宝探し | ドレミファソ

2013年の4月、桜がたくさん咲いていた日でした。

自宅が火事でなくなりました。
何も残っていませんでした。

その夜はこわくてこわくて、お母さんと抱き合ってお布団にはいったのを覚えています。

燃えた瓦礫の山を家族みんなで煤で真っ黒になりながら掘り起こしたのは、お父さんとお母さんの丸焦げになった結婚指輪でした。

宝物探しみたいで、見つけた瞬間にみんなで涙を流しました。
あのシーンは頭に焼き付いています。
悲しい中にでも喜びって見つけられるものなんですね。
この家族の元に産まれてよかった、と感じました。

不謹慎かもしれませんが、私は自分がこの経験してをして初めて東日本大震災を体験した人達の気持ちをより近く感じられた気がしています。
もちろんもっと辛い思いをした人達がいるというのは分かっています。

でも、形のある思い出が全て消えてしまったのは悲しいです。何気無い絵、写真や手紙をもう一生読み返すことがはきません。

生きているだけで幸せでなのに、そんな事を思ってしまうんです。


でもだいじょぶです。
大切な人たちがたくさん心配してくれました。
人のために泣いてくれたり、悲しんでくれたり、やさしくしてくれた人たちがいました。
ありがとうと伝えました。
まだ伝えきれていないくらい。


いろんな気持ちが混ざります。
でも悲しみは綺麗な色で塗りつぶします。
今、目の前の大切な人たちを心から愛せるようなやさしい人間になりたいです。


2011年3月11日から5年たち、そんな事を考えていた1日でした。
すべての人たちが 家族の元に帰れますように。


mika