13. 日本とドイツ 生活の質の違い/ 先進国とは何か | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

■ 先進国とは何か


先進国とはどういうイメージで捕らえられているだろうか?

私は
工業化が進んでいて
大都市があって
高層ビルが林立していて
高速道路や
新幹線が走っている国 
と子供の頃から思っていた。


ロンドン
パリ
NY
シカゴ
ロスアンジェルス
サンフランシスコ

こういう都市がある事が、先進国のイメージだった。


しかし、実際に先進国を訪れてみると、全然違った。


ドイツには大都市なんて全然無い。

国中田舎だらけの国である。

ハイジが大都会だとびっくりしたフランクフルトにしても人口は67万人。

一番大きいのはベルリンだが人口は340万人。東京の三割しかいない。

2番目が大きく離されてハンブルクの170万人。

100万人を超える都市は四つしか無い。
【ベルリン・ハンブルク・ミュンヘン・ケルン】
---ドイツ大使館発行「Facts in Germany 2011より」


あとの町はすべて美しい田舎町である。
フランスもそうだ。
英国もそうだ。
欧州は皆そうだ。


戦後日本は工業化の発展、
産業の振興、
製品製造の増大、を目指して拡大一直線で来たが、
その行きつく先は先進国の仲間入りをしたいということだったと思う。

ところが、結果は全然先進国らしくない国になってしまっている。

個人の生活は豊かだろうか?

みんなが中流と思っていた実態は、
世界一の金持ち国と言われるのに住宅ローンと教育費で家計は火の車
海外旅行は三泊が限度、
社会保障は全く足らず(過労死さえもなかなか認めない・破産したら自殺するしか無い)、
女性が働きたくても託児所が無い、
生活物資は安くない(世界一高い)、
家は狭い
風呂場は寒い、
シャワーからお湯がすぐ出ない
天候不順ですぐレタス一個が400円になる、
通勤電車は人間性無視の過飽和状態、
コンビニショップでポルノが買える
(こどもの目に触れる所で売るものではない・・・日本人は気がつかないらしい)
....



そういうことが当たり前で何とも感じない国民になってしまっている。


最近、日本の商社を引退した人の自伝を読んだが、
私達を育てた世代のこの人は海外に赴任したとき会社からは家族を呼ぶ予算がもらえず、
その上日本に一時帰国する事も禁じられていたため、
赴任直前に生まれた息子と二度目に会った時は子供は既に四歳になっていたと書いてあった。


高度成長を目指した時代には珍しく無い話なのだろう。

会社も国も個人も揃って、
家族に対する罪、
人道に反する罪を犯していたのだ。



そのツケが今の日本の家庭や学校教育に現われているように見える。
「人に迷惑をかけていなければ悪くない」という価値観が現われ、
「政治に関心を持つのはカッコ悪い事」などと言って社会に対する責任を考えなくなり、
日本の教育システムが作った優等生であるはずの人間達が
自分の利益だけを求めた結果の犯罪を次々に起こしている。



家族の意味を教わらずに育った沢山の人間が親となり、
経済一辺倒の無責任な生き方をして来た世代が受験制度という効率一辺倒のシステムを作り、
自分の内なる声に敏感である事
人間の倫理を伝える事を忘れて来たのだから
こうなったのも自業自得だ。

これが正常に回復するのには再び一世代以上の時間がかかる事だろう。



先進国とは経済が発展した国、という認識が正しくなかったと思う。

拡大指向は昭和の時代とともに終わるべきだったのではなかろうか。
売上高でなく、利益率重視、と日本の企業経営にも言われて久しい(20年くらいか)。
中身が大事なのではないか。


先進国のイメージはなんですか。


日本をそうしたいですか?



【続く】


 これが普通の週末の過ごし方 ドイツ

$Bokensdorfのブログ-家族ドイツにはゴミが落ちてない(ゴミ箱が至る所に完備されている)
日本もそうしたくないですか?


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