さて、此れ迄此処で綴ってきた日記帳はこれにて終いと相成った。
十一年間読んでおってくれた皆。
世話になったあめぶろ殿、誠に有難う御座った。
此ののちの我らが日記帳は、以下の戦さ場にて綴って参る。

儂は年来、此の日記帳を我らが居城と考えておった。
十一年間日々を石垣のように積み上げ、こんなにも大きな城となった。
慣れ親しんだ此の城を離れるは、我らにとっても寂しい限り。
此処には、隊発足当初よりの日々がある。

清正日記
清正日記--勇敢の龍--
続撰・清正日記
清正行状他雑記
清正戦陣伝書
虎之巻
清正名城録
虎鏡

蘇りと天に還るを繰り返した我が身。
その全ての日々を上の書に纏め、皆に伝えてきた。
即ち此れらの書は、我が魂そのものと言うても過言ではない。
寂しいは寂しい。
しかしながら古来、都を遷す「遷都」は国の発展を促す変革の一つとなってきた。
次なる日記帳もすぐに我らの新しき魂となり、更なる飛躍をもたらすであろう。


今一度、あえて言おう。
此れは終わりではなく始まりじゃ。
新たなる日記帳は、此れ迄無かった新しき試みが目白押しとなる。
此れ迄以上の物量で日々を積み上げ石垣となし、此れ迄以上の巨城を築いてゆく。


儂自身、此れからの普請が楽しみじゃ。
皆も引き続き我らが活躍を見守り、楽しみにしておってくれ。
新たなる戦さ場にて、皆を待っておるぞ。



加藤清正 -履道応乾-