私の曽祖父は「大映」という映画会社のワンマン経営者でした。

他にもプロ野球球団を所有したり、ダービー馬を所有したり・・・、

“賛否両論”な独特なキャラクターの持ち主でもありました。


そんな曽祖父が自身の

「成功」と「失敗」

について語ったことがあります。



その「成功の理由」と「倒産の理由」は今の私に

多大なる影響をもたらしております。




おじいちゃんは戦争中に映画を観ている国民の皆さんが

暗い背景とは別に“笑顔”になっている姿を見て、

この唯一の娯楽を大切にしたと思ったそうです。


詳細の時代背景は割愛しますが、

そこから昭和40年代前半までが曽祖父の全盛期となります。


印象的なポイントは、


「人々を笑顔で満たすために貢献しようということだけで、仕事を頑張っている時は

どんどん会社は成長していき、個人的にも資産家になっていった」


「しかしその増えていく資産、大きくなる会社をもっと“儲けよう”“守ろう”、

そしてどう“政治力を持とう”と考え出してたった10年で倒産した」


と言う言葉です。


「だから乙は(私の呼び名)人を笑顔にする仕事をしなさい」


と言われ続けました。


実際には時代の変化への対応ができなかったこと、

ワンマン経営の問題など多々要因はあったと思いますが、

経営者のマインドはやはり大きな要因となりえます。


「何のために働くのか」


という問いの重要性を感じます。


曽祖父は「大映」の倒産後に、「永田雅一プロダクション」を再度設立し、

晩年に4本の映画を残しております。


倒産を経験し、自分を見つめ直し、

純粋な想いで撮った4本の映画です。


それが作品に表れるかどうかは別にしても、

「君よ憤怒の河を渡れ」

など、今も映画ファンに愛される4本であったことは

間違いありません。


私は身近な「お手本」「目標」「反面教師」・・・、

が居たわけなので、活かさないわけにはいきません。


曽祖父の「成功の理由」「倒産の理由」。

私にとって大切な教科書です。