2年前の今日、午前1:48、ポコちゃんは産まれました。あの日の事は昨日の出来事かのようにはっきりと覚えています。

子宮口がなかなか開かず陣痛の苦しさで上手く呼吸が出来なくて何度も過呼吸になりかけた。そのせいで余計痛みは増し体が痺れ本当に苦しかった。苦しいのに妙に冷静に心の中では理性的で何とか切り抜けなければと考えていました。



旦那君は少しでも陣痛が楽になるようテニスボールで押してくれたり、お水を飲ませてくれたり、がんばれと声をかけてくれました。


出産する3、4時間前に急にポコちゃんの心音が低下し看護師さん達が慌ただしく私を車椅子に乗せ分娩室へ移動した。事の重大さがわかっていなかった私は側にいた旦那君を見ると、祈るように手を合わせて今にも泣きそうな顔で私を見ていました。



心の中で『そんなに心配しなくても絶対大丈夫だよ…』なんの確証もないのにとても強い前向きな気持ちでした。途中痛みでじっとしておられずベッドから落ちそうで畳の部屋で横になりたいとかそんな事を考えてました。



ラベンダーのアロマが焚かれて脚に鍼テープを貼ってくれて呼吸が少しだけ楽になり、ようやく子宮口が最大に。2、3回息んだら裂けそうな感覚になり医師から『切りますね』と言われジョキジョキと切られる感覚がはっきりわかりました。陣痛が痛過ぎて切られる方の痛みは我慢できました。



もうすぐだ…そう思った時に旦那君が私の髪を優しく撫でぎゅっと抱きしめてそしてキスしてくれました。『さぁ、息んでくださいね』と医師の声でフーッと深呼吸して『大丈夫、ポコちゃん、出ておいで』と声に出してから思いっきり息んだ。ニュルッと暖かい物が私の中から出てきてポコちゃんの元気な産声が聴こえました。



胸の上でポコちゃんを抱いたあの瞬間。あんなに苦しかった陣痛の痛みは吹っ飛んでまだ傷口を縫われている最中だったけど目の前で泣いているポコちゃんを見て『もう大丈夫。よしよし、よくがんばったね。お母さんもお父さんも側にいるからね』と安心させたくて何度も大丈夫と声をかけました。



その横で旦那君は目を潤ませ心配しているような愛おしく思っているような何とも言えない顔でポコちゃんを見つめていました。それから看護師さんがおっぱいを飲ませようと乳首までポコちゃんのお口を持ってきてくれたらすぐに上手にチュパチュパ。かなりの陥没乳首で絶対に吸えないと思っていたのに。その姿が愛しくたまりませんでした。



看護師さんが『お父さん、抱いてあげて』と言ってくれたのに『いいです』と即答。赤ちゃんに菌が…とか考えてたと思うんだけど真剣な顔の旦那君を見てプッと笑ってしまいました。その後少し慣れてから恐る恐る抱いている姿も優しさで溢れてました。


分娩後赤ちゃんはすぐに別室へ連れていかれるのかと思っていたのにしばらく分娩室にいれて、とても幸せな時間を過ごしました。



あの日から2年。生後1ヶ月に旦那君単身赴任、生後4ヶ月で私も引っ越し、知らない土地での育児、そして長年勤めた会社を退職。なかなか授乳が上手くできず落ち込んだ時もあった。ポコちゃんの便秘に悩んだり、旦那君と心が通わず距離を感じた時期もあった。


でも振り返ると幸せな時間ばかり思い出す。いつもポコちゃんの愛らしい姿に癒され元気を貰ってる。私が少しでも側にいないと泣いて24時間ベッタリだったのが随分平気になりました。


今では毎日『おかぁ~さん、だいしゅき♡チュ♡』と頬を寄せて抱きしめてくれます。ポコちゃんのお母さんになれて本当に幸せです。私の娘に産まれてきてくれてありがとう。


お誕生日おめでとう。愛してるよ、ポコちゃん♡