調停結果のご報告 | 猫詐欺防止のために動き始めた人のブログ。

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川崎猫虐待虐殺事件(廣瀬勝海事件)被害者の一人であるみりんたらのブログです。
裁判終結まで事件の関連情報を掲載していきます。
リンク・転載大歓迎。承諾も不要です。いろんな人にこの事件について知らせてください。

長らくご無沙汰しておりましたが、このたび廣瀬本人との調停がまとまりましたので、そのご報告をしたいと思います。

今回私たち(と言っても4組5名という少人数でしたが。。。)は、民事訴訟ではなく調停という手段を選びました。
民事訴訟による訴えで請求できるのは基本的に金銭のみであり、その他の要求が相手に伝わる余地がほとんどないため、私たちの意図にはそぐわなかったためです。
(他の申立人の中には違った考えの人もいたかもしれませんが、このブログでは、基本的に私の考え、思いを伝えさせていただきたいと思います。)

私はまず第一に、廣瀬が少しは反省、後悔しているのかどうか、それが知りたいと思いました。
他の申立人からは、刑事裁判で明らかにならなかった、いまだ行方が分からない猫の行方について、覚えている限り白状して欲しいという要求もありました。
また、刑事裁判の法廷では、廣瀬本人とその家族から一言の謝罪もありませんでしたので、心から謝罪をしてほしいとも思いました。
ただ謝るだけでなく、何らかの形で、たとえば、少しずつでもよいので毎月賠償金を支払うなどして、誠意を見せてほしいとも考えました。
こういった要求に対する答えを民事訴訟で得ることはまずできませんので、考えた末、私は調停という手段に出ることにしたのです。

そのように弁護士にも相談したところ、
①たとえ民事訴訟を起こしても、おそらくこちら側の勝訴という形で裁判はすぐに終了してしまい、相手にたいしたダメージを与えることはできない
②訴訟に勝てば手元には金銭賠償を命ずる判決書が残るが、支払い能力のない人間から取り立てることはできないので、判決書にもたいした意味がない
等の理由から、訴訟ではなく調停でもよいのではという回答でしたので、先生のご協力を得て、調停の申し立てをするに至りました。

前置きが長くなりましたが、以下、調停で決まったこと等、問題ないと思われる範囲で記しておきたいと思います。

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■第一回目の調停(1月下旬)
事前のやりとりで分かったことですが、意外にも、廣瀬は法テラスを利用して弁護士を立てていました。
無視することもできたはずなので、私たちは多少の手ごたえを感じていました。

そして調停の当日、驚いたことに、廣瀬本人が出席していました。
と言っても、調停というものは、申立人と相手方が同席することがないシステムになっているそうで、私たちと廣瀬が顔を合わせることはありませんでした。
(弁護士と調停員を介して廣瀬と対話した形になります。)

私たちの要求に対して、廣瀬はまず、謝罪の手紙を書くと約束をしました。
行方不明の猫についても、覚えている限りのことを手紙の中に書くということでした。
金銭賠償にもできるだけ応じるが、支払える額については次の調停で伝えるということになりました。

廣瀬が弁護士を立て、さらに出席したことで、私たちは、それがあの男の反省の表れなのかとも思いました。
ところがその数日後、廣瀬は私たち申立人全員に、まったく同じ文面の謝罪文を送ってきました。
手書きではありましたが、すべて同じ文面です。
行方不明の猫についても一言も触れられていませんでした。
誠意などというものは、やはり持ち合わせていないようでした。

■第2回目の調停(2月下旬)
廣瀬は今回もやはり出席していました。
ただの暇つぶしなのか、早く片を付けたいと思っているのか、いろいろ考えることはできますが、どうして出てくるのか、本当の理由は誰にも分かりません。

手紙については、当時は混乱していたので個々の出来事について覚えていないので云々というお決まりの言い逃れをしてきました。
ことあるごとに精神状態が悪かったと言いますが、精神状態の悪い人間が、あれほど綿密に計画を立てて人とやりとりをし、人をだますことができるのかと疑問です。
でも覚えていないと言われたらどうしようもありません。

結局、どんな嘘でも平気でつく人間の言うことですから、話し合いをしようと思った方が馬鹿だったのかもしれません。

ボランティアとしてシェルターで掃除などの手伝いをしないかという提案も他の申立人からありましたが、これについては、それが呼び水となってまた虐待をしてしまうのが怖いのでやりたくないという返事でした。
この言葉を額面通りに受け止めれば、二度と虐待などしたくないという気持ちでいるのかもしれません。(もちろん詐欺師の言うことですから信じられませんが。)

金銭賠償については、信じられないほど低い額を提示してきましたが、結局、それより少し高い金額を分割して支払うという相手の要求をのむ形になりました。
私としては、ここで受け入れてしまって、廣瀬にこれで帳消しになったと思われるのだけは我慢がなりませんでした。
でも少しずつでも毎月支払うことにより、自分のしたことを毎月思い返し、どれだけ自分がばかだったか、忘れずに考えてもらいたいとも思いましたし、少しずつでも支払わせる方が実があると言われれば、それもそうかと思わざるをえませんでした。

申立人の間でも意見が分かれました。
慣れない調停の場ではみんな冷静に考えることもできませんでした。
今にして思えば、受け入れ拒否して民事訴訟に移行すべきだったとも思います。
役に立たない判決書が手に入るだけだったとしても、相手がたいした誠意を見せない以上、毅然として、けして許さないという意思表示をすべきだったかもしれません。

それももう、終わってしまったことなので仕方ありません。
結局こちらが本当に納得いく形では決着しませんでしたが、どこまでいっても納得することなどない以上、どこかで妥協しないと前へは進めないとも思うのです。
これが今の私たちにできる精一杯だったと私は思います。

ただ、この調停を通して分かったこと、言えることがひとつあります。
それは、調停に不参加だった人たちが恐れていたようなことは起こらなかったということです。
廣瀬を裁判などで追い詰めることにより、ストレスのはけ口としてまた猫を狙うのでは、と言っている人たちもいましたが、そんなことにはなりそうもありません。
被害者へ報復をするというような気配もありません。

今回調停の申し立てをしたのは、被害者のうちのごく一部です。
申し立てに参加しなかった被害者の人たちに、廣瀬を許さないという気持ちがまだあるのなら、恐れずに調停なり裁判なりを起こしていただけないでしょうか。

私は今回初めての経験でもあり、思うとおりの結果を得ることができませんでしたが、次に別の誰かが申し立てを起こすなら、経験者として協力することができます。
裁判でなく調停ならば、本来は弁護士を頼む必要もありませんので、費用もほとんどかかりません。
一人でも多くの被害者が調停を申し立てることで、より長い期間、より多くの額の支払いを請求できるかもしれません。

事件のことはもう忘れたいという人の気持ちもよく分かります。
それでも、最後までやり通したという実感がなければ、私はこの事件を乗り越えることはできないと思うのです。
今回不参加だったみなさんには、もう一度考えていただければと切に願います。
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大変勝手ながら、このブログの更新は今回で最後にさせていただきたいと思っています。
虐待防止活動については、私自身の生活の基盤が定まっていない状況ですので、落ち着いてからまた再開したいと考えています。
アドバイザーとして協力を申し出てくださったみなさんには大変申し訳なく思いますが、機が熟しましたら再開しますので、ご理解くださいますお願いいたします。

最後になりますが、今までご協力くださった各方面のみなさん、本当にお世話になりました。
心からお礼申し上げます。