魚をモチーフにした「口」がある特異な外観で、その口を開けて音声を流す「おしゃべり列車」として人気を集めたJR西日本のジョイフルトレイン「リゾートサルーン・フェスタ」。晩年は帯色などが変わり、登場時とはやや異なる姿で活躍しました。

 

 

引退後に展示された「フェスタ」。晩年は車体側面の「波」を表現した帯の一つが濃い青色に、ライトリムが車体同色に変わりました=下関車両センター(現下関総合車両所)、2003年

 

 

 

キロ59系「リゾートサルーン・フェスタ」は、キハ58系を改造して1988(昭和63)年に登場。当初は明るい帯色のとても爽やかな印象でしたが、青色の帯が濃くなった晩年の姿は引き締まり、落ち着きを感じました。

 

一方で、前面窓の左右にあるライトの周囲は車体色と同色になり、ちょっと二重まぶたというか、帯色とは逆に眠たい印象を受けました。

 

 

 

デビューした頃の「フェスタ」。帯色やライトリムの配色が晩年と異なっているのが分かります=津和野、1988年

 

 

 

「リゾートサルーン・フェスタ」は2001年に最終運行を迎えました。実働13年と、同じJR西日本広島支社のジョイフルトレインで国鉄時代から走っていた「ふれあいパル」に比べるとやや短命でした。

 

外観上の売りだった「口」や「おしゃべり」は楽しい機構でしたが、メンテナンス面では余計な装備だったように思えますし、景気の後退や社会の変化も影響したかもしれません。

 

 

2000年に小郡(現新山口)駅前を歩いていた時、小郡運転区(現下関総合車両所新山口支所)を眺めると、一番奥に「フェスタ」が入庫していました

 

 

 

「リゾートサルーン・フェスタ」は廃車後、タイへの譲渡が検討されていて、長く下関車両センター(現下関総合車両所)に留置されていました。

 

結局破談になったようで解体されてしまいましたが、沿線では鉄道ファン以外からも人気を集めました。活躍期間の割には今でも存在感があり、もう少し見たり乗ったりしたかった車両でした。

 

 

 

 

※姉妹ブログ「歴鉄2番線」では「フェスタ」登場時のことをまとめています