■ 子供の言語教育 ニューロン
重ねて言語教育の話で恐縮だが、
果たして幼児期からの複数言語教育が本当に適当なのかという
問いを助ける話を聞いたので簡単に書き留めておきたい。
それはニューロンの発達の話だった。
脳にはニューロンという神経細胞があるが、
このニューロンはシナプスという情報伝達部を持っており、
その数には個人差があってそれが頭の回転と関係するようなのである。
そしてこのシナプスの数は誕生と同時に増え続け、
7歳頃には増加が終わり、
後はゆっくりした減少が続くだけで2度と再び増える事は無いと言うのである。
即ち、
よく言われる「思考回路」の環境設定は7歳頃までに終わってしまうという事らしい。
(正確に書くと「言語的知性フレームの高次モジュール感受性期がピークを終える」)
この時期に回路が作られていないと2度とその機会は無いのだそうである。
言語の通る道筋もその回路の一つであり、
もしシナプスの有無や多寡が言語理解能力と関係するのなら、
これまで早期の言語教育が成功しなかった理由は教育手法の優劣に求められるものであって、
10歳以降の成功例があることを根拠に早期だと言語が中途半端になるという事は言えないのではないだろうか。
実際、
子供の時からバイリンガルで育っている人をたくさん見て来ているし、
彼等自身も夫婦の言語が違う場合は自分の子供達に初めからそれぞれの言語で話し掛けている。
この分野はまだ研究発展途上なのかもしれないし、
国際結婚家庭の言語教育についての研究情報も少ないが、
発音のコピー能力を例にしても子供には大人が既に失っている不思議な能力が有ることは明らかである。
私達は両親の言葉は7歳までに両言語とも教えるべきだという判断と決心を改めて実践するつもりでい
る。
【続く】