こんにちは、始めまして!2014年度新卒入社の安田と申します。
現在は株式会社GOODROIDにて、主にカジュアルゲームのデザイナーをしております。

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昨今、AppStoreのランキングの上位を見ても、リッチなゲームに負けないくらい、カジュアルゲームの姿が見受けられます。
いざダウンロードしてみると、ちょっと笑えるものからドンずべりしているもの開発者の正気を疑うものまで…

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『ちちねこぐらし』 開発者の正気を疑う例

今回はそのカジュアルゲーム開発の特徴を、CyberAgentグループでも特に異色な、GOODROIDの開発スタイルになぞってご紹介したいと思います。

短期間・少人数で作る!!

・基本的にプランナー・デザイナー・エンジニアの3人
 案件の規模にもよりますが、考えうる最小限の人数で開発しています。

・GOODROIDでは一人のデザイナーが2つの案件を並行して担当
 複数の企画で頭がこんがらがることも多々あります。

・理想の開発期間は、めざせ1.5ヶ月
 こちらも規模によりますが、サッと作ってサッと出すことが求められます。

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『まいにちJump』は1.5ヶ月で完成しました。ちなみに昨日リリース、みんな遊んでね!

目に見える部分、すべて俺が作る!

普通の現場では、イラストレーター・デザイナー・アニメーター、といったようにそれぞれ分業されていますが、カジュアルゲームのデザイナーの理想は、その全てを一人ですることです。そんなカジュアルゲームの開発の流れをご紹介します。

①プランナーといっしょに、企画の世界観やテイストを決定する。
 時には自分が描いたキャラ発進で企画がスタートすることも。

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『ウチのあざらしちゃん』 キャラクターのラフと完成案。可愛くなってよかったね!


②アプリの拡散性や広告収益を考えつつ、世界観に合わせたUIを制作する
 ユーザーのSNSでの拡散が最重要!もやしはそれで、ノンプロモでも日本や台湾でバイラルしました。広告はバナー広告、インタースティシャル広告、動画広告などが主なものになります。

③エディタ(弊社ではcocosStudio)を使いUI・アニメーションを組み立てる
 アプリの完成図を頭の中で想像しながら、エンジニアが組み込むことも考えて素材を制作していきます。このゲームを作るにはどういう素材・動きが必要かを考えながら作ります。
 それが完成したら、下記のようなエンジニアに向けたデザインの仕様書をつくります。

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『まいにちJump』デザイン仕様書 こうしてエンジニアを手玉にとります。


④開発が終盤に差し掛かるとアイコンやストア画像、プロモーション用の画像や動画を制作。
 ストア周りの画像は直接DL数につながる超重要なところ。リッチなゲームと違い、ターゲットに一目でカジュアルゲームだと分かるようシンプルにつくる必要があります。

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『まいにちJump』ストア画像 1枚目を見て、すぐにどんなゲームか想像できることが重要


☆なんなら自分でモックもつくるでー
 デザイナーでもプログラミングを少しかじれば、実機でメインゲーム部分が遊べるモックを素早く制作し、開発を円滑に進めることができます。

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デザイナーが作ったモックのコードを参考にエンジニアに制作してもらう稀有な例。
でしゃばりすぎには注意しましょう

カジュアルゲーム開発には、こんなイイところが!!

人によって合う合わないが激しく分かれそうな、カジュアルゲーム開発。
『ゲームを作る』こと自体に興味があるひとは、非常に向いていると思います。

カジュアルゲーム開発のメリット
・このアプリ、全部俺が作ったで!!って言える。
・逆に言えば、クリエイティブは全て自分の責任!
・ゲーム制作に必要な全てのスキルが満遍なくつく。
・短いスパンで様々なテイストを制作できる
 ちなみに私が入社後1年半で関わった新規案件は6本!
・マーケティングにも関われる
 普段あまりデザイナーが関われない、お金の流れがわかる。
・この部分がヒットした、この部分がダメだった、など、SNSやレビュー欄からユーザーの生の声が返ってくる。

デメリットもあるよ
・一つの技術を集中して高めたいひとには向かない。
・基本的にシンプルなゲームループになったり、ユルい系・シュール系のデザインになってくる。
こんなもんを作ってて俺は大丈夫なのか…と人生の不安と戦いながら生きていかねばならないことも。

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最後に!!

さてさて、これだけつらつら書いてきて、

『でもウチの部署、規模が大きいからエフェクトしか作る余裕ないょ・・』
『やってみたいけど、アニメーションとか作ったことないから無理だょ・・』

そんな人は、お家で自分で作ればいいじゃないですか。幸いネットに情報はゴロゴロ転がっています。そしてまったく自分がやってこなかった技術に関わってみるのは、クリエイターにとって良い影響になります。

私のように休日に趣味でひとり寂しくゲームをつくりましょう…

楽しく勉強でき、どれだけ自分に力がついたか試せるし、逆にそれが実務に活かされている部分もかなりあります。

個人的には、デザイナーが、ただデザインだけをする時代はとっくに終わったと思っています。
世の中には個人でカジュアルゲームを作って大ヒット、億万長者になる人もいます。

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そんな夢を見てあなたもカジュアルゲームを作ってみませんか??


GOODROIDデザイナー
安田 将(@sho_yasu)