DUMBLEアンプ 2 | おんがく・えとせとら

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 最近、ロベン・フォードに凝っております。
 きっかけは、久々にライブでギターを弾くことになって、練習時間がないのでなるべくコード展開の少ない曲を…ということで探してたら、ラリー・カールトンつながりで東京JAZZ 2006の「That Road」に行き当たったこと。
  この曲はロベン・フォードがヴィニー・カリュータらと組んでた「JingChi」で演ってたものの改作ですが、よりシンプルになってなかなかイイ! が、結局「メロディとソロの区別がつかん」「延々Eワンコードで進行がつかめん」ということでバンドでは没になりましたが、以来ロベン・フォード・ファンに。

 で、ロベンといえばダンブル(DUMBLE)。今や、この希少なアンプを惜しげも無くライブで常用しているのは彼ぐらいなものでしょう。(スペア機も所有しているようです。)かつて同様にDUMBLEを使用していたラリー・カールトンは数年前に所謂クローンのブルードトーン(BLUDOTONE)にチェンジしてます。



 DUMBLEアンプについては以前一度紹介しましたが、まず、希少価値も手伝って非常に高価だということがよく知られています。新品はまず出回ることがないので、中古しかありませんが一体どのくらいか?


eBay



 上記は米国のネット・オークションeBayで、 ちょうど1年前の2011年5月にアップされていたもの。1984年製Overdrive Special100W、スピーカーはエレクトロ・ヴォイスのEVM-12S2発、セットでの売値は85,000$。80円/ドルとして680万円! どんな人が競り落としたんでしょうか?



dumble


 こちらは米ノース・カロライナにあるマーヴェリック・ミュージックという楽器店の取り扱い品から。何と99,500ドル! 約800万円! 上と比べるとより簡素なコンボタイプながら、こっちの方が数段高い。
 スティーブ・ファリスというギタリスト(元MR.ミスター)の所有品で、マーク・ノップラーやエリック・クラプトンもレコーディングで使用したことがあるそうだ。そのせいで高値がついているようです。


farris  mrmr

       Steve Farris / Mr.Mister(右から2人目は後にキング・クリムゾンに加入するパット・マステロット)



 さて、DUMBLEアンプというと「Overdrive Special」、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが使っていた「Steel String Singer」というモデルが代表的ですが、実はハワード・ダンブル(Howard Alexander Dumble)は1960年代にアンプ製作をスタートして以降、改良を重ねいろいろなタイプのアンプを製作しています。

■Overdrive Special
 一番良く知られているのがこれ。しかし、製作時期によって外観や仕様は変化しており、大きく分けて70年代、80年代、90年代以降という括りで特長が表されているようである。
■Steel String Singer
 スティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)が使っていたので有名。
■Dumbleland
 1998年刊のギターマガジン別冊「アンプ・ブック」で紹介されていたのがこれ。本体には「"DUMBLELAND"-OVERDRIVE SPECIAL」と記されているが、Steel String Singerの前身であるとのこと。
■Boarderline Special
 名前のとおり…across the boarderlineに因む?…ライ・クーダー(RyCooder)向け特注仕様のよう。トレモロが内蔵され、バックパネルには117~240Wの入力切換スイッチが備わっている。海外ツァーでも困らないように設けてあるのか?
■Overdrive Deluxe
 DeluxeといいながらOverdrive Specialよりも簡素な造り。
■Overdrive Special150
 150Wの高出力タイプ。

■Winterland
 見るからに年代を感じさせる外観。ダンブル氏はカリフォルニア在住、同地の有名なコンサート会場の名前を拝借したのでは?
■Small Special 100
 パワー管は6550のよう。 
■Manzamp
 フェンダー・ツィード・ベースマンの改造品?


 下は珍しい「Dumbleland」の販売品。またまたマーヴェリック・ミュージックの扱い品! 「価格応談」とのこと。


dumbleland



<参考サイト>

  DUMBLEアンプは国内外に根強い人気があり、研究家、個人製作家もたくさんいる(ロベン・フォード・ファンが多いようです)ようで、ネットにもさまざまな情報が上げられています。それらの引用要約文をここでつらつらと並べるよりも、各サイトを直接参照していただく方がより理解が深まると思いますので、じっくりご覧ください。

Wikipedia…Dumble Ampifiers(英語版)
 まずDumbleアンプの基礎知識はこちらで。

Index of/staff/rob_livesey/dumble
 Wikppediaで紹介されている米国のブルース・ミュージシャンの裏サイト。レアモデルまで含めたDUMBLEアンプ関係の写真満載です。トップの「Articles」には85年ギタープレーヤーマガジンのインタビュー記事が収録されています。

Intense Rock(日本語版)
 運営者の紹介はありませんが、アンプを個人製作している方のようです。トップ画面に戻るとDUMBLEクローンアンプの製作に関する記事も閲覧できます。