・現在に伝わる世界で最初の小児科専門書【顱顖経(ろしんきょう)】
日本では小児はりと聞くと、『疳の虫のハリね』とわかってもらえますが、中国ではハリといえば刺す鍼しかないという感じで、皮膚への接触刺激の日本のハリはほとんど行われていません。
中医学による小児への治療はないのか?というと全然そんなことなくて、中医小児科の専門医も総合病院には常駐しています。
これは西洋医学の薬剤よりも、中医師に処方される煎じ薬のほうが安心だという親御さんの気持ちもあるようです。
中医薬大学付属病院では中医小児科が一番患者さんが多かったですね。
附属病院での鍼灸科では、実は中医師の中でも低く見られているみたいで(怒られそうですが・・・)外来病棟からは隔離された場所で施術をしていました。
来院患者も慰安的な症状や顔面神経麻痺(中国では顔面神経麻痺といえば鍼灸みたいなイメージです)の患者さんばかりでした。
鍼灸科では子供の患者さんはいなかったですね。
日本の鍼灸とは全く違う光景だったので最初は驚きました・・
中医学の歴史の中で小児科の専門書は唐代末期の【顱顖経】という書物が最初です。
【顱顖経】は幼児は純陽の存在であることを明らかにした最初の小児科専門書です。
診察方法である、幼児の脈診方法、頭蓋骨の泉門の診察法、また癲癇や赤痢などの治療法など内科から外科、耳鼻咽喉に至るまでの網羅した現在に伝わる世界で最初の小児科専門書です。
唐から宋の時代にかけては小児科だけでなく、伝統医学が発展した時期でした。
この時期に執筆された小児科の書物は現在でも多く伝わっています。
北宋・銭乙による【小児薬証直訣】
北宋・董汲による【小児衛生総微論方】
南宋・劉による【幼幼新書】
南宋・陳文中による【小児痘疹方論】、【小児病源方論】
南宋 【小児衛生総微論法】
ここから元の時代になるとさらに発展していきますが、【顱顖経】の幼児が純陽の存在だという考え方は基本的には変わっていません。
この純陽の考え方が小児鍼にも深く関わっています。
参考.コラム-小児はりについて
夜泣きの小児はり
----2018/08/17----
小児診察に関する古医書へのリンクを追記しました。
古代では天然痘に対する予防と治療が小児科のもっとも重要視する点でした。
現代では便秘や夜泣きなどがメインとなっています。
天然痘は撲滅されましたが、古代に医師たちが感染症と戦った記録は無駄になっているのでしょうか?
古代の人々を脅かした、天然痘や腸チフスを初めとする感染症に対して膨大な記録が残っており、鍼灸や漢方ではその記録をもとに難病治療に応用しています。
西洋医学の投薬のみでは難しい様々な難病に古代の感染症との闘いの記録が活用されているのはおもしろいですね。
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