take me out!!! | 千葉雄大オフィシャルブログ「パステルカラーな日常」Powered by Ameba

take me out!!!

こんにちは



本日は、晴天なり



僕の上空には
青空が広がっていて
くもの動きも早い



雲さん、雲さん



もうちょっとだけ、
ぼくを隠してしまって
ほしいものです



ふと、
どおっと溢れてきたので



物語の続きを
















いつも、電車でみかける
ギターを背負った男の子
腕なんかあたしよりも
細くて、色白で、
とても不健康そう



髪は自分で切っているのか
肩くらいの長さで
ぶっきらぼうな感じ
それでも、きれいな髪で
たまたま電車内で近くに
立ったとき、なんだか
懐かしいにおいがした



バンドを組んでいるのかな?
どんなジャンルかな?
ロックかな、パンクかな



あたしは、全然
音楽とか興味ないけれど、
なんでだろう
あのギターを背負った男の子が
気になる



目で追ってしまう



あたしはその子より
前に電車から降りる



その子が
どこの駅で降りているのかは
知らない



そして、今日も彼より先に
あたしは電車を降りる



季節は夏。
暑い空気が全身を包み
セミの声が気だるさとワクワクを
運んでくる



いつもと同じ
時、場所だけど、
どこか違う気がする



なにかが
起こりそうな気がする



なにか
物語が始まる気がする!!



am 8:45
今日も変わらず、遅刻である



学校までは、歩いていく



走ると汗かくし、景色がぶれる



なんにもない学校だけど、
ひとつだけ誇れるものがあるなら
この通学路だ



田舎町には似合わない
アメリカみたいに広い道路と
針葉樹の並木道
たまあにゆれる広葉樹が
風を感じられて、またよし



途中にいる
不細工な、どでかい真っ白い犬
汚くて、そこらに
フンを並べているが、
おめめがつぶらでかわいい
名前は、しほうだい
文字通り、
フンをしほうだいだからである



滑稽な名前で呼ぶが、
彼女はわたしによくなつく



クラスメイトの鮎川さんが
男子複数と下校中に
彼女に触ろうとしたが
うなられて、噛みつかれそうに
なってた



わかるんだよ
犬にだって



犬を可愛がっているのか
自分を可愛く見せたいのか



少し進むと、
駄菓子屋がある
無愛想で、
耳の遠いおばあちゃんが
黙って店番をしている



それから、
お風呂屋さん、銭湯もある
帰る頃には、
お風呂のいいにおいがする


そして、
学校が見えてくると
小高い丘があって、
向こうには海が見える



太平洋の少し濁った
ひろーい海が見える



そんな素敵な通学路だ



走ってなんかいられない



それに、



誰も気付いてないよ



あたしのことなんか。







埋もれていく
人に、友だちに、先生に、
学校に。



友だちがいないわけじゃない
ただ、苦手なのだ
どうしていいか、何をしていいか
わからないのだ



だから、
必要事項しかみんなと
しゃべらなくなった



「おはよう」
「日誌ここに置いておくね」
「移動教室、変更になったよ」
「掃除当番代わってくれない?」
「じゃあね」



みんな、あたしに話しかけた後
それぞれの場所に戻っていく
顔が変わる
壁ができる



みんなって何?
居場所って何?
あたしには戻る場所ってあるの?



学校での日々は
淡々としていて、
あっという間に終わるから
別に苦ではなかった



だけど、
時々お腹が痛くなるんだ



いじめられているわけでもない
勉強についていけない
わけでもない



ただ、なんとなく
ソワソワするんだ



だからたまにあたしは、
学校に向かっているはずなのに
足が止まることがある



道をはずしてみたくなるんだ



このまま電車を降りずに
乗っていたら
何か素敵なことが
起こるんじゃないか



もし、道に逆らって
向こう岸のホームへいけば
見たこともない世界が
広がっているのではないか



駅で心拍数が上がる
気付けば、電車は通りすぎている



時間軸がおかしい



ここはどこ?



でも、なんだか
ほっとする



ふと先を見ると
見覚えのあるシルエットが



彼だ。














続きはまた今度



よし。
リセットしよう。



胸のもやもやーんを
しゅしゅっと吐き出そう



胸一杯に空気を吸い込もう



そしたらまた、
大きな声で叫ぼう



では、また。



午後もアクティブに。