令月にして気淑く風和ぎ | A Day in the Life

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気ままな絵筆

このひと月前までは暖房を入れる時もあったのですが、早いものでもう”立夏”を過ぎてしまいました。今年度は実習課程を取るつもりで専攻の科目をいつもの半分にしていたのですが、実習課程の選考に漏れてしまってすっかり時間に余裕ができ、いろいろと余暇の使い方を考えていましたら、今度はコロナの第4派の到来、予測不能なループから抜け出せるのはまだまだ先のようです。

 

 

 

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すこし暦を巻き戻して、まだ先行きが明るかった4月下旬、九博の企画展が始まったので、GWの密を避けてオープニング翌日に出かけました。100点を超える正倉院宝物のレプリカは技巧本位でも価値のあるものですが、制作の過程の新たな発見や学説の検証、リプロダクションと形式知などによる人的な広がりを考えれば、素晴らしい未来への投資とも云えそうです。勿論、オリジナルへの興味関心は特別なもので、いつかは正倉院展へとの思いも募ります。

 

 

 

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菅原道真も聴いた梵鐘の音は「こちら」。

 

 

 

常設展も模様替えをしていて、ハンズフリーはまだ無理でしたが、撮影はかなり緩和されて、昨年の特集展示ではNGだった国内最古の「観音寺梵鐘」が撮影OKになっていました。まだ展示されていることにも驚き。

 

 

 

 

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天平勝宝5年(753年)12月26日、太宰府を訪れた鑑真が観世音寺の境内地で初の授戒。

 

 

 

博物館の帰りに寄った「観音寺」は、源氏物語の玉鬘(たまかずら)の巻にも登場しますが、その隣の「戒壇院」は、奈良東大寺、下野(栃木)薬師寺と並ぶ日本三戒壇。

 

 

 

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大宰府政庁跡のとなりに佇む坂本八幡宮には大伴旅人の歌碑も。

 

 

 

大宰府政庁跡を挟んだ西側には”令和”の由緒となった坂本八幡宮があり、梅の歌の碑がありました。個人的な感想ですが、「万葉集」が勅選でないだけに大伴旅人や山上憶良の歌の心が素直に響いてくるようで、「本当にいいなぁ」と思います。

 

 

 

 

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万葉の歌心を現代に引き寄せた”令和”

 

 

 

そして、明治の岡倉天心が、「大宰府の地に国立博物館が必要だ」と、説いた意義もよく理解できます。

 

 

 

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一番新しい国立博物館のデザインは、野鳥にとっては受難になったり。

 

 

 

GWは、専攻の中間レポートやらWeb指導に費やして、後半の面接授業の準備をしていたら「コロナの第4波」が宣言されて、間を置かず「面接」から「Zoom」へ振り替えの通知があり、感染者数は指数関数的に上昇、「緊急事態宣言」を国に要請するとのこと。

 

 

 

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引き籠りの憂さ晴らしは自家製面。

 

 

 

当分は引きこもりの生活が続きそうなので、悪しき考えなのですが、来月予定していたレポート作成用のフィールドワークを「宣言発動」までの間に前倒し、GW後なので密は避けられそうとの期待もあったのですが、果たして期待どおりでした。

 

 

 

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山形のそば粉は手強くて、細打ちを許してくれませんでしたが味わいはGood!

 

 

 

博物館講座を受講して「企業博物館」の設置の目的や期待される効果などが未整理で、これをテーマにした博物館実習の応募レポートを考えていましたが、その教科書のようなミュージアムが北九州市にありました。

 

 

 

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ユニバーサルデザインのとなりはユーザビリティのアピール。

 

 

 

国内の衛生陶器のシェアは三社で占めているそうですが、その最大手のTOTO株式会社が運営する「TOTOミュージアム」で、コロナ過の対策で管内ガイドは利用できませんでしたが、運よくスタッフの方と話す機会があり、このフィールドワークで国公立・大学・民営博物館とのデマケやメセナ活動とのバウンダリーの整理ができそうです。

 

 

 

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建築の意匠としても見るべきものがあり、日本展示学会の学会賞・作品賞を受賞。

 

 

 

一昨年の暮れ、武漢の感染症流行と同時期に始めたスコッチトレイルも3年目に入って、100ヶ所近い蒸留所の役半分を巡りました。

 

 

 

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Caledoniaのラベルはスコットランド旗のデザイン。やはり独立の気概が表れています。

 

 

 

その日の体調や気分でも味わいは変わりますが、樽の種類・容量、フェノール、麦芽・モルティング、蒸留、熟成、バッティング、濾過など幾つかの特徴をイメージする楽しさも覚えましたが、この二本はアイラとは異なる優しいピート感、ブランド名に使われたフォークソング「カレドニア」の素朴なイメージが相まって、ハイランドの個性として長く記憶に残りそうです。


 

 

カレドニアは英国北部の呼称で、独立問題で絶えず揺れていますが、この曲からも民衆の気概や誇りのようなものを感じさせてくれます。