2020年、明けましておめでとうございます。
ぼるぼっちょ安倍です。

今年の公演に向けて、執筆作業の日々を送っております。
いつ出来るのかは、今現在、未定です。

早くても、夏ですかね・・・??

ちっとも書けませんのでね、最近。

頑張ります。

次、いつやるか分らないので、ぼるぼっちょの作品を観たいよ、という方は、どうぞ、HMCとコラボしました、パンピスの森のDVDをお買い求め下さい。
めちゃくちゃ気に入っている作品です。
DVDでも面白いので、よろしくお願いいたします。


さてさて、劇団ぼるぼっちょでは、お伽噺のような物語をお届けすることが多いので、僕が読む本も、そういった類いの本が多くなっております。

で、神話や、昔話を読んでいて、なるほどなぁ、と思ったことがあったんですね。

神話や昔話は、人類が、まだ文字を持たない時代から存在しておりました。

なので、そのお話は、人が、口で語り、耳で聞く、という形で長年、伝承されてきたのです。

それが、現在、文字となり、読み物としても楽しめるようになったわけなのですが、この文字となった神話、昔話の中には、詩だったり、拍子をとった言葉だったりと、なんだか歌に通ずる書き方をしている箇所が、所々でてくるんですね。

神話や、昔話は、それはそれは長い年月、文字がない時から語り継がれてきた口承文芸ですから、語りだけで、その物語の面白さ、喜怒哀楽、情景などを伝えようとした場合、詩だったり、拍子をとった言葉だったり、つまりは、歌を入れた方が良い、と昔の人々は考えたのではないかと思ったのです。

どうなのでしょうか?

詩の部分が歌われていたのかは、知りません。

そこまで、ちゃんと調べてません。

ごめんなさい。

なので、想像でしかありませんが・・・

これは、ミュージカルで言うところの、歌の部分なのでは?と僕は思ったわけですね。

ミュージカルほど、歌の部分は出てきませんけど。

そんなことは、どうだっていいんです。

きっと、遥か昔から、歌っていたんだな、ってことだけで良いのです。

物語を伝える語り手によって、語り方は変わったでしょう。

聞き手の年齢や、集まった人数によっても、語り方は変わったでしょう。

果てしない年月、語り手によって語りが変わり、聞き手によっても語りが変わり、様々な形で語り継がれてきた物語の中に、詩だったり、拍子をとった言葉だったりがあるのです。

神話、昔話しは、人々にとって、哲学であり、道徳、歴史、教育、そして、楽しみだったそうです。

きっと、本当に楽しみだったと思うのです。

文字もない時代ですからね。

そりゃ、もう、当然、楽しませたいと思うのが人間ってもんでしょう。

僕らが、普段、誰かに、何らかの面白かった話、嬉しかった話、怖かった話などを伝えようとした場合も、歌うとまではいかないまでも、声の高い低いを使ったり、何かの、あるいは誰かのモノマネをしたり、擬音を入れたり、あえて淡々と喋ったりと、自然とそういうことをやるものです。

じゃぁ、その、何らかの話を、30人くらいの人を前に話してください、とか、毎週1回いろいろな地域に行って話してください、とか言われたら、どう話したらもっと良い感じに伝えられるのか考えるはずです。そしたら、ここを歌ってみようとか、リズムに乗せて話してみようとか思うかもしれません。

まぁ、つまるところ、そんなこんなで、遥か昔、神話の時代から、語りと共に歌を入れていたのだな、と僕は思ったわけです。あくまで、思っただけなのですが、歌があったと信じたいのです。今のように、きっちり音階があって、という歌ではないかもしれませんが・・・聞き手を楽しませるために、歌っていたんだ、と。

楽しませるために、歌というのは、とても必要で、有効な手段だったんだと。

なんなら、物語の数が、そんなに沢山はなかった時代、何度も同じ話を聞いて覚えてしまった聞き手達も、物語のある場面にさしかかったら、待ってましたと言わんばかりに語り手と一緒に歌ったり、拍子をとったり、踊ったり、そんなことをしたんじゃないかと、想像するのです。

