ー前略、色彩の港町からー

 

大谷翔平選手はブルベウィンターっぽいな。髪の毛の色が黒いし、髪質も髪の量も、それから黒目と白目のコントラスト感なんかも見ているとウィンターっぽい鮮やかなビビッドレッドや濃いブルー、深い紺色や、モノトーンコーディネートなどのときに目力や個性が増すような気がする。

エンジェルスのユニフォームの赤はやや黄みがかっているけれど白とのめりはり配色でありくっきり感があるということ、そして赤の彩度がとても高いことでお顔つきと調和しているような気がする。日ハム時代から見ているけれど青いユニフォームのときがゴールドのユニフォームのとき似合っていたような。

 

 

羽生結弦選手はブルベサマーであるような気がする。王子様のようなやわらかい素材の絹のような光沢のある優雅なうすい青やうすい紫が天からの使者が羽衣をまとっているかのように上品である。黒っぽい色や高彩度の衣装もたしかに格好いいけれど、少し表情が強くなるような気がする。あのうっとりして気が遠くなるようなやわらかな天の羽衣感、夢の世界に入り込んだようなはかなげなメルヘン。あれは中彩度以下で高明度の色がかもしだす妖精の羽のような幽かな世界観ではないかと感じる。水色でもイエベっぽいターコイズの衣装だととたんにお顔の抜けるような白さがうしなわれてしまうような気がする。

 

 

工藤静香さんはイエベオータムなんじゃないかな。黄砂に吹かれてあの色気。ブラウンメイクとブラウンファッションで艶めいてオーラが増すという彩度と派手さが逆行するタイプ。ショッキングピンクよりもキャメルを着てほしい。ひまわりのような黄色ではなくマスタード色を着てほしい。あの女王感はオータムさんならではの魅力だなあと感じる。いやほんとに「黄砂に吹かれて」のジャケ写を見ると「ああ、茶色が似合うってこういうことね」とわかるのではないかと思う。あ、そういえば木村拓哉さんもイエベオータムのような気がする。並んだらとてもゴージャスであることだろう。

 

 

辻希美さんはどうだろう。ファッションとかリボンとかヘアスタイルとかメイクとかyoutubeなどのサムネのつくりこみとかを見てもパステルカラーでかわいらしくてポップで親しみがあり、イエベスプリングなのかなと思われるが、ちょっと待って髪の色は昔モーニング娘のときけっこう黒くなかったっけ? いまはカラコンとかもしているかもしれないけれど昔は黒目もけっこう黒いイメージがあったなあ。衣装はどうだろう。ちょっと「辻ちゃん 衣装」で画像検索をしてみると……。うーんどうだろう、ミニモニのスプリングな感じの衣装よりもダブルユーのときのシルバーキラキラのサマー的な衣装のほうが似合っているような……。はて、なやましい。

 

 

これはさきほどのランチタイム、ヤフーなどのネットニュースを見ていたときの私の脳内である。

なぜこのメンバーなのかというと、この方々がトップ画面の記事で出ていらしたのである。

 

これは私の習性である。

 

だいたい誰かの写真を見ると「この人はサマーだな」とか「オータムだな」とか無意識でてきとうに想像をする。

実際にはリアルにあって演色性の高い光源で100色のドレープをめくり、1時間くらいかけて判断しないとパーソナルカラーはわからない。ぱっと見と違うこともぜんぜんあり。

 

 

だからこれは完全なる趣味なのだ。いや、無意識だから趣味ですらないかもしれない。癖かもしれない。習性ですらあるかもしれない。誰にでも無意識でやってしまっては見知らぬどなたかのお顔をじろじろ見てしまうことにもなってしまう。肌の色とか眉毛の感じとか手の甲の陽に焼けている具合なんかをつぶさに観察したくなってしまう。

だから普段は封印している。しかしネットニュースを見ているときぐらいは、習性全開なのである。

当たるかどうかわからないけど、もしかしてこうなんじゃないかなあと、きらきら輝く彼らを生でパーソナルカラー診断をしたわけでもないのに、勝手なことを言っているのである。

しかもパソコン画面というRGBの細かい光源で表現された像をみて、好き勝手なことを言っているのである。

 

 

昔、スポーツ観戦をしている大人たちが好き勝手なことを言っているのを見て少女の私は閉口していた。いやだわあ、はしたない。あんなに頑張っている人たちに対して、確証もないことをぽんぽん口に出すだなんて。

いま私はそれをパソコンの前でやっているようなものだ。

そしてそれは、気軽で無責任であるからして、わりに楽しいものなのだ。