久しぶりにPodcastで「大江麻里子のモヤモヤとーく」を聞いていたら、第28回の日系ブラジル人の話が紹介されていた。所属しているオヤジサッカーチームには、日系ブラジル人の仲間が過去10年間で6-7人いた。3世だから、お祖父さんやお祖母さんが日本から移住した人たちだ。普段はサッカーやって、お酒飲んで、バカ話している仲間だが、いろいろ彼らも思いがあるんだろうなと思った。以下はその概要。


・・・ 小泉総理がスピーチの途中で泣いた姿が世界中のメディアに配信されました。
それに対して日本では一部のマスコミや一般の人々から、落ち目の小泉総理のパフォーマンスではないかとの声を聞きました。
しかし、この涙には下記のような事情がありました。


サンパウロ入り初日の2004年9月14日午後、サンパウロ州知事や日本大使等と共にヘリコプターでエタノール工場や農場の視察に向かった。
その途中 1908年第1回移民が入植した旧グァタパラ移住地という日系移民の入植する移住地の上を通過した。
下をみると、日本語で〔歓迎小泉首相〕と石灰でグランド一杯に書いてある文字を発見、実は総理がブラジル到着の朝刊に、ヘリコプターからグァタパラ移住者の無縁仏のために花束でも投げて下さい、という大きな記事が載った。総理はその朝、その記事を見て密かに花束をヘリコプターに持参した。
さて、歓迎の文字を見た総理は同乗した藤田エジムンド外務省アジア オセアニア局長に、着陸してもらえないかと頼んだ。
州知事や日本大使とも相談の結果、ヘリは急遽 同移住地に着陸。突然のヘリ着陸に移住者は全員バンザイ! バンザイ!と叫びながら駆け寄り、その中の一人の老人は地面にひざまずいてお辞儀をしていました。総理は持参した花束を移住者の代表者に渡し、無縁仏へと飾られました。

その時の話を翌日の日系人が集まる日本ブラジル文化会館での約1300人の人々の前で話し始めた。
「上空から花束を投げるなんて、そんな失礼なことは出来ませんよね」の話の後、しばらく昨日の出来事を思い出し、突然声が出なくなり涙を流した。
会場に居た全員が、その姿を見てもらい泣きをした。この時の涙が例の涙である。
もちろんブラジルの大手新聞にも大きく写真が載り、その時の様子を伝えている。
その記事の説明の下には、同紙の有力記者が「一人のサムライの涙」と題し、
本当の侍が決して泣かないのと同様に、日本の首相が公衆の面前で泣くことは普通では考えられないと記した。
「日本国民の多くが自問するだろう。ベテラン政治家として人生経験が豊かであらゆる政治的困難を乗り越えてきた1国のリーダーに対して、ブラジルでこれほど強い感動を与えたのは何であるかを。首相の涙は、むなしく流れたのではない。それはまさに、投資と富、そして将来の交流の新時代の胎動を、ブラジル政府が
その涙の中に見出すか否かにかかっている。」と締め括った...


で、日系移民の末裔たちが、今のブラジルの経済発展に貢献している部分は大きいとのこと。