人々は、物語の語りと共に、あたり前のように歌っていたはずです。はずなのです。

なので、ただただ、楽しませたいから、ミュージカルは歌うんだ、ということでいいじゃん、と僕はミュージカルが歌う事について、思い至りました。

もう、根源的なものですわ。

前々から、ふわっと、根源的なものさ、とは思っていたのですが、神話、昔話を読んでいて、腑に落ちました。

そういうことにしました。

ミュージカルは、なぜ歌うのかなんて、本当のところは、僕も分かってやしないのですから。

ちなみに、古事記にも、詩だったりはありますので、日本人だって、物語を語りながら歌っていたと思うのです。

旋律は、能、狂言、歌舞伎のような感じだったのでしょうか、それとも、民謡みたいな感じだったのでしょうか。

分かりませんが。

遥か昔からあったであろう、聞き手を楽しませる為の手法、それが歌だったのです。

だからミュージカルは歌うのです。

なんにも難しいことはありません。

楽しませるために歌う、それだけです。

それで良いと思いました。

楽しいませるっていうのは、あれですよ。色々なことを含めて、まるっと楽しませるって言ってるだけですからね。

ワイワイして楽しませるだけじゃいですからね。

はい。

僕は、そんなミュージカルが好きではあるのですが、苦手なところもあります。

もちろん歌で・・・

歌だから・・・

歌うゆえに・・・

しかも、2つは確実に・・・

楽しませるために歌うで良いじゃん、とか言っておきながら・・・

楽しめないところもあるのです。

そりゃそうですよ。

歌っていれば、必ず良くなる、なんてことにはならないですからね。

で、まず1つめの苦手なところは・・・1曲の尺が長い、です。

不思議なもので、レ・ミゼラブルなどの全編歌ものは、歌の長さが気にならないのですが(気にならないも何も、ずーっと歌なのですが・・・)、お芝居が基本にあって、歌が入るミュージカルだと、大抵の曲は、2番は歌わなくていいよ、って思ってしまいます。

これはね、芝居のテンポよりも、歌のテンポというのは、どうしたって遅くなってしまい、さらに、伝えられる情報量が減るので、観ていて、まったり、もったり感じてしまうからですね。
にもかかわらず、翻訳もの特徴なのかは分かりませんが、1番と2番の歌っている内容は、ほぼ同じっていうね。
もう、あなたの気持ちは分かったよ、次に進んでくれい、って思ってしまうのです。

もちろん、奏でる音楽、素敵な歌声、それによって引き出される大きな感情・・・聴いていたい気持ちはあるのですけど、それよりテンポ良く物語が進んでくれた方が、僕は楽しめるのですね。

なんらかの演出やら、華やかな踊りやら、物凄いエネルギーやらで見応えがあれば、尺が長くとも、同じ内容を2番で歌っていても楽しめたりします。


そして、2つめの苦手なところは・・・歌詞が、めちゃめちゃ詩の歌、です。

あぁ・・・神話の時代から、物語には詩がつきものなのに、詩の歌が苦手だなんて・・・。

これはですね、詩の歌って、凄く集中して聴かないと歌詞が頭に入ってこないという僕に問題があるのですが、なんとなく内容を受け取ったら、もう、その後は、ぼーっと聴いてしまうことが多いんですね。

台詞の歌とかだと、ちゃんと聴いていられるんですけどね。

詩だと、台詞のやりとりでは出てこない言葉、星空だったり、海だったり、鳥だったり、そういったのが出てくるんですよ。心情を、比喩を交えながら歌う。そうなると、物語への、登場人物への興味が急に減ってしまうのですね、僕の場合。

台詞としての言葉で歌ってくれい、って思うのです。

しかし、ミュージカルの名曲で歌い継がれているのは、詩で書かれた曲が多いんですよねぇ。

そういう、劇の要になる名曲やらは、あえて詩にしているんでしょうけど。

やっぱり、詩ってね、世界観を広げられる力を持っているし、それだけを切り取っても成立するよう書かれているから、ライブなんかで歌いやすいし、やっぱり歌いたくなるし、なんやかんやで共感できる部分を見つけられたりもするから、分かるんですけどねぇ・・・でも、本編中に出てくると苦手なのです。

そういった、僕が苦手、という理由から、劇団ぼるぼっちょの歌は、まず短いです。

ソロ曲は、ほとんど1番で終わります。

2番まである曲は、2人以上で歌っていて、長くても2分ちょいで終わるよう心掛けております。そして、基本、歌詞が台詞になっているので、同じことは繰り返しません。

そうなっていない長い曲は、そうした方がお客さんが喜ぶかな、楽しめるかな、っていうのを考え入れたりしております。

そして、詩的な歌詞の歌、ほぼありません。

僕、詩、書くの、めちゃくちゃ苦手です。

 

詩にも色々あるでしょうが、詩を書ける人は、本当に凄いと思います。
いつの日にか、書けないし書かない、ではなく、書けるけど書かない、に成長したいものです。

まぁ、僕は、こんな想いがあって作品を創っているので、ミュージカルが嫌いだったり、苦手だったりする人に、どこが、どうして、駄目なのかを細かく聞いてみたいですね。

ぼるぼっちょ的には、そこに、良い作品創りのヒントがあるかもしれません。

歌や音楽、踊りの力は凄いのでね、ミュージカルが嫌いな人、苦手な人にも好きになってもらえる可能性を、もっと探りたいのです。



・・・という事で、長々と綴りましたが、遥か昔から、聞き手を楽しませるために、語りと共に歌(と踊り、とはいかないまでも身振り手振りとか・・・?)を織り交ぜたのが、今、時を経て、ミュージカルとなっているんだと思ったということですね。

名作ミュージカルは、やはり、良く出来ているし、ブロードウェイで上演された作品は、めちゃくちゃ試行錯誤を重て創られているので、モダン・ミリー、楽しみです。

是非、観に来て下さいね。

4月から、日比谷のシアタークリエで上演しますので。


ミュージカルが、嫌いな方、苦手な方も、歌うことに深い意味はないし、ただただ楽しんでもらうために歌があるだけですので、気軽に、とりあえず観に来てくれたら嬉しいです。

気軽に何本か観てくれたら、きっと好きになると思うのです。

気軽には観に行けないチケット代なんですけどね・・・。

ではでは、皆さんと、ワクワク、楽しい時間を共に過ごせるよう頑張りますので、本年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。