスSystem4は、
 
1.セルフ・クラフト・ワールドという(背景世界シミュレーターによって構築された)世界がある。
 
2.そこに存在するあらゆる事物を"アイドレス"と総称する。
#立国ゲームにおける設問も、評価を満たすアイドレスを要求する一種のアイドレスと考えられます。
 
3.アイドレスは"部品"という、項目名と50文字以上の設定文からなる設定群の総体として構築されている。
 
4.設定された"アイドレス"も含めて、セルフ・クラフト・ワールドはシミュレートを連続している。
 
…という構造を指摘する事が出来ます。
 
つまり"アイドレスSystem4"は"(恐らくこの記事をお読み頂いている方も含めて)現実の我々"から見て、
ある単一システム構造を共有する複数プログラム群、という観点が提案されます。
 
ここで厳重に注意して頂きたいのは、あくまでこれは異世界に参画する為の"アイドレス"という物を必要とする我々が、
"アイドレス"ないしそれを包含する"異世界表現するモノ”を見ている状況を表しているのであり、
"実存する異世界を歩く存在"(我々がプレイングしている…と思っているだけかもしれないキャラクターも含め)がこれを強要される筋合いもまた無いという事です。
 
さて上述を踏まえると、セルフ・クラフト・ワールドにおける"アイドレス"とは、
生命、非生命はおろか、あらゆる事物一切を"設定群"として規定する、言わば"共通ファイル形式"という物に相当する事が言えます。

問題はこの"共通"という部分にあります。
"道端の石ころ”と"あなたの視線"は、設定次第でいずれも"RD1のアイドレス"であるという事になります。
 
このように我々の認識上は全く違うものでありながら、シミュレート上では"アイドレス"という共通の枠組みで扱われる所が、
自己生成型ワールドシミュレーターとしての特質であると共に、我々にとって悩みの種とも言える部分を形成する事になります。
 
"道端の石ころ"という例であれば、これは何処にでもあるものですが、
これに"RD1"という、アイドレスとしてのパラメタを設定してしまった場合、それを大量にかき集めるだけで、
戦車砲とも渡り合う威力となり、核攻撃にも耐え、あらゆる相手を魅了し、全てに勝利する…という狂った現象がシミュレートされてしまいかねません。
 
これが"汎用性"に関わる問題の根底にあるものと考えられます。
 
実際の所、セルフ・クラフト・ワールドも"連想"というシミュレート生成の仕様と、
これまでの学習・稼働実績から"ただの石ころ"等をRD1と容認する程無秩序ではないと考えられますが、
シミュレート内には便宜上"設定国民"と呼ばれるプレイヤーと同等の行動を取る多数の人間が存在しており、
彼らも同じように使える物や技であれば、それは"便利な事物"として速やかに普及…即ち、パラメタがコピーされていくと考えられます。
 
尚、これが"設定済みアイドレス"を大部品として使うという仕様に関しては、
該当の"設定済みアイドレス"が持つ評価値が生産に必要な評価値となり、
普及させる為の障壁となる事で、部品の設定よりは破綻に至る危険性が低下するものと考えられます。

(但し、プレイヤーがアイドレス設定する際に濫用する事は全く別の問題となるので厳重に注意が必要です)
 
そして、この"設定の無秩序なコピー"を規制するシステム側のブレーキと考えられるのが"70%ルール"です。
厳密にこれがシステム上の仕様であるのか、今回のテストに際して設けられた安全装置であるのかという点については、
開発者である芝村さんに伺わなければ断言が難しい所ではありますが、
少なくともこの仕様が"極端な汎用性を制限している"という働きについては指摘が可能と考えられます。
 
アイドレスSystem4において"同じRD1を大量にかき集める"という行為が破綻に繋がる事を指摘しましたが、
これはアイドレスを設定する際に"同じ設定を複数コピーする"という事が同等であると考えられます。
 
例としてここで"モーター"というRD1のアイドレス部品を想定します。
モーターを使う電化製品は多数あります。しかし現実、使われているモーターは1種類ではありません。
洗濯機、扇風機、おもちゃ…色々な製品の目的に従った形状、形態の物が製造されています。
と言うか、同じ商品AとBであっても、積んであるモーターはもちろん"別の物"ですね。
 
設定文…即ち、そのアイドレス部品がどのようなものであるのか説明する言葉が7割未満の合致率であれば、
このような"同じカテゴリに属するものの違い"を常に明快な形で示す事が出来るという目的に基づく制御機構が70%ルールではないかと考えられます。
 
無論、人間の思考を以てすれば、意図的に同じような内容を異なった記述で書き換える事も不可能ではありません。
しかし、今回のアイドレスSystem4が"テスト"という触れ込みで開催されているように、セルフ・クラフト・ワールドが現在開発中のシステムであり、
我々人間が期待する物とは全く異なるシミュレート結果を返す恐れは、常に考慮する必要があると考えられます。
 
とは言え、これらを過度に恐れる必要は無いものと言えます。
それは即ち"言葉が伝わり難い相手へ、どれだけ自分達の言葉、思いを伝えようと努力をするか"という事ではないかと考えられます。
セルフ・クラフト・ワールドはまだまだ知らない事がきっと沢山あります。
我々はそれを誠意を以て相手に伝える努力をし、相手からの言葉に真摯に耳を傾ける。
その、無限の積み重ねを試されているのではないかと考える次第です。
貴方の想いは、何処に在りますか?
 
(終わり。次回はまた、気が向いた時にでも…)