以簡御繁 | 木もれび鍼灸院(アメブロ)

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大阪池田市の東洋医学鍼灸専門院
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その痛みや症状が治ったらどんな事をしたいですか?

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『以簡御繁』

簡を以って繁を御す


研修中にこんな言葉を教えて頂きました。


普段は道教や易の話が中心になっているのですが、今日は古代の政治の言葉でした。



中国の宋の時代。


江秉之(こうへいし)という人物が物事の判断の際にこの「簡を以って繁を御す」を基準としました。


山陰県という場所のトップになった時に、住民が3万人もおり、訴訟や問題が絶えず、県庁に毎日数百人の住民が押し掛け混乱を極めていました。


そこで江秉之は全ての複雑な事案を、単純化させることで、多くの問題を解決することに成功し、そこでの働きが認められ、新案郡の太守に昇進しました。




中医鍼灸の考え方は弁証論治です。


病人の症状は複雑です。中医学では複雑な症状を独自の枠に納めることで単純化させます。


※その為、中医学の診断は硬直化していると批判されますが、そこに日本鍼灸のエッセンスである触診(腹診など)を持ち込むことで、病人それぞれに合わせた柔軟な診断が可能になります。


複雑な症状ばかり追いかけるのではなく、人を診ることで、治すことが可能になります。




中医学の教科書である《黄帝内経:陰陽離合篇》に『陰陽者、數之可十、推之可百、數之可千、推之可萬、萬之大、不可勝數、然其要一也』とあります。


これは自然の変化、人の身体も含めて、全ては陰と陽が相互に対立し統一して成り立っている。陰と陽の変化は無限だが、無限の変化の要は陰と陽であるということを述べています。





鍼灸はシンプルな治療法ですが病人の複雑な症状を陰と陽という考え方で単純化させることで、現代では難しいとされている難病をも治すことが可能になっています。