皐月
                                            明美の月

うちのお店、基本的に皐月(さつき)は扱ってませんでした。
なぜならさつきはまるでど素人。
恥ずかしながら、さっぱりわからないからです。

でも不思議なことにお客さんにプロ級の上手が何人かいるのです。
用土や肥料を求めにみえた方のほか、
私の’春嘉’鉢を求めてみえ、知り合ったお客さんなんかもいます。

そんな訳でちょっと色気を出して、
さつきなんかも扱ってみよーかなんて思ったんですが、、、
やはり難しい。

最初に仕入れたのは中品サイズの晃山。
太幹のよくできた木で、一万円也。
随分安いと思って買ったんだけど、「高すぎる。」との評。
松もかなり値崩れしたけど、さつきはどうもそれ以上らしい。
(まるで倒産しそうな会社の株価みたいだね。)
「買うなら小品サイズ、種類も大事だ。」とのアドバイス。

そして、今回の仕入れです。
この一本は写真どりのため自宅のほうに持ち帰ったんだけど、
残りの姉妹品はそのまま店頭へ。
なんと、あっというまに完売。
「どうだ!」と思ったら、、、

「俺、こういうの嫌い。たちの悪い木だね。握ってあるよ。
これならまだ前回のほうがいいよ。」との評。

’握る’っていうのは
細い苗木を何本か束ねて太らせ、一本の木にしちゃうこと。
楓なんかではよく見る手法で、そう言われてみれば確かに、、、
(楓でこんな木姿したやつよく見るよね。
さつきでもこんなことするとは知らんかったー。)

きのう買ってくれたお客さんの中にも気づいていたひともいるかも知れません。
気にするひともいれば、気にしないひともいるみたいだから、、、
でも、仕入れる段階で気づかなくっちゃ、商売(プロ)なんだから。
まだまだ、勉強が足らないみたいです。