アメーバピグでフロントエンジニアをしております松永と申します。

今回は12月8日に開催となりました『UXなまトーク Vol.3』について

レポートさせて頂きます。

盛り上がったパネルディスカッション 写真左から、小川卓さん / ヤフー株式会社 瀧知惠美さん / 株式会社サイバーエージェント 水野 寛さん / 株式会社アイ・エム・ジェイ 佐藤哲さん
『UXなまトーク』はUXについて現場のなまの声をトークするというイベントです。第3回となる今回は【定量と定性の交差点】というテーマです。


どのような考えがあり、実際に現場で起きたことをどのように解決したかなどをそれぞれの立場からトークしていただきました。

当日はいろいろな職種の方がたくさん集まって、熱気で会場が包まれていました。

それでは、各登壇者の”なまトーク”をご紹介いたします。

『ネットアンケートから定性的データを引き出し質的分析をする取り組みについて 無意識インサイト調査®と行動文脈リサーチの実践例』

株式会社アイ・エム・ジェイ 佐藤哲さん


定量と定性の融合と定量側と定性側の協調について発表していただきました。

実際に案件で発生したものをフィクション化しストーリーテリング的に発表されていたので、臨場感溢れる発表でした。
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人間の脳は95%が潜在意識といわれており、意思決定はそれらに影響される。

そのため、本質ニーズを得るための手法として略画法や状況設定、擬人化法を使いアンケート設問を設計していくと効果的である。

そのようなアンケート設問の自由回答から得た情報にこそ、人の心に関する文脈が入っている。

ワークショップ形式で文脈を読み取りながら質的分析をすることで、情報の深掘りが可能になる。

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定量調査で事実確認し、定性調査で情報を深掘っていくことで、定量と定性、お互いが補完し合い、良い相乗効果を生んでいる実例でした。

私自身、担当サービスのアンケートとも向き合うことがあり、その際に本質的なニーズはなかなか得にくいという体験をしていたので、大変参考になりました。


『ピグのユーザ体験を 定量/定性で捉える方法』

株式会社サイバーエージェント 水野 寛さん





現在ピグ事業部全体のUX改善に努め、私も共に仕事をしている弊社、水野の発表です。

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今年で7年目を迎えるピグには外部環境の変化にあわせた変化が求められ、利用者の本質的ニーズに応えるべく、分析とUXD推進のタスクフォースチームが結成される。

定量と定性それぞれの限界を理解したうえで使い分けている。

事業目線で既存から棚卸しをして作成したコンセプトダイアグラムと、ユーザー体験から仮説を発見し、固定概念を超えるために作成したカスタマージャーニーマップ。
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私自身、発表の中にあったUXD推進室に参加しており、水野とは日々仕事をしております。
現在ピグ事業部は1人1人がUXに向き合い、常にユーザー中心にモノづくりをしていくという姿勢が浸透しています。

定量・定性の違いという視点から、具体的にピグで行われているUXアプローチを詳しく紹介いただきました。


『チームビルディングから始めよう!~UXデザイナーの定量×定性への取り組み方~』

ヤフー株式会社 瀧知惠美さん






UXデザインの考え方を自身のプロジェクトで活用しようとした際、問題が発生することがあります。
そうした問題の解決方法、1人でも実行できるUXデザインの方法、UXデザイナーの定量への意識、定量と定性のアプローチ方法を発表していただきました。

これからUXデザインを活用しようという場面においてもとても参考になる内容でした。

UXデザインを活用しようとするときに、UXデザインの進め方は不確定要素が多かったり時間がかかるので、プロジェクトメンバーの理解を得ることに苦労をするという話は色々なところで耳にします。
発表の中にあった具体的な反対意見に対する解決方法の紹介などは、とても参考になりました。
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UXデザイナーはメンバーの気持ちも汲み取ってファシリテートしていく。
なぜならば、メンバーもある意味”ユーザー”と捉えられるので、メンバーに対しても”ユーザー”視点で望む。

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常にそういった視点を意識していくことで色々と円滑に進められることも多いと思いました。
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定量だけでは解決方法が絞れず、定性だけではどこが重要かわからない。それぞれを補間し合い、実際に瀧さんの現場では、UXアナリストとUXストラテジストがコラボレーションをして進めている。
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実際の現場のお話も聞けて大変興味深いお話でした。


『ユーザーを理解できない「アクセス解析指標」や「KPI」からの脱却! ユーザーエクスペリエンスに基づいた指標設計と改善の考え方』

小川卓さん



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様々な指標があるが数字としてそれらを達成することが重要なのではなく、大切なことはユーザーの想いや行動が変わることである。

コンセプトダイアグラムを作り、ユーザーの行動や態度変容を可視化する。
これまでのような、直帰率や数だけを断片的に追っていては見えない行動の流れが見えてくる。
作成の際には、企業目線は絶対に持ち込まない、作って終わりではなく計測することが重要である。

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実際に開催してきたワークショップの様子、その時作成された最終アウトプットなども紹介していただきました。
実際に多くの企業が実践し、それによって沢山の気づきを得ている事実を知り、こういった視点や手法がとても重要であることを再認識しました。

コンセプトダイアグラムの具体的な作成例や、コンセプトダイアグラム作成後に施策まで落としこむ流れなど、他にも非常に勉強になることばかりでした。

様々な指標を分析していくと、数字のみにフォーカスしてしまうことがあると思います。
常にユーザーの気持ちを理解しながら分析し、ユーザーにとって正しい順番で正しい情報を提供していくことの重要性を学ばせていただきました。


おわりに

今回もたくさんの方にご来場いただき、UXに対する関心が高まっていることを感じました。
実際に現場で活躍されている登壇者の方々によるトークとパネルディスカッションはすぐにでも実践できることも多く、とても参考になりました。

今回のテーマでもあった定量と定性についても、それぞれ良い部分も限界もあり、それらをお互い補間しあって、目的であるUXの向上を図っていくことがとても重要であると感じました。

サービスを使ってくれる人の体験を最高のものにするという最も当たり前に目指すべき目標を達成できるように今回の学びを活かしていきたいと思います。

今回ご参加頂けなかった方も、是非次回の「UXなまトーク」へご参加ください!



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