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日本統治時代のとらえ方、台湾と韓国の歴史観の差
受信料不払いのススメ。工作員を内部に抱えるNHKの偏向報道~西村幸祐氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41960


マット安川 今回はゲストに評論家・西村幸祐さんを迎え、日本のメディアが抱える問題点や、特に話題の朝日新聞誤報問題やNHK偏向報道疑惑、これらの国外に対する影響力など広く現状をお伺いしました。

『JAPANデビュー』訴訟でNHKの罪が裁かれる日は近い

西村 幸祐(にしむら・こうゆう)氏
ジャーナリスト、作家。音楽雑誌編集などを経て、主にスポーツをテーマに作家、ジャーナリストとしての活動を開始。2002年の日韓ワールドカップ取材以降は拉致問題や歴史問題などに関する執筆活動を行い、2011年4月『JAPANISM』を創刊。『幻の黄金時代 オンリーイエスタデイ'80s』(祥伝社刊)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

西村 今年、衆議院の総務委員会で三宅博さんという議員が、NHKに外国人の職員は何人いるのかと質問しました。NHKは答えられなかったんですが、じっさい外国からの影響力を強く受けているのは間違いないでしょう。

 例えば、中国中央電視台の日本支局はNHKの中にあります。外国メディアとの業務提携、相互乗り入れはよくあることですが、あそこはプロパガンダ機関ですよ。中国共産党が支配する全体主義国家である中国のメディアなんですから、特派員はほとんど工作員と言っていい。

 カナダにチャイナデイリーという、やっぱり中国共産党がやっている英文のメディアがあります。そこの記者と新華社の記者が、カナダの首相をスパイしていると起訴されました。

 カナダの場合、そうやって起訴できるからいいんですけど、日本にはまだスパイ防止法がありません。特定秘密保護法が今年施行されるとはいえ、まだザルみたいな状態だけにNHKの現状は危険です。

 そんな中で彼らはひどい番組を作っています。いい例が5年前に放映された「NHKスペシャル シリーズ『JAPANデビュー』」です。第1回のテーマは日本は台湾をどのように統治したかということですが、非常に過酷な植民地統治を行ったという内容になっている。

 これに視聴者から怒りが噴出して、1万人を超える日本人と台湾人が集団訴訟を起こす事態になりました。しかも2審の東京高裁は原告敗訴の1審判決を破棄して、NHKに損害賠償を命じる逆転判決を出したんです。

 NHKは上告していますがおそらく棄却されると思います。そうなれば今まで裁判に負けたことのなかったNHKの罪が確定する。これほどの大問題をほとんどの人が知らないのは嘆かわしいことです。

「ニュースウォッチ9」は韓国の言論弾圧を容認した?

 産経新聞の前ソウル支局長が起訴された一件で引っかかったのは、NHKの看板番組、ニュースウォッチ9の報道です。スポーツニュースに変わる直前、21時40分か45分ぐらいに、キャスターが今入ったニュースとして事実関係だけを伝えて、それで終わりでした。

 だいたい「今入った」というのはウソです。共同通信が第一報を配信したのは20時20分ぐらいですし、産経新聞は同36分ごろにはかなり長い原稿を配信しています。

 ニュースウォッチ9は一応報道番組のはずでしょう。なのに意図的に情報を封殺している。さすがに一応事実だけは伝えましたが、何も論評を加えませんでした。NHKのほかの番組がどういう報道をしたかは知りませんが、少なくともニュースウォッチ9は韓国の言論弾圧を容認したに等しいでしょう。

 電波メディアの報道は活字メディアと違って後で検証しにくい上に、受け手の多くは「ながら視聴」です。そこに記号のような決まり文句を刷り込むというところに、テレビの危うさはあります。

 例えば日本の首相が靖国神社に参拝したというニュースなら、必ず、中国、韓国の反発は必至でしょうというフレーズがつきます。ニュース原稿を書くほうは特に意味もなく慣用句としてそれを書き、見るほうはそういうものかと聞き流す。

 そのうち、中韓に反発されるようなことをやってるんだという意識になってしまいます。NHKの場合は特に、ただでさえ安心感、信頼感があるから始末が悪いんです。

みんなで戦えば怖くない。受信料不払いで共闘しよう

 例えば在外の日本人、日系人のための番組作り、あるいは日本の文化などを海外に発信することは必要で、公共放送の一番の価値はそこにあります。

 しかしNHKの場合、そういう部分でおろそかにしていることが多すぎる。拉致問題も慰安婦問題についても、海外向けの情報発信をなにひとつやっていません。アメリカに慰安婦像が建ったときだって、取材もしていないんですから。

 そんなNHKは解体すべきで、そのためには国民が声を上げる必要があります。手っ取り早いのは受信料を払わないことです。

 受信料を払わないせいで裁判になったら面倒だと思う方もいるでしょうが、みんなと一緒に戦えばいいんです。ちゃんと弁護士がついているそういうグループがあります。

 一連の訴訟の中で、先日は受信料支払いの時効が短くなるという画期的な判決が出ました。「NHKカットフィルタ」という面白い発明をした人もいます。彼は僕の友だちで筑波大学の若い研究者なんですが、それを使うとNHKだけが見られなくなる。そういう装置をつけているんだから受信料を払うことはないだろうと主張できるわけです。

 こういうものがもっと話題に上るようになってきたら、NHKも考えざるをえないでしょう。

朝日新聞の狙いは慰安婦報道の「部分肯定」にあり

 朝日新聞が例の発表をした意図は、いわば本土決戦に備えて最終防衛ラインを引くことにあります。つまり吉田清治という詐欺師をいけにえにして断罪することで、あとの慰安婦報道はすべて正しかったものにしてしまおうという戦略です。

 従軍慰安婦という強制的に連れていかれた人はいなかったけれど、慰安婦はいたんだという、当たり前のことをわざわざ再定義して、だから日本は悪いことをした・・・。そう話をすり替えてそこに居直ろうとしています。

 そんなことは十何年前に分かりきったことで、実にくだらない話です。それよりも今一番の問題は、米国やオーストラリアで暮らしている日本人、日系人が危険な目に遭ったり嫌がらせを受けたりしていることでしょう。

 日本政府もNHKも朝日新聞も、そういうことに対してまじめに動くべきなんです。

日本統治時代の甲子園出場を誇りに思う台湾、思わない韓国

 今年2月、台湾で公開されて大ヒットした「KANO」という映画が、来年、日本でも公開されます。

 1931年、台湾の嘉義農林学校が夏の甲子園(全国中等学校優勝野球大会)に出場して、決勝まで勝ち進んだ実話に基づく作品です。

 当時、台湾から甲子園に出てくる学校は、選手のほとんどが日本人でした。ところが嘉義農林は日本人もいるけれど台湾人も、先住民族の高砂族もいっぱいいる完全な混成チームだった。

 それが甲子園に出て決勝まで行ったのは注目すべきことで、だからこそ映画になって大ヒットしたわけです。

 ここで僕が言いたいのは、台湾と韓国がいかに違うかということです。

 台湾は50年、朝鮮半島は35年という違いはありますが、両方とも日本の統治を受けました。朝鮮半島の学校も甲子園に出場しています。しかし、韓国では当時を回想したドラマも映画も、ひとつとして作られていません。

 片や台湾の人々は、今も誇りに思っている。その決定的な違いに気付くべきだと思います。