iモードの10年からスマートフォンの10年へ


猛スピードで成長を続けてきた携帯電話の市場が低迷を続けている。100%に近い普及率で市場が飽和しつつあるのも事実だ。あるいはインセンティブの端末価格への反映を止めて2年縛りの販売方法を導入したことによる買い替えサイクルの変化が原因だとも言われている。販売数量の低迷の半面、携帯電話は私達の生活に確実に浸透し、モバイルコンテンツビジネスやモバイル広告の市場はますます拡大を続けている。21世紀にはいっての10年の携帯電話を取り巻く環境の変化は私達のコミニケーションスタイルを変えつつあるといっても過言ではありません。10年一昔と言いますが携帯電話の世界にiモードが誕生して10年が経過した。NTTドコモが先陣を切ったiモードは、携帯電話を単なる音声通話の道具から、電子メールの送受信やインターネット上のウエブコンテンツの閲覧ができるネットデバイスに変革した。それはまさに革新的なビジネスモデルだったと言えます。iモードの登場で携帯電話は「ケータイ」と呼ばれるものに生まれ変わったのだともいえます。おそらく情報通信の世界にこの10年で起きた最大の事件であったといっても過言ではありません。しかし10年たった今iモードの世界が色あせて見えるのはどうしてなんでしょう?iモードが構築してきた世界にほころびが生じていることは間違いありません。たとえば携帯電話の世界にgoogleなどの「検索エンジン」世界が持ち込まれたことによって「公式サイト」の世界だけが携帯電話で閲覧できるウエブサイトではなくなってしまった。iモードはNTTドコモに認可されたコンテンツプロバイダーによって多彩なウエブサービスが提供される世界を構築し、これを公式サイトと呼んだ。有料コンテンツの課金についてもコンテンツプロバイダーに代わってNTTドコモが電話料金の徴収に合わせて代行してくれることから、コンテンツプロバイダーは、課金システムに悩むことなくビジネスを広げていくことができた。しかしこの公式サイトはあくまでもNTTドコモに承認管理されたサイトとしてセキュリティーやコンテンツの質を求められることから公序良俗に反することはないものの、新しいチャレンジがこの世界からは生まれにくくなってしまったのも事実だと思う。iモード網外のインターネットに存在しているCompact HTMLのウエブページを勝手サイトと呼んだが、勝手サイトという言葉が死語になるほど、googleなどの検索エンジンが公式サイトと勝手サイトの垣根を壊してしまった。日本の携帯電話は世界に通用しない独自の「ガラパゴス」展開をしている。いやそうではなく携帯電話に代表される小型電子機器は日本が世界の先頭を走っているのだ。といった議論がある。この議論に答えを出す見識は私にはないけれども、日本の一携帯ユーザーとしてはやはり使いたいと思わせてくれるような海外製の携帯はなかった思う。海外の人が使っている携帯を見せてもらってもプアーな印象しか持てなかった。1999年2月のiモードサービスのスタートに始まる「ケータイ」の進化をなぞってみれば感じるものがあるだろう。



■カメラ搭載→写メという言葉が生まれる。携帯のパーソナルな使用に弾みがついた。

iアプリサービス→多機能化が進む。ゲームアプリなどがあとから追加して利用できる。

QRコード読み取り→広告メディアなどとの連携プレーが実現。

■GPS搭載→位置情報の取り込み。

■3G→コンテンツのリッチ化。

■定額制→リッチコンテンツの利用拡大。

■お財布ケータイ→生活インフラ化。電子マネー・電子クーポン。

■ワンセグ放送対応→TVのモバイル化。

■3.5G→動画配信ビジネス。

■スーパー3G/ウルトラ3Gさらに4Gへ。