15. 未来の架け橋/国籍について思う事 | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

■ 国籍について思う事


「国籍」とはなんだろうか。

国籍は政治的な概念であって、
要するに制度によってどうにでもなる(されてしまう)ものではないだろうか。

そして、これからの未来にも意味を持ち続けるものなのだろうか。


国籍とは何で確かめる事ができるだろうか。

一応パスポート(持っていない時はそんなことは考えなかったが)である。


ドイツの運転免許証と日本のパスポート
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欧州【正確にはEU】は統一パスポートになった。
パスポートが同じなら国境を越えるとき国籍にあまり意味は無い。

こうなった欧州統一の原動力は経済問題である。
もともと、欧州の感覚では国境を越えて安い所へ買い物に行くというのは普通の事である。

実際、ジュネーブの人はこう言っていた。
「こちらは国境が近いのでよく仏領にもお買物に出掛けます」

ウィーンのおばあさん(友人のお母さん。オーストリア人)は美容院に行くのに、
「安くて上手だから電車でとなりの国(ハンガリー)に行く」と言っていた。

ドーバー海峡をフェリーで渡るとき、
フランス側には英国から車で酒を買いに来ている人(普通の人)がたくさんいた。
フェリー代払ってもフランス側の方が安いからだと言っていた。

私の中の国境の概念が随分変わった。

欧州統一は政治の枠でものが動かなくなったという時代の象徴的な事件である。

そして同時に国籍という概念も国境の希薄化とともに崩れつつある。

「○○の国籍が無いと○○の対象となりません」という文句も既に見かけない。

域内では移動も就職も自由なのだ。

こうなると、日本とEUのパスポートの二者択一の場合はEUの方に魅力が出てくる。

活動の選択肢、生活できる場が広い方が良いに決まっている。
しかし、子供が徴兵制度のある国の国籍を選択すると兵役に行かなければならないということもある。

EUのパスポートが便利と思ったら欧州は戦争が現実にある場所(今でも)だから、
子供が成人になる頃に戦争に行かなくてはならなくなるかもしれない。

兵役が悪い、という意味では無い。
戦争に行かなくてはならない状況を親が作り出してやりたくないということである。

それには、国境という垣根を低く下げ、
国籍による不自由の格差を解消させ、
民族がひとつのものとして互いに理解し共存し合える世界を作って行かなければならないと思う。

Imagine there's no countries.






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