明けましておめでとうございます。

2021年も、選手たちの努力と成果がしっかりと結びつくようなサポートができるように自分がやるべきことを積み重ねていきます。

このブログでもゆっくりではありますが引き続き自分の考えを発信していきますので、何卒よろしくお願い致します。

 

 

 

今年初めのテーマは、学習プロセス

 

 

 

多くのスキルには、2つのプロセスが内包されています。

 

ひとつは、そのスキルを実行するためのプロセス。

実行プロセス

 

もうひとつは、それを獲得するためのプロセス。

学習プロセス

 

 

 

実行プロセスは、例えばトレーナーが選手の身体の問題を解決する場合、解決策を導き出すためには評価が不可欠です。

評価→治療。これが実行プロセスです。

 

 

 

実行プロセスの目的は、解決策の根拠を論理的に導くことです。

それに対して学習プロセスの目的は、スキルの習得です。

 

 

 

両者は同じスキルを使う行為であっても、目的が異なるのです。

 

 

 

 

 

ところが、多くの学習プロセスは、実行プロセスと同じを辿る方法がとられています。

 

例えば僕も保持する国家資格である理学療法士の治療スキルは典型例です。

 

 

 

 

理学療法士の学習カリキュラムでは、まず必ず評価から学びます。評価とは検査みたいなものです。

 

治療を学ぶよりも前の段階で、関節の可動域の測り方や筋力の測り方を徹底的に学びます。

評価実習と呼ばれる、評価をひたすら行うための実習もあり、その実習は治療を行う実習よりも先に位置しています。

 

 

 

もちろん、評価ができなければ治療ができないので(実行プロセス)、まずは評価ができるように練習、という思考は理解できます。

 

 

 

なので実行プロセス=学習プロセスという形が取られています。

しかし、冒頭で述べたように、実行プロセスと学習プロセスはその目的が異なります。

 

 

 

目的が違う以上、もしかしたら学習プロセスでは異なるプロセスをとった方が学習効率が上がるのではないか。

そんな仮説を立てた時、実行プロセス=学習プロセスのパターンにはひとつの問題が見えてきます。

 

 

 

それは意味。

評価であれば、測定で得た数値の意味。

 

 

 

学習プロセスが必要=まだスキルを習得していない状態においては、治療という行為の全体像は十分に見えていません。

治療という部分を知らないまま評価をしても、出てきた数字の意味が分からない。なぜその検査をするのかの意味が分からない。

 

 

駆け出しの職人が、家を作っていることを理解しないまま目の前のレンガをひたすら積み上げているかのごとく。

写真引用:

 

 

 

 

 

もちろん、その後に治療部分を習うことで理解は進んでいくのですが、どういう治療を自分がするのかを理解し、そのための評価の必要性を感じる(必ず感じることになる。治療は評価がなければ成立しないからである)のと

 

、評価によって出てきた数値の”意味”を理解することなくただただ数字集めをするのとでは、結果としてどちらが学習スピードが早いだろうか。

 

 

 

治療のために評価が存在するという構図である以上、先に評価を突き詰めようとするのは逆に学習の難易度が上がる(つまり学習効率がよろしくない)のは致し方ないのかも知れません。

 

 

 

もちろん全ての学習プロセスがこの構図にはなりませんが、実際の実行プロセス通りに辿らない方が効率良い学習になる可能性があるという視点を持つことが重要だと考えます。

思考停止しないのが大事です。

 

 

 

道案内が上手い人は、まず目的地までの距離と方向を大まかにでも提示し、そこから細かい道順を伝えます。

道案内が下手な人は、大枠のベクトルを提示せずに、とにかく細かく道順を提示します。

 

 

 

迷子になりやすい状況は、間違いなく後者です。

前者は、細かい道がわからないくても、得た情報から自分で判断しながら目的地に向かって距離を詰めることが可能とも言えます。

この点は学習プロセスにおいて、非常に重要な観点です。

 

 

 

頭でっかちにならずに、思考停止せずに、”当たり前とされている方法”を目的ベースで見直すことで僕らはより効率の良い方法を見つけていくことができる。

もちろん何でもかんでも、先人たちがやってきた方法を否定することではなく、温故知新をやるということ。

 

 

 

僕がJARTAトレーナーカレッジで講義を担当している『構造スキル』は、実際の実行(分析)プロセスと分析技術を学ぶための学習プロセスは異なります。

 

 

構造を見抜き、分析するスキルを身につけるための学習プロセスは、実行プロセス順に学ぼうとすると使いこなせるまでにやたら時間がかかるからです。

だからとにかく使えるモデルを先に覚えてしまうこと。

まずは大まかにでも対象がどのモデルに該当するのかを分類してしまえるようになること。

そんな”道案内”をしています。

 

 

 

ご自身のトレーナー能力を高めていく上で有効そうでしたらぜひご利用ください。

 

■JARTAトレーナーカレッジの詳細はコチラ。

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

追伸1

今年もプロ野球選手たちの自主トレ帯同があります。

かなりタイトな毎日を送ることになりますが、公開可能な範囲で僕のSNSでまた様子をご紹介したいと思います。

 

 

 

追伸2

▶︎JARTA公式 Youtubeチャンネル

JARTAトレーナーカレッジの講義の一部など、 Youtubeチャンネルでしか見れないコンテンツがたくさん登場します。

 

 

トレーナーの武器にするために特化した身体操作のカリキュラム。

 

 

こちらはJARTAトレーナーカレッジのシステム解説アニメーションです。

ご検討中の方はチェックしてみてください。

 

 

 

 

 

追伸3

今年もオンライン限定の新作をすでにいくつも用意しています。

JARTAオンラインセミナーラインナップ

様々なテーマが講義形式またはワークアウト形式で学習できます。

 

 

JARTAの身体操作トレーニング指導ご依頼は下記から。

オフ期間の競技が多いと思いますが、身体操作に集中できる貴重な期間です。

選手の課題や動きに応じてオーダーメイドの身体操作トレーニングを提供します。

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