私の実家は、隣の民家は500m先にあるという山の中にありました。

散歩はノーリードで、犬達にとっては、とても環境がよかったとおもいます。


山の中には野生動物も多く、格闘して帰ってくる日もしばしば......

庭の池の金魚や鯉を狙ってトンビやカラスが寄ってくると、モカとヨシヒコはいい獲物がきたと物陰にかくれ、水面におりてきた鳥に飛びかかり大乱闘。

そして、戦利品として、鳥の足や翼、獣の指、蛇を持ってきてくれましたドクロ


モカが1才になった頃、3匹の子犬を産みました。

でも、モカは育児放棄してしまい、母乳を自分で飲んだり、よってくる子犬を足で踏んだりするようになったので、また人工保育のはじまりです。


モカは3回、9匹の子供を産みましたが、人間が手をかしてしまったからか、気が向いた時しか子犬の側に寄らなかったのです。


モカの子供たちの中では、2回目の出産でカズヒサだけ飼うことになりました。

カズヒサは生まれながらに心臓疾患があり、すぐにてんかんを起こしてしまう子でした。

モカとヨシヒコの散歩について行っては、発作をおこし、何度も死にかけていました。


動物病院では、「この子は育たないから、安楽死させたほうがいい」といわれましたが、どうしても安楽死は選べませんでした。どっちがカズヒサにとって幸せだったのかはわかりませんが、カズヒサは8ヶ月生きてくれました。


ヨシヒコは私にべったりで、私の言うことしかきかない犬でした。

就職をして、実家を出て3ヶ月、ヨシヒコは散歩中に農薬入り団子を食べてしまい、母が吐き出させようとしても言うこときかず、パニックをおこしてしまい、そのまま逝ってしまいました。


モカは15才のときに交通事故にあい、瀕死の状態でしたが、奇跡的に一命をとりとめ、半ねたきりになりながらも20才まで生きました。