私はSMAPのことが大嫌いだった。


私が好きだったのは、光GENJIみたいなキラキラしたアイドル。
決しておかっぱ頭で変な歌歌ったり、海苔みたいな眉毛つけて芸人みたいに話す人たちじゃない。

小学生のころ、最初に彼らを見て感じたのは強烈な「違和感」だった。

それからはしばらく、彼らを見ては悪態ばかりついていた。

バスケ下手くそだからやらなきゃいいのに。
支倉先輩の声に合ってない。
毎回Mステで騒ぐのやめてほしい。


なんでか彼らは見たいテレビ番組にいつも出ていて、私はいつも親に「そんなに嫌ならチャンネル変えれば」と言われながらイライラしていた。
(今になればわかるんだけど、私はたぶん自発的に彼らが出るのを知っていて番組を選んでいた)


彼らの「違和感」は、裏返して絶大な魅力だった。


そんなこんなで、私は少しずつ自分に「SMAPが見たいんじゃなくてたまたま出てるだけ」と言い訳をしながら、彼らの活動を追い続けた。

そして、その言い訳が少しずつ増えていった。

一色紗英ちゃんが好きだから見る。
木村拓哉の顔だけはかっこいいと思う。
「君は君だよ」だけはいい歌だと思う。


ほどなくして、私はSMAPのファンだ!と言うようになった。

中学生にもなってくると、周りはアイドルではなくてアーティストに興味を持ち始める。
アイドルが好きというのが恥ずかしくなってきた私は、最後の言い訳をした。



「SMAPはアイドルらしくないから好き」



SMAPにとって、「違和感」は強みだ。
今までの常識を変える原動力になるから。

さて、SMAPと私は晴れて和解をした。
ここからは「熱狂期」に差し掛かるわけだけど、続きは次回で。