あきやま なおこです。
最近、片づけの業界の中で
「防災」や「備蓄」がテーマのモノがにぎわっています。
「防災」も「備蓄」も必要ですが、
防災グッズが家に増えたり
備蓄品が家に増えて
生活スペースを圧迫していては本末転倒ではないのかな？？？
と考えるのです。
私は神戸市垂水区で生まれ育ち
阪神淡路大震災も経験しました。
幸いなことに、自宅は半壊で済み
避難所生活を経験することはありませんでした。
それでも、当時余震が続く中
家族6人が正方形のひとつのこたつに
身を寄せ合って1週間過ごしたことは
今でも忘れることのない出来事でした。
それまでの関西では
「関西は地震なんてないから（笑）」というくらい
地震に縁のない生活でしたが、あの地震以降
ガンガン余震起こっていたので、
本震の揺れを体験した時の恐怖心がよみがえったりして
夜もおちおち寝てられない状態でした。
その時を振り返って思うのは
状況を冷静に判断する力があれば、
あえて、防災グッズや備蓄を大量に備えるのではなくて
普段の暮らしの中に、防災グッズとして転用できるものを
多く取り入れるほうが、よっぽど防災になる。と考えています。
そんな中、私があの震災を体験した時に
コレ、あってよかったよね...と思ったモノ。
それは、お餅です。
阪神淡路大震災があったとき、
ちょうどお正月が明けて、間もなかったこともあり
我が家の冷凍庫には大量のお餅がまだ残っていました。
震災の直後、ガスや水道が止まり、電気しか使えなかった我が家。
家の前の道もそうですが、周辺のバス道も、道路が割れて亀裂が走り、まともに車が通れやしない状況だったので、家のガスの元栓を閉めても、地域一体ガス臭が充満していて、水道の復旧も容易でないのが想像できる状況。
水を確保しても、ごはんを作れたとしても、洗い物の水も流せない有様。
こんな状況で何ができるかっていうと、正直何もできません。
電子レンジは食器棚の上から吹っ飛んで、ひっくり返ってキッチンの扉にめり込んでいたので、使うのが憚れる状態で、ガスの炊飯器を使っていた我が家では、ごはんを焚くのも一苦労でした。
そんな時、電気が通っていたことが幸いし、かろうじてトースターが使えた我が家。
親戚が電気で使えるホットプレートや炊飯器を届けてくれるまでの間、何でやり過ごしたか...というと、
トースターでひたすらお餅を焼いて食べてました。
普通の白餅の他に塩味の効いた豆餅があったので、
交代しながら食べていました。
白餅はきな粉をまぶしたり、砂糖醤油でまぶしたり。
あと、味づけ海苔があったので、それに巻いて食べたり...と
家にあるもので、全部賄えました。
どうしても暖かいモノが欲しいときは、ポットでお湯を沸かして顆粒の出汁を溶かしてなんちゃって雑煮風に。
おまけに、冷凍庫にお餅があると、電気が復旧するまでの保冷剤替わりにもなった（笑）
市販品のお餅は1個ずつパックになっているので、衛生的にも安心。
こういうやつね。
それこそ、家がつぶれたとしても、最悪お餅を持っていれば、水も使わず、野営で火を熾すことが出来れば、直火で焼けます。
また、災害が起こったときは後で必ず「ゴミ問題」が起こるので、お餅だとゴミも最小限に抑えられます。
最近は国内の防災対策は25年目よりかなり充実しているので、会社や自治体、地域毎に防災備蓄が設けられています。
そして、実際に災害が起こったとき、手元に3日分の食料を確保していれば、救助支援が始まると言われています。
いつ起こるか分からない災害だからこそ、日々使っているモノで対応できる方法を考えておくことが、本当の防災につながると考えてみてはいかがでしょうか。
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