1976年発刊の10巻からです
これは映画化された、大長編ドラえもんシリーズの1作目になった、記念すべき原案です。
この話は27ページという長い話(平均は10ページ前後)で、笑いと感動、教訓やドラえもんマンガの王道などが詰め込まれた、読み応え抜群な話です。今回はちょっと長いです。
話は、いきなり王道から。スネ夫が、恐竜の爪の化石を自慢するところから始まります。
ジャイアンらしくもなく、冷や汗をかきながら感動しています。
←次はみんなのアイドルへ。
しずかちゃんは想像を働かせ、やはり感動しています。
さぁのび太にも感動を
いえ、ありません。
さすがスネ夫さん、みんなに見せるために呼んだにも関わらず、「貴重なものだからこわされるとこまる。」からと、のび太には渡さずしまってしまいます。
自慢の仕方を極めています。「このゲームは3人用なんだ」とか「この車はあと3人しか乗れない」とか言い、のび太を仲間はずれにする王道の状況を、自慢話にも応用し、のび太を悔しがらせます。
さっそく悔しがるのび太、スネ夫の思惑通りです。
そこで、「ツメの化石ぐらいでいばるな!」
「爪だけじゃなく、恐竜の丸ごとの化石を発掘してみせる!!」
言っちゃいましたね、またまた王道の、でまかせセリフ。
今回は言ったそばから後悔します。のび太もそれなりに反省できるようになりました。
説教が始まります。今回は言いたい放題です
のび太は逆ギレ、「ぼくひとりでやる!」
なんと本当に一人で本を集めてきて、勉強し始めます。
のび太は活字が苦手です。これは32巻で説明されています。
「手にとっただけで頭がズキンとして…。開くと熱がでて目がまわって吐き気がして。二、三ページで意識不明。」
にも関わらず、頑張って読みます。5冊も読みます。感動的です。
「なんだよ。ニタニタとしまらないうすわらいなんかうかべて…。」
のび太ヒドイ....
すねるドラちゃん、かわいすぎです
のび太とは思えない行動力
めずらしいことをしたもんだから、下に住む見ず知らずのおじさんに怒られてしまいます。
つぐないに、「ゴミを埋める穴がほしいな。ほってくれ。」
言う前からゴミバケツを持ってるのは怪しい。「そうねえ…。」なんて考えたフリ。おじさんもヒドイもんです。
ところが思わぬ展開、
さっそくドラえもんに報告が、「ただの石っころかもしれない……」
冷たいドラえもん。。。
タイムふろしきをわざと落としていきます。
「自分の頭で考え、自分の力できりぬけてほしい!」
この自立したのび太の一連の行動が嬉しくてたまらないのです、ドラえもんは。もう友情の域を超えているように思えます。22世紀の子守り用ロボットは、レベルが高いんです
タイムふろしきで包んで待っている間、話を聞きつけたスネ夫が飛んできますが、まだ包んであり見せられないため、ウソだと思われてしまいます。
「うそだったら鼻でスパゲッティ食べてみせる!」
また言ってしまいましたねのび太さん。。。
そーいえば話は変わりますが、うどんを鼻で食べる芸人が居ましたね。彼はきっとここからヒントをもらったに違いありません。さすが藤子大先生、芸人のネタにも貢献しているなんて....。
さっそく親のごとく、暖めにかかります。
ただ動物嫌いのママには、タマゴを暖めているなんて言えません、しかも恐竜です。
「なによ!まっぴるまから!」とママ。当然です、小学4年生がこれではダメです。
結局温厚なパパまでが狩り出されのび太を起こそうとしますが、懸命にタマゴを守ります。
産まれてしまいました、20世紀の日本に....。
この感動のシーンにも関わらず、次のコマで早速笑いで落とします。
のび「グウとでもいってみろ!」 ドラ「グウ!」
って、おいおい、あまりにも冷たい反応。
しかしすぐに撤回します。
フタバスズキリュウといいます
すりこみ完了。
「名まえはピー助にしよう。」
恐竜の子どもってのは、意外にかわいいんですね、もちろんマンガだからというのもあるでしょうけども。
ここでスネ夫をギャフンといわせようとするドラえもんに対して、「少なくとも10メートル以上に」育ててから公開すると言うのび太。
ピー助の食べ物に困りだします。
ミミズをひろってくるも食べないピー助、夕飯に出たおさしみを、自分の大好物にも関わらず、ピー助に食べさせます。
「ピーピー!」おいしそうに食べるピー助。
ドラえもんが力を貸してくれます。 「成長促進剤!」
これは似ている道具があります。 「アットグングン」(38巻)です。
しかしアットグングンはふりかけのような粒状のクスリですが、成長促進剤はバファリンみたいな形状。効果は同じようですので、未来デパートの仕入れ先が変わったのでしょう。
ピー助を散歩に連れ出そうとしますが、ドラえもんにとめられます。
「学者が研究のために解剖するか、動物園で見せ物にされるか。」
暑い日が続くなか、庭にプールを作り、ピー助を泳がせます。
すると突然ママが。「すなおに白状しなさい!!」「イヌかネコをひろってきて、こっそり飼っているんでしょう!」
ここでのび太はきっぱり。「神に誓って!イヌもネコも飼っておりません!」
そろそろこっそり飼えなくなる大きさになります。
のび太は公園の池に放してきます。「ぼくが呼んだとき以外、顔をだすなといいきかせてね。」
たいした教育です。のび太を親だと思っているピー助は、すでに人間のコトバも理解しているようです。
恐るべし親子愛....。
いつの間にすごい大きくなってます
そろそろ公開と思った矢先、のび太は熱にうなされます。
体調も回復したのび太、するとテレビで恐竜が報道されてしまいます。
泣く泣くピー助をスネ夫に公開しないまま、タイムマシンへ。
しかし帰ると知るや、ピー助は寂しがります。
当然ではありますが、のび太に責任はあります。
大泣きでピー助から逃げてゆきます。
「ピューイピューイピューイ」
あぁ、書いてて泣けてきた....。
あっけなくピー助とお別れです。
帰ってくると思いだします。
「鼻でスパゲッティ食べる機械をだしてくれえ!」
ここで短編は終了で、この後映画化された「のび太の恐竜」では、ピー助に再会し、波乱万丈な冒険をピー助と共にします。