トレーニングに関することを発信していることもあり、僕の元にはたくさんの質問が届きます。
Youtubeチャンネルでも質問を募集していて、日頃からたくさんの質問コメントをいただいております。
かなりの量なので直接返答することはしていないのですが、必ず目を通しています。
質問していただいた方、お答えできていなくて申し訳ありません。
ちゃんと時間をとって説明した方がいいことや、取り上げた方が良いと感じたものは、動画テーマとして企画しますので、今しばらくお待ちください。
ただし、答えられない類の質問も存在します。
それは〇〇のためのトレーニングを教えてください!という内容。
〇〇には競技や怪我が入ります。
*Youtubeコメント欄での「〇〇のためのトレーニングをテーマとして取り上げてください」というのはありです。
え、、自分は〇〇に有効なトレーニング、とかいう文言でいろいろ発信してますやん。って思われるかも知れませんね。
しかし、DMなど個別の質問への回答という形、つまり「あなたが聞きたいことの答えはこれです」という様式での〇〇に有効、と、一般論として〇〇に有効です、という自分スタートの発信は全く性質が異なるのです。
スポーツトレーナーという仕事は、主にトレーニングの指導が仕事という認識を持たれているかも知れませんが、僕の場合は緻密な分析が前提。
クライアントからの依頼を受けて、その人が抱える課題を分析し、その人の動きや身体を分析し、その上で「あなたには〇〇が有効です」というプロセスを必ず踏みます。必ずです。
そのプロセスを踏まなければ、教えたトレーニングによって課題がクリアできないばかりでなくパフォーマンス低下や怪我につながってしまうこともある、指導にはリスクがつきまとうというのがこの仕事の特徴と認識しているからです。
なので個別の「〇〇に有効なトレーニング教えて」という質問に対しては、あなたの分析ができないので責任を持ってお答えできません、というのが答えになります。
トレーニング教えるぐらい簡単でしょ、プロなんだから。
という気持ちでご質問されているかも知れませんが、プロだから自分の発言には責任を伴うのです。プロだから分析から時間をかけて確実に成果を出しにいくのです。プロだから簡単じゃないんです。
仮にいくら詳細に症状を説明していただいても、言葉に含まれる情報のギャップの存在、評価テストができないなどの理由で、やはり同じことです。
質問を受ける立場の方はみなさん共通した感覚があるかもなのですが、答えたくても答えられないのです。
無料で情報を得られることと、無料で指導を受けられることは全く別物ですし、無料で発信しているから無料で教えてもらえるということではないのです。
こういった理由から、〇〇に有効なトレーニングを教えてほしいという場合は、やはりちゃんとしたプロセスを踏んで欲しいです。
スポーツに真剣ならば、自分の身体が大事ならば尚更です。
ちゃんとしたプロセスはこちら。
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もう一つ。
一般論として質問して何かを得ようとする行為は、それが相手の仕事に関することであれば注意が必要です。
なぜなら相手はその仕事で報酬を得るために多くの投資をしているからです。
高額な勉強会に参加して自己研鑽したり、専門書や研究会に入って費用を支払いながら勉強し、というのがトレーナーの世界の当たり前です。
大半のトレーナーは年間に多くの自己投資をしているのです。
それを「簡単な質問だから」みたいなノリで回答を得ようとする行為はやっぱり軽率です。
*場合によっては回答することもありますが、それをきっかけに何度もそういう質問をするのはマナー違反です。
服屋さんで、「この服1着タダでください、いっぱいあるんだからいいですよね」というノリと同じであるということを理解して欲しいです。
画家に「ちょっと絵を描いてよ、簡単なのでいいから」
書道家に「ちょっと一筆書いてよ、簡単なのでいいから」
音楽家に「ちょっと演奏してよ、簡単なのでいいから」
全て同じです。
売り物をタダで貰おうとするのがおかしいと感じるのと同じように、トレーニングの方法やその知識のように提供するサービスに形がないものも、手に入れようとすれば対価が発生するのが当然なのです。
プロとしてやっている人はその”舞台”に上がるために準備をします。
コンディションや外見など、舞台に上がるためにはその技術の周辺に様々な必要事項が発生します。
プロでなければ理解できないようなルーティンをこなす人もたくさんいます。
他から見て「簡単なように見える」のはプロだから簡単に見せているのです。
最後に。
面識のない方から、お話聞きたいので時間ありませんか?っていうお誘いをよくいただきますが、時間はありません。
何か理由次第では行くかも知れませんが、会いたい理由も相手が誰かも分からない関係で行くことはありません。
他のスケジュールや家族との時間を差し置いて、話聞きたいって言われたから誰か分からないけど仕事の話かも分からないけど会ってくるわ、、と言えるほど暇じゃない。。
僕にとって時間はタダではないし、作るものだから。
そもそも誘ってくるのも男子ばかりだし
そういうわけで、話を戻しますと。
要するに質問するにも作法があるよねということです。
質問は一切してくるなということではありません。
相手にとって答える理由がちゃんと提示できているかを考えて質問した方がいいですねという話でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸1
しばらくお休みしていましたが、このたび再開することとなりました。
JARTAトレーナーカレッジの講義の一部など、 Youtubeチャンネルでしか見れないコンテンツがたくさん登場します。
こちらはJARTAトレーナーカレッジのシステム解説アニメーションです。
ご検討中の方はチェックしてみてください。
追伸2
様々なテーマが講義形式またはワークアウト形式で学習できます。
JARTAの身体操作トレーニング指導ご依頼は下記から。
選手の課題や動きに応じてオーダーメイドの身体操作トレーニングを提供します